いざ出発!! | 奥さま聞いてよ!妻を愛す恋愛体質夫の生活      変なタイトルだけど意外にも長編私小説なのです

いざ出発!!

    

  

早く本編を更新してほしい!&順位  

    

 

 

奥さま聞いて下さい・・・。

愚かな私を笑って下さい・・・。

そして私を叱って下さい・・・。  

 

 

 


  

 

DASH! 

「ナンパかぁ・・・(嘆息)

  

 

 

 

  


ケンイチと別れて自室に入った私は、すぐにベッドに倒れ込んで天井を

見つめながらつぶやきました。

 

奥さま・・・私は決して真面目な高校時代をすごした訳ではありません。

暴走族に所属していたくらいですから、標準よりは不真面目な高校生

だったはずです。女性との縁もそれなりにありました。交際経験もそれ

なりで、性体験だってやはりそれなりでした。

 

しかし・・・私はナンパだけは苦手でした。たまたますれ違うだけの見知ら

ぬ女性に対して、唐突に声をかけてアプローチをするという行為が、性格

のせいか、まったくできなかったのです。つまり私はナンパの経験がそれ

まで全然無かったのです。

 

女性が苦手だとか、性格が内向的だとか、人見知りが激しいとか、そんな

理由ではありません。私はこれを書いている現在もそうなのですが、自分

の男としての価値について、いつも不安を感じているのです。男としての

自分に対して、自信満々にはなりきれないのです。

 

ですから、仮に声をかけても黙殺されてしまったり、断られてしまうことを

必要以上に恐れてしまう面が非常に強いのです。ナンパはある意味「数

を撃てば当たる」的な、少々確率論っぽい部分があります。100人声を

かけて、5人の女性から色よい返事をもらえればそれでいい・・・そんな

消耗戦的な側面があります。断れても嫌がられても、そんなことは気に

せず、後々まで失敗を引きずったりせず、次々に無節操に声をかけて

いくことが成功の秘訣だとも言えるのです。


私の性格では、女性に対して片っ端から声をかけるというのは無理です。

目の前にいる女性一人一人に対して、必要以上に全力で対応してしまう

ある意味不器用な私がいます。ですから断られたり、嫌な顔をされたりし

てしまえば、私は精神的ショックでしばらく立ち直れなくなるでしょう。

もちろんこれではまともな恋愛はできません。その後の様々な経験で

私はこうした隠された本性を克服していくのですが、やはり根っこの部分

では同じ性質がどろどろとうごめいています。

 

そんな自分がよく分かっているからこそ、それまで私はナンパなるものを

一切したことが無かったのです。 

 

見る人によれば、これはある種の美徳に感じられるかもしれません。私も

臆病な自分をごまかすために、そういう美徳感覚を逃げ口上に使ってい

ました。しかし健全な18歳の男子が、気に入った女性に声もかけられない

というのは、けっして褒められたものではありません。もしかして、声をかけ

れば、その相手が生涯のパートナーになるべき女性かもしれないのです。

どこでそうした運命の女性に巡り合うかも分からないのです。私は若くして

そんな可能性のすべてを放棄してとも言えなくはありません。

 

 

 

 

 

汗 

「高校も卒業したし・・・ナンパくらいできないとまずいかもなぁ・・・」

 

  

 

 

 


知人だったOYの自殺を知り、かけがえのない存在だった女性N子の死から

数えてまだ日が浅いこともあり、本来は軽薄なナンパ行為などしている場合

ではありません。そういう心境でもありませんでした。でも・・・そのままふさぎ

込んで暗く沈んだまま過ごしていていいのかと言えば、それは確実に違うの

です。1日も早く安定した精神状態を回復して、前向きに受験勉強に取り組め

るようになるべきなのは言うまでもありません。ケンイチが提案したディスコ

企画や、そこで私がナンパにチャレンジするというアイデアも、そういう点では

復活のため、千載一遇のチャンスだと言えなくもありません。私は「自分を

変えなくてはいけない」と強く感じていましたから、それまではまったく異なる

ことをやってみるのは、けっして無駄なことには思えませんでした。ケンイチ

も深くは事情を知らないとはいえ、私の様子を見てショック療法が必要だと

感じたのでしょう。


 

  

 

 

 


「ま・・・やってみるか(諦め)

 

 

  

 

 

 


私はある程度の覚悟を決めた後、夜にきて行く洋服を選び用意して、布団に

潜り込みました。選んだ服は下が黒のパンツ、上が身体にフィットする黒の

Tシャツです。当時はモノトーンが流行中でしたから、上下を黒で統一すると

それなりにおしゃれに見えたものです。


入浴と夕食まではまだ数時間あります。夜10時に寮を抜け出るということは、

先に風呂で身体を清潔にして、腹ごしらえをすることになります。間違いなく

深夜まで夜更かしすることになりますから、眠れるときに少しでも眠っておく

ことも肝要でした。まだ外は明るい時間ですが、疲れていた私は、すぐに深い

眠りにつきました。

 

ぐぅぐぅ 

  

 


(中略)

 

 

 

  


  


夜9時半になりました。既に入浴も食事も済ませた私は、数少ない洒落っ気

のある服装を選んで自室を出ます。ケンイチの部屋のドアを軽くノックすると、

「開いてるぜ」という応答がありました。ドアを開けると床に敷いたラグにあぐら

をかいて座っているケンイチの姿が目に入りました。なんとスーツ姿です。

 

 

 

  

 

音譜

「早いな・・・気合入ってんじゃんよ・・・○○(笑)

 

あせる 

「ケンイチ・・・スーツ持ってたのか??」

 

 

「これカッコいいだろ?一世風靡みたいだろ」

 

 


 

 

 


一世風靡セピアというグループを、ある程度世代が上の奥さまならばご記憶に

あると思います。東京原宿の竹下通りでのストリートパフォーマンスで人気を

呼んだ、歌と踊りなどを売りにした男性グループです。哀川翔、柳場敏郎ら、

現在でも活躍中の役者を多数輩出した伝説的な存在です。彼らのトレード

マークは、少々オーバーサイズ気味で太目のシルエットのシックな色の

スーツを、Tシャツやタンクトップなどの上から着込むスタイルでした。この

時期、このファッションは大流行で定番にもなりつつあり、少々おしゃれに覚え

がある若い男は、ここ一番のときにこのスタイルを選んだものでした。ケンイチ

のファッションは、まさに一世風靡セピアのそれを真似たものでした。

 

 

 

  

 

 


「カッコいいなぁ・・・俺、スーツなんてもってねぇよ(苦笑)

 

 

「ダン・ハイツだから安いんだよ・・・ブランドからして本格的だろ?」

 

 

「すごい徹底ぶりだね・・・降参だ(笑)

 

 

 

 

 

 


「ダン・ハイツ」というのは、今は既に存在しない当時の原宿ブランドの1つで

した。一世風靡セピアはこのブランドのスーツで揃えていたのです。当時は

DCブランドブームの真っ盛りで、高価なスーツが氾濫している中、かなり

安価でスーツを買えることで有名でした。私の住んでいた町には店がありま

せんでしたから、実物を見るのは初めてです。

 

 

 

 

  

 


「H松で売ってんのか?」

 

 

「いや、東京で買った」

 

あせる 

「よく東京行くのか?」

 

 

「俺にも色々事情があんだよ。用事のついでに店には寄ったんだ」

 

 

「ふーん・・・(感心)

 

 

「○○の忍者みたいな格好もけっこういいじゃんよ♪」

  

 

「俺、こんなのしか持ってないからな」

 

 

「上等上等♪」

 

 

 

  

 

 

・・・と、そこへドアをノックする音がします。

 

 

 

コンコンッ!

 

 

 

 

 

音譜

「入れよ。カギ開いてるぜ」


 

 

 

 


ドアを開けて入ってきたのはハヤトとO田の2人でした。

 

 

 

 

  

汗 

「おまえら・・・その格好・・・(汗)

 

汗 

「変に気合入りすぎだろ・・・それ(汗)

 

 


  

 

 

ハヤトの服装はまるで船乗りのようでした。恵まれた体躯を生かして

タンクトップにネイビーカラーのパンツ。さらに怪しげな帽子まで頭に

載せています。見たことがないタイプのファッションでしたが、見るから

に「海の男」っぽいハヤトには確かに似合っています。 

 

O田はざっくり言って「サイケ調」です。鮮やかなグリーンのパンツに

極彩色のサテンのシャツをダボっと羽織っています。極めて微妙な

色使いではありますが、確かにO田のキャラクターにはぴったりマッチ

しています。

 

 

 

 

 

  

「すげぇな・・・全員服装がバッラバラじゃん(苦笑)

 

 

「よくこれだけ個性的なやつらが揃ったもんだな(笑)

 

目 

「○○・・・地味やなぁ」

 

「おまえが派手すぎるだけだろ」

 

 

「ハヤトは肉体自慢だな・・・まるで(苦笑)

 

 

「似合ってるだろ?」

  

 

「絶対におまえしかその格好は似合わねーな(苦笑)

 

 

「よし!揃ったな・・・行くぞ!!」

 

 

 

 

  


ケンイチの先導で私たちは窓から中庭へと足音を立てぬように降り立ち

ました。周囲を取り巻く部屋の窓は、ほぼすべて点灯しているのが見て

とれます。誰も私達の動きに気づく様子はありません。ケンイチは迷う

こともなく、壁際を早足で駆け抜けて裏庭にある通用門の近くまで辿り

着きました。

 

 

 

 

  



「さすが・・・慣れてるな、ケンイチ」

 

 

「ココだけ塀の上が有刺鉄線じゃないんだよ♪」

 

 


 

 

 

この学生寮は信じられないことに、周囲を囲むブロック塀の上すべてに

有刺鉄線が張られていたのです。防犯上の目的なのか、私たちのように

門限破りの学生を防ぐためなのか、その意図は分かりません。とにかく

怪我をしないように敷地の外へ出るには、有刺鉄線が張られていない

正門と裏門を乗り越えるしかありません。しかしそこには、これまた目的

不明の監視カメラが設置されていて、出入りする者を撮影しています。

 

ケンイチが指差した場所は給水タンクか何か大きな物体がブロック塀に

密着して設置してあり、そこだけ有刺鉄線が張られていないのです。

おそらく作業員が怪我をしないようにしているのでしょう。

 

 

  

 



「よくこんなところ見つけたな」

 

 

「確かに・・・ケンイチ、尊敬するよ」

 

 

 

 

  


そんな私たちの感想が耳に入ったのかどうか分からない素早さで、ケンイチ

はタンクによじ登ってそのままブロック塀の向こう側へと消えていきました。

慌てて私たちもあとに続きます。

 

 

 

  

 

 

「よいしょっと!」

 

 

「飛び降りるとき気をつけろよ」

 

あせる 

「けっこうきっついルートやなぁ」

 

 

 

 

 

 

全員がブロック塀を乗り越えて道路の降り立ちました。







「遠回りして大通り出ないと・・・他の寮生に見つかるからな」

 

 

 

  



そう言うと、ケンイチは敢えて大通りの反対側へと走り始めました。

 

 

 

 

 

 


「なるほど・・・どこで誰が見てるかわからねぇしな」

 

 

「こうやって大回りして、目抜き通りにでるってわけか」


  

「意外にケンイチって慎重なんやなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

私たちは駆け足で学生寮から少し離れた場所の大通りに出ました。








「4人だからタクシー1台で行けるな」

 

 

 

  

 

 

ちょうどやって来た個人タクシー1台を止めて、私たちはぞろぞろと

乗り込みます。ケンイチは助手席に乗り込みました。

 

 

 

  

 

 

「運ちゃん、S町のMデパートの前までよろしく!」

 

 

 

 

 

  

頷いた運転手は滑るように車を発車させました。これから私たち4人に

よる大ナンパ大会が始まるのです。私は何だか胸がどきどき高鳴って

落ち着きませんでした。

 

 



 



今回はここで締めさせて頂きます。

またのご来訪を心よりお待ちしております。

 

 

だって・・・悔やむことばかりですから・・・。

  

 

    

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