視聴率 『平将門』 玉木宏のシーン増やしテコ入れの噂出る

女性セブン2012年7月12日号


テレビ局側は高い視聴率を望むのが当然だとは思う。
されど、武士による武家社会や幕府が形成されるまでの
歴史的背景を忠実に描き放送することには大きな意味が
あると僕は思う。

ともすると、豊臣秀吉、織田信長、徳川家康、上杉謙信、武田信玄
などの戦国武将の陣取り合戦や、縄文弥生文明の時代に重点を
おいた歴史学習の方向性に行きがちな日本史学習を、こうして
鎌倉幕府が開かれる以前の乱世の時代を、政治的背景をしっかりと
描きながら放送を続けることには、放送局にとって後々の大きな財産
になって行くはずだと僕は思っている。

姫君の人生を描いた篤姫や、維新の中心人物を描いた竜馬伝などは
現代の生活や人間社会と重ね合わせながら視聴することも可能で
もある人物像であるから、視聴率が高くなるのも良く理解できるだろう。
しかしながら、武家中心の社会が確立されるまでの乱世の時代は
非常に混沌とした時代であるわけだし、その時代の改革者が荒くれる
様子などは実に忠実に描かれているはずだし、そのことを誹謗中傷
すること自体が日本史学習の道から外れていることなんじゃないかと思う。

世界史と日本史、日本史と古文漢文、日本政治と日本経済、現代日本と現代世界。

日本の歴史学習は一部の時代を大きく取り上げる傾向が強かったんじゃないのか。

僕は縄文弥生時代も、明治維新以降の日本現代史も欠かすことのできない重要な
日本の歴史学習だと思っている。
かつての学校教育も進学テストにそれほど多くの問題が出題されないからと言って、
明治維新以降の日本現代史を自習程度にしか考えていなかった現実が今こうして、
平清盛の大河ドラマの放送が注目されているかどうかの結果に表れたんじゃないかと
思えてきたりもする。

日本史で何を一番学ばなければならないかと言えば、「我々日本人と言う人種の特性」
が何なのかと言うことだと僕は思う。

縄文弥生の時代は多分まだ「日本人」ではなかった時代だと思う。
奈良時代はどうか、まだまだ「漢の文字」を常用していた大陸国の一部の
時代だと思う。
平安時代はどうか、いよいよ「ひらがな」などが登場しだし、風俗的にも文化的にも
独自の変化が始まった時代だと思っている。
絶対権力者の血縁家系が司る政(まつりごと)の数々に、刀と弓を持つ荒くれ部族の
武士の家系が徐々に加わっていく時代こそが、日本の大変革の時代の始まりであるし
現代に通じる民主主義の根幹なんじゃないかと思う。

まつりごと (政)

おさめる (治)

日本はまつりごとをおさめてこそ、国民が一致団結することが可能になるはず。

その基礎を形成したのが、平清盛の時代であり後の、源頼朝の鎌倉幕府の時代だ。

この日本史に大変革の時代を深く掘り下げて、学校教育で学んだ記憶はそれほど
ない。
このことは非常に残念なことであり、日本史学習においても現代日本史を学ぶ上でも
情けないことだ。

戦国の陣取り合戦の時代ばかりが取り上げられ、日本の経営学や経済学に利用され
奈良時代から平安、鎌倉の激動の時代をそれほど大きく取り上げない学習構造が
平清盛歴史ドラマの視聴率に影響している可能性を感じている。
僕は歴史学習が大嫌いだった。
数学や物理なども得意ではなかった。
されど、日本人であるが故に学習嫌いであっても日本史や古文、漢文、政治経済などを
選択科目として学んでいたことを思い出す。
テストでは毎回30点以下の赤点ばかりだ。
とにかく、何がなんだかわからない授業が多かった気がする。
でも、ようやく日本史の流れが分かりつつある。
世界史と照らし合わせながら年号を辿ると、当時の日本がいかに文明的に未知な時代で
発展性のない時代だったのかが理解できてくる。
それ故に、王家や朝廷一族に取り入って時代を作り上げていくことがいかに重要な
ことであったのかも理解できてくる。

当時の日本は世界的に遅れていた国なのかもしれない。
されど、独自の変化をしたからこそ、武士道やサムライ魂のような世界が注目する
精神世界が開けたのだと思う。

NHK大河ドラマ 平清盛

視ないと損だと僕は思うけどね。

明治維新が好きな人はその時代をもっと深く学習してもらいたい。
お江戸の時代が好きな人は、現代よりももっともっとエコロジーだった
江戸時代のことを学んでほしい。
戦国時代が好きな人は、日本人同士がどうして戦ったのかについて
もっと探求してもらいたい。

僕は大河ドラマ 平清盛をこれからも視続けます。