黒幕はやっぱりS原・・・ | 奥さま聞いてよ!妻を愛す恋愛体質夫の生活      変なタイトルだけど意外にも長編私小説なのです

黒幕はやっぱりS原・・・

奥さま聞いて下さい・・・。

そして私を叱って下さい・・・。



 

  

 


S原の口からぽんぽん飛び出す意表を突いた事実・・・

もうすぐ始業だというのに、時間帯にそぐわない会話が

朝日に照らされたベンチで交わされます。

 

泣きぽよ  

私は、その日まだ仕事をしてもいないのに、既にぐったりして

しまいました。なんだか微熱まで出てきたような気がします。

胸の辺りがむかむかして、喉を締め付けられるように呼吸が

苦しくなります。もちろん胃はキリキリ痛みます。

 

 

 

 



 

「・・・・S原・・・キミ・・・そういう人だっけ・・・?」

 

 

「まさか・・・会社では隠してるわよ・・・こんな性格!」

 

 

「K田は・・・君のそういうとこ・・・全部知ってるのか・・・?」

 

 

「K田君は・・・そうね・・・私の性格は知ってるけど過去は知らないよ」

 

慌てるインコ  

「じゃあ、そんな大事なこと・・・俺に言っちゃっていいのかよ、まずいだろ」

 

 

「○○君・・・信用できるからさ・・・そもそもあなたの弱みも知ってるし」

 

 

「・・・・・・(苦笑)

 

 

「とにかく本題の説明を続けるわね・・・時間もないし、人来ちゃうし」

 

 

「・・・・あ・・・ああ・・・・頼む」 

(ほとんど茫然自失) 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は・・・S原とまもなく入籍する予定になっているK田でさえ

知らない事実を、いきなり知らされてしまったのです。ただで

さえ自分の過去をほじくり出されて動揺しているのに・・・他人に

大きな秘密を隠したまま過ごすことを要求されるのは非常に

精神的に堪えます。しかも相手は腐っても同期の桜・・・。

  

   

 

 

 

 

 

「Mを入社させたの私・・・Mに接近したのも私の方からだよ・・・」

 

 

「・・・・・・(もう聞くだけで精一杯)

 

 

「わざと仲良くなって・・・Mの弱みとか色々探ってやったのよね・・・」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「Mは私にバレてないと思ってたから・・・急接近したらびっくりよ」

(少しうれしそうに話している)

  

  

「・・・・・・」

 

 

「あんな小娘に脅されっぱなしじゃ・・・むかついちゃうからさ・・・」

(急に不機嫌な表情になる)

  

  

「・・・・・・」

 

 

「学歴だって全然ないくせに・・・」

 

慌てるインコ  

「・・・・それは関係なんじゃないの?」

(かろうじて口を開く)

 

 

「オオアリよ!こっちは付属から大金払ってK大出てんのに・・・」

 

 

「・・・・・・そうだったんだ・・・」

(S原が付属校上がりだったことを初めて知る) 


 

「あんなポッと出の偏差値低い女なんかに負かされちゃ堪んないわ!」


 

「だから・・・逆に脅し始めたのか・・・?」

(この際、学歴は関係ないと思うけどなぁ)

  

  

「そう・・・あ、そこはM本人から聞いてるんだね?じゃあ説明不要?」

 

 

「S原は2人の関係知ってて・・・それをK田にバラすって脅されたとか・・・」

 

 

「そうよ・・・逆に脅して・・・全部やってること聞き出してやったのよ」

(またうれしそうな表情に戻ってくる)

 

 

「どうやって・・・?」

 

 

「K田君は・・・私に全部バレたって知ったら・・・必ずMを切るってね」

 

 

「それ・・・Mも言ってたなぁ」

 

 

「おまけに・・・あのコ・・・ホントに間抜けなんだよね・・・」

 

 

「・・・・・・間抜け?」 

 

  

「入社したらしたで・・・水商売の過去を隠してんのよ・・・バカね」

 

  

「確かに俺はずっと知らなかった・・・上司なのに」

 

 

「でしょ・・・?脅迫する側が “弱み” 作ってどうすんのよねぇ?」

 

 

「ってことは・・・君はそのネタでも・・・さらに彼女を脅したわけか」

 

 

「もちろん!・・・しかも・・・・」

 

 

「しかも・・・?」

 

 

「しばらく一緒にいて分かったけど・・・あのコ、ちょっとマゾでしょ?」

 

 

「それは・・・本人も言ってた・・・あんまり知りたくなかったけどな」

 

 

「そうなのよ・・・だから、私に脅されてる状態に少し陶酔したみたい♪」

 

 

「そのへんは・・・本当なんだな・・・Mも同じこと言ってるし」

 

 

「彼女がK田君としたこと・・・根掘り葉掘り聞き出したことも・・・言ってた?」

 

 

「・・・・・うん・・・言ってた・・・」

(信じたくなかったが本当なんだ・・・)

  

  

「あのコ・・・私にバレてること、K田君は絶対知らないって思い込んでたし・・・」

 

 

「・・・・・・・みたいだね」

 

 

「K田君も・・・薄々勘付いてたけど、私に確かめる勇気無かったみたいで・・・」

 

 

「MはK田に対して秘密があり・・・K田は君に対して秘密があり・・・」 

 

 

「私だけが全部知ってるっていう・・・理想的なシステムでしょ?」

 

 

「・・・だよな・・・君にとっては最高だろう・・・」

(かなり辟易) 

 

 

 

 

 

 

 


タイトル未設定  

奥さま・・・あろうことか・・・S原はたくみにMとK田を追い込んで

自分の趣味にぴったり合った人間関係を構築していたのです。

恐るべき手腕です。

 

 

 

 

 

 

 

 

「Mは最初・・・私にいきなり声かけられて相当びっくりしたみたい」

 

 

「だろうな・・・脅して無理やり会ってる男の本命が・・・まさかな・・・」

 

 

「K田も・・・私がわざわざMに接近したから・・・すごく不安げだった」

 

 

「だろう・・・脅されてるとはいえ、浮気してんのは内緒なんだから」

 

 

「そういう2人の様子見てると・・・楽しくって・・・♪」 


 

 

 

 

 

 


奥さま・・・今回の事件は話を聞き出す相手によって、どんどん異なる

説明が飛び出すので、私も混乱していました。きっと読んでいらっしゃる

奥さまもそうではないでしょうか。しかし・・・・S原の話は全く主張の異なる

MとK田のすき間を埋めるものでした。さらに、S原自身が少しサディスト

っぽい性癖があることは全員が語っています。つまり唯一確実に真実だ

と思えるのは・・・目の前の美しいS原が他人の困る姿を見てうれしがる

性格である・・・ということなのです。同期社員の立場としてはかなり複雑

な思いでした。同じ会社の男性社員のほとんどはおそらく、こんなS原の

裏の顔を知りません

 

 

 

 

  

 

 

 


「じゃあ・・・君はK田には “知ってる” と匂わせて・・・」 

 

 

「そうね・・・」

 

 

「Mにはすべて報告するように義務付けて・・・」

 

 

「そう・・・」

 

 

「でも・・・MはK田と会うとき・・・全部費用を負担したらしいぞ」

 

 

「ああ・・・そのこと?・・・2人は、なんて言ってた?」

 

 

「K田の話は昨日・・・横で聞いてたんだろ?」

 

 

「あはは♪・・・そっか・・・Mが自分で払ったってね・・・聞いてた♪」

 

 

「そうだよ・・・どれが本当なんだよ・・・ったく」

(ちょっと不機嫌になる) 

  

 

「Mは何て言ってた?」

 

 

「全部負担しないとK田が会ってくれなくなったって・・・」

 

 

「あっはは♪・・・・おっかしぃ~・・・そんなこと言ってたのあのコ!」

 

タイトル未設定  

「何が面白いんだよ・・・ったく・・・俺はまったく笑えねぇよ・・・」

(あまりの態度にちょっとむかついている)

  

  

「ふふふ(笑いを噛み殺して)・・・ごめんごめん・・・」

 

 

「まだ・・・俺が聞いてない事実があるわけ?」

 

 

「そうね・・・(まだ笑いを我慢している)確かにオオアリね・・・」

 

 

「なんだよ・・・笑ってないで言えよ・・・」

(かなり本音は不安) 

 

 

 

 

 

  

 


S原は必死で笑いを噛み殺しています。よほどツボにはまったのでしょう。

最初にベンチに座るS原を見た瞬間は「さすが同期一番人気だな」なんて

この女性のことをまぶしく感じたのですが・・・目の前で懸命に笑いを我慢

しているS原の姿は・・・まるで “魔女” そのものです。容貌が美しいだけに、

余計に恐ろしさが際立つのです。勤務前で朝早いせいかメイクもしっかり

整っています。さらに彼女のおどろおどろしさに拍車をかけます。

 

 

時計を見ると、始業40分前になっていました。さすがにポツポツと会社に

入ってくる人影が窓の下に見えます。30分前になればこの人気喫煙場所

にも、誰かが来る可能性が大きいです。そうなると込み入った話は出来なく

なります。

  

  

  

  

 

  

   

 

「ごめん、時間もなくなってきたから・・・ちょっと急いでくれるかな」 

 

 

「そうよね・・・ごめんなさい・・・(やっと笑いを抑えた)

 

 

「この後に・・・もう1つ確認したいことがあるから・・・」 

 

 

「・・・そう・・・わかった・・・じゃあまずお金の件からね♪」

  

 

「うん・・・」

 

 

「実は・・・Mはね・・・途中でK田と会うのを嫌がりだしたのよ・・・」

 

パクパク魚  

「・・・え!?」

(かなり意表を突かれた)

  

  

「やっぱり・・・普通からすれば異常な関係じゃない?」

(へぇ~わかってるんだ・・・自分でも)

  

  

「確かに・・・・異常極まりないね・・・」

 

 

「けっこうプレッシャーだったらしくてさ・・・嫌がりだしたのよ」 

 

 

「・・・それは・・・普通の感性ならそうなるだろうな・・・」

 

 

「脅迫ネタも・・・その頃には私が全部処分してあげたし・・・」

 

 

「あれ?K田が自分でやったんじゃ?」

 

 

「ああ・・・そういうことになってたっけ・・・昨日の話では」

 

 

「・・・・ったく・・・どれが本当なんだよ・・・」

(イライラ)

  

  

「Mの裏に妙なバックがいないことも私が確認してあげたし・・・」

 

 

「・・・そこまで・・・君がやっちゃったの?」

  

 

「だってK田にそんなツテはないでしょ?あなたじゃないんだから・・・」

 

 

「確かに・・・」 

 

 

「だからあのコ・・・脅迫出来なくなったのよね・・・」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

「そもそも・・・私に監視されてる段階で脅迫意欲は失せたみたい♪」

  

 

「だろーな・・・どだい無理なシステムだったんだよ・・・」

 

 

「でも、でも、でも、でも!・・・それって私にとっては大問題なわけ!」

 

 

「・・・・・・??」 

(何をムキになってるんだ?)

  

  

「だって・・・せっかくの楽しみがなくなっちゃうわけでしょ?」

 

 

「・・・・・・(呆れている)

   

  

「だから・・・少し援助しちゃったの♪」

 

 

「・・・・・援助!?」

 

 

「お小遣いあげてたのよ♪・・・Mに・・・」

 

 

げげ!ねこ

「小遣いぃぃぃぃ・・・!?」

 

 


 

 

 

 

 

どういうことでしょうか?S原がMに金銭援助?

まったく理解不能です。いったいこの人間関係は

どうなっているのでしょうか・・・。

 

 

長くなりましたので続きは次回にさせて頂きます

またのお越しを心よりお待ちしております。

 

 

だって・・・妻には言えませんから・・・。

 
 

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○現在の夫婦生活一口メモ

ちなみに最初に書いておきますが、現在私の左耳の

ピクピクは小康状態です。でも完全には消えていません。

こんなに長期間続くのは初めてなので戸惑っています。

私事で恐縮ですが(っていうかこのブログ全体が私事

ですね)、先月末に私たち夫婦の結婚記念日があり、

この連休のある一日は私の誕生日でした。入籍日は

半年前なので(初デートの日=一緒に住みだした日)

夫婦間で取り交わした約束では、披露宴の日を正式

な結婚記念日としています。残念ながら記念日当日

は私もどろどろの仕事地獄で体調も最悪でしたし、妻

も普通に出勤だったので、簡単な深夜ティータイムで

文字通り「お茶を濁し」ました。そして、私の誕生日の

当日に「結婚記念日」を兼ねることにして、毎年恒例

の行事を行いました。披露宴を上げた都内某所の中

にあるちょっと高級なイタリアン(グラスワイン1杯)

が最低1500円位しちゃう)で、ランチを必ず楽しむ

のが決まりなんです。ディナーだと目が飛び出る程

高額な出費ですが、ランチならちょっと痛い思いを

する程度で何とか夫婦の絆を深められます。実は

この習慣の起こりは披露宴翌日のランチでした。

披露宴→2次会→3次会→4次会で完全に酔いが

全身に回って、お腹から出るものは全部出してしまい

意識も無くなった私。そのまま朝まで眠り続け、起き

てレイトチェックアウトをした際に「お腹が空っぽだ」

と思い立って、奮発ランチをしたのがそのレストラン

だったのです。普段は生活時間もすれ違う2人です

がこの行事だけは欠かさないようにしています。

今回は少しだけノロケました。ごめんなさい。


    

 

   


<ブログ初心者のおまけコーナー>

ブログ探検してみて楽しかったり気に入ったブログを

勝手にご紹介しちゃうオマケのコーナーです。奥さま

もよろしければ一緒に探検しませんか?

      


今回探検したブログ↓クリックしたら飛びます。

間違いだらけの就職活動~君は陥っていないか!?

しばらくぶりにこのブログに行ってみたら、私が最初に見たとき

(2月くらい)と同じ企画を先日からスタートしているようです。

就職活動をする学生がやりがちな失敗例を「症例」に例えて

「家庭の医学・就職活動版」みたいな企画で辛口説教してます

私のような30代後半のおじさんからすると、いつも感じている

若者への違和感を代弁してくれているようで、いつも読んでいて

爽快な気持ちになります。あまりに辛口過ぎて敵も多いみたい

ですね。今は症例No.3まで進んでいますが1つ前の症例で

「自分の好きな服と似合う服はまったく別」っていうのはなるほど

なるほどと思ってしまいました。次回は普天王さんのブログでも

久々に行ってみようかな。