【連載閑話】アメリカ人に同情はできません
奥さま・・・筆者一口メモです。
かなーり真面目で硬いネタです。
前回の安倍元首相の記事は事情があって大急ぎでアップしたので
予告編と本編の間という変なタイミングになってしまいました。詳細
な事情は敢えて申し上げないでおきますが、一部の方には極めて
ざっくりしたことをコメント欄でお伝えしました。あれが限界です。
歴史ネタを書こう書こうと思っているうちに、どんどん時事ネタに心
を奪われてしまうことが続いていますが、今回もそうなってしまいま
した。「アメリカ同時多発テロ事件」の話題です。
先日、ニューヨークの“グラウンド・ゼロ”と呼ばれる世界貿易センタ
ービルが建っていた場所の近くにある公園で、６回目の追悼式典が
行われました。いまだに行方不明の方もたくさんいらっしゃるようです。
ビル崩壊の粉塵などによる後遺症、精神的ショックによるＰＴＳＤなど
に苦しむ市民も多数いらっしゃるとも聞き及びます。報道ではそうした
方々やご遺族、ご家族の嘆きを中心に取り上げていました。平和へ
の願いとテロリストへの怒りの気持ちを新たにする・・・そんな切り口が
ほとんどです。
確かに個人としてみるならば、大変お気の毒に思います。私自身も
大切な友人や知人をあの崩壊したビルの中で失っているので、彼ら
の気持ちも理解できなくはありません。
でも、正直なところ素直に彼らに同情できない冷たい私も存在します。
ここから書く内容はある種のイデオロギー的な内容が含まれるかも
しれません。読む方によっては大変不愉快にお感じになるかもしれま
せん。しかし、ご批判を敢えて恐れずに本音で書こうと思います。
私自身の生い立ちをすべて明かすことはできませんが、幼い頃から
父の仕事の関係で日本全国各地を引っ越して歩く生活でした。その
中で幼少期のある時期、私は広島県に数年間住んでいたことがあり
ます。大変貴重な時間だったと今でも思います。
広島はご承知のとおり長崎と並ぶ被爆地です。世界で始めて被爆し
た土地です。そのせいもあって広島県の小学校では、かなり熱心に
平和教育を実施しています。当然ながら原爆被害についても他県と
は比較にならないくらい詳しく教えられます。
読書が好きだった私は、学校で教えられる内容だけでは満足できず、
図書館に足を運んで、かなり高度な内容までその時点で学ぶことに
なります。被害者の立場だけでなく、原爆を落としたアメリカ合衆国
の立場や、実際に爆弾を投下した人物たちのその後なども知ること
になったのです。
さらに中学時代のこと。技術家庭科の夏休み宿題で「ガソリン機関」
か「ディーゼル機関」について調べさせることを意図したはずの「○○
機関について調べる」というものがありました。少々へそ曲がりだった
私は、まったく授業では学習していない「原子力機関」について勝手
に調べてまとめたことがあります。そこで知ったことはますます私の
心の中に「アメリカ合衆国」への疑問を醸成することとなったのです。
私は個人的には親しいアメリカ人はかなり多数いますし、旅行でも
合衆国の国土を何度も訪れたことがあります。家庭で使っている
物の中にはアメリカ製品も多数あります。どこかのアンチ日本的な
国の人が、不自然なくらいに日本に関連したものを忌避するような
ことは一切していません。政治システムについても、学ぶべき点は
極めて多い国家だと思います。世界で一番の大国ですから、それ
なりに尊敬すべき点もきっとあるんだと思います。
でも、私はアメリカ合衆国が大嫌いです。
ついでに嫌いな国家（個人レベルではない）を挙げてしまいます。
旧ソ連の流れを受け継いでいるロシア共和国、フランス共和国、
さらに共産党一党独裁の中華人民共和国です。これらの国につ
いて、何故嫌いかはまた別の機会に述べようと思います。今回は
アメリカ合衆国についてだけ。
どんどん右翼っぽい内容になります。不愉快でしたら読み飛ばして
下さい。でも書いている内容は事実だけです。
アメリカ合衆国は、２００１年９月１１日に同時多発テロを受けるまで、
自国の領土に対して本格的な攻撃を受けたことがない国家でした。
先進国の中で実は極めて珍しい存在なのです。唯一の例外と言え
ば、旧憲法下の戦前日本がハワイ島真珠湾を奇襲したことだけです。
これもホノルルの軍港を中心に攻撃しただけに過ぎず、非戦闘員を
ほとんど巻き込んではいません。そもそもハワイ諸島自体が明治に
なってからアメリカ合衆国が力でねじ伏せてカメハメハ政権を潰して
併合した土地です。日本で言えば沖縄諸島にあたるでしょうか・・・。
ですから、本土に対して外国勢力の攻撃を受けたことがなかったの
です。だからこそあの「９１１テロ事件」でアメリカ人はかつてないほど
の恐怖と衝撃を受けたのです。そして、過剰反応とも言える早さでの
アフガニスタン攻撃・・・大きなお世話のタリバン政権追放劇。これっ
て色々事情はありますが、国際法の原則論で言えば内政干渉以外
のなにものでもありません。さらに懲りずにイラク攻撃･･･そして泥沼。
今まで殴られたことがない、殴られる痛みを知らなかった国が初めて
殴られて、狂ったように泣き叫んで大暴れしている・・・そんな構図です。
１つだけアメリカ合衆国の良いところは、そういう部分に気付いた市民
が、自由に抗議活動を行えること。自由に映画などで意見を発表でき
ること。そこは極めて貴重な政治スタンスです。
今年も神妙な顔でアメリカ人たちがグラウンドゼロに集まって、犠牲者
たちを偲び、祈りを捧げています。私はその映像をニュースで毎年見な
がら、「やっとわかったか、この野郎ども」と心の中で叫んでいます。
確かにアルカイダが行った「９１１テロ」は、罪もない外国人を含む多く
の非戦闘員を殺戮した残酷な行為です。許されるものではありません。
でも、アメリカ人って同じことをやってませんでしたっけ？つい最近・・・。
ベトナムに親ソ連の社会主義政権（現政権）が成立したとき、アメリカ
はお節介にも介入してベトナム南部に傀儡政権を作り、何の罪もない
ベトナム人を絨毯爆撃で大量殺戮しませんでしたっけ？それに対抗
するためゲリラ戦に身を投じたベトナム市民を炙り出すために、森林
を丸裸にして隠れ場所がないようにするため、枯葉剤を空中散布しま
した。ダイオキシンたっぷりの猛毒です。いまだに奇形児が生まれる
など、後遺症で悩むベトナム市民は多数います。
最近で言えばアフガニスタンやイラク戦争、さらに湾岸戦争で大量に
アメリカ軍が使用した「劣化ウラン弾」。原子力発電などで発生する核
のゴミを弾頭に使った、非常に硬くて重い砲弾です。戦車の装甲など
も貫通するために信じられない量を投入しています。それがそのまま
放置されているため、放射線を撒き散らす結果になり、アフガニスタン
やイラクなどでは被曝によって後遺症に悩む市民がたくさんいます。
アメリカ軍の軍人にさえその被害者が発生しているほどです。
私がここで一番言いたかったのは、たった６２年前にアメリカ合衆国が
行った非人間的な大量殺戮人体実験のことです。私はもちろん生まれ
ていませんが、先輩たちや祖父、祖母、両親から聞かされたことは心の
奥にずっと残っています。
日本だって大陸で色々な殺戮行為をしたことは私も知っています。だか
ら、東京大空襲などで非戦闘員である一般市民を多数殺戮したことは
敢えて何も言いません。
問題にしたいのは原爆です。
本当に原爆投下は戦略上必要だったのでしょうか。原爆投下がなければ
日本は無条件降伏しなかったのでしょうか。答えはＮＯです。既に通常
兵器による攻撃を受けて、日本国土は焦土と化しており、当時の日本人
には戦闘継続の気力は残っていませんでした。しかも当時内閣を率いて
いた鈴木貫太郎総理大臣は、昭和天皇の内意を得て、終戦への工作を
アメリカなど連合国に働きかけていた事実があります。遅かれ早かれ、
日本は降伏していたのです。
にもかかわらずアメリカは原爆を急ぐように広島、次いで長崎に投下しま
した。あの恐るべき大量殺戮兵器を軍施設ではない一般市民の住む都市
に使用したのです。いったいなぜ？？
答えは明確です。実験です。それも欧米人が住まない黄色人種の国だか
らこそ、抵抗なく行えたとも言われています（これは未確認）。もしも日本
が降伏してしまうと戦争が終ってしまいます。そうなると開発したばかりの
原爆を実戦で使ってみる機会は無くなってしまいます。だから、日本が
降伏の打診をしてきたことで焦って原爆を使用したのです。
既に多くのジャーナリストや科学者が指摘しているのですが、これが実験
だったという明確な証拠は他にもあります。
１９４５年８月６日、広島に投下されたのは「リトルボーイ」と呼ばれた原爆。
これはウラン２３５を使った「濃縮ウラン型」の原爆です。その被害について
はここで述べるまでもないでしょう。いまだに世代を超えて後遺症に悩む
人がたくさんいます。
さらにたった３日後の８月９日、長崎に投下されたのは「ファットボーイ」と
「ファットマン」と呼ばれるプルトニウム２３９を使った「プルトニウム型」の
原爆。その威力は広島のそれの１．５倍だと伝えられます。現在北朝鮮
が密かに製造しているのはこのタイプの原爆です。
なぜ違うタイプの原爆を投下したのでしょうか。
本当に戦略上どうしても必要な作戦だったならば、成功率を重視するはず。
広島で狙ったとおりの爆発に成功した「濃縮ウラン型」を、そのまま長崎で
も使用するのが自然な流れのはず。それなのになぜ、一度も使用したこと
がなく、失敗の可能性もある新型「プルトニウム型」を使ったのでしょうか。
これってどう考えても実験としか思えないではないですか。
なぜたった３日間しか置かなかったのでしょうか。
原爆で日本の首脳陣の気力を完全にそいでしまうのが目的ならば、まだ
被害状況さえはっきりしていない４日後に、急いで追加して長崎に投下す
る必要などなかったのではないでしょうか。事実、広島に落とされた新型
爆弾の威力に驚いた日本政府は、無条件降伏に向けて走り出したところ
でした。なのにわざわざ長崎にまで原爆を落としたのはなぜでしょうか。
これもどう考えても実験だからとしか思えないではないですか。降伏前に
飛び込み実験したとしか思えないではないですか。
広島では非戦闘員の一般市民が１４万人も殺されました。その後、治療
の甲斐なく亡くなった方を含めれば死者数はさらに膨大なものになります。
長崎では７万人以上の方が殺されました。こちらもその後数年で治療の
甲斐なく亡くなった方を含めれば１０万人を超えるでしょう。
たった一瞬でこれだけの人命を奪う殺戮行為をした国家は、長い歴史上
アメリカ合衆国しかありません。想像を絶する地獄絵図だったのです。
毎年８月６日には広島で、８月９日は長崎で慰霊祭が催されます。ちょうど
アメリカ人がたちグラウンドゼロに集まるのと同じように、日本人が集まり、
平和を祈念し犠牲者の霊を慰めるのです。もう６０回目を超えています。
そこに一度でもアメリカの元首は来たことがあるのでしょうか。「９１１テロ」
を嘆くアメリカ人は、かつて自国が行った無差別殺人に対して、少しでも
罪の意識を持ったことがあるのでしょうか。
そう考えながらニューヨークの追悼式の映像を眺めると、さほど同情を
できない自分がいることに気付きます。釈然としないのです。
現在アメリカ合衆国と日本は軍事同盟で密接に結びついています。これ
は敗戦後の経緯がありますから仕方がありません。好む好まざるに関係
なく、この道しかなかったのです。もしも日米同盟を結ぶ方向に進んでいな
ければ、北海道はソ連（ロシア）の統治下だったかもしれませんし、小笠原
諸島や沖縄県は、いまだにアメリカの統治下だったかもしれません。九州
は中華人民共和国のものだったかもしれません。そう考えると戦後に選択
する道は限られていました。
さらにアメリカ軍に国防を任せていたおかげで、日本は本来負担すべきの
防衛費を負担しないで済んでいた側面はあります。それが戦後の急成長
につながった現実もあります。そこは認めなくてはなりません。
現在も日米同盟は極めて重要な国防戦略の一環です。でも・・・かつて
自国民を躊躇せずに大量殺戮できちゃう神経を持った国家と、べたべた
仲良くしていることが本当に正しいのかどうかは正直疑問です。
テロ特措法延長は「アメリカへの」国際公約だそうです。私は過去の歴史
も含めて、この問題を根本的によく考え直してみようと思います。アメリカ
が果たして本当に信頼できる国家なのか・・・個人レベルではいい人でも
国家レベルになるとどうなのか・・・極めて大きな疑問が私の心の底には
渦巻いています。
以上です。
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