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少額減価償却資産の特例が2年間延長されます

少額減価償却資産について

「30万円未満の備品は一括で経費にできる」という話はご存知の方が多いかもしれません。

取得価額30万円未満の資産は少額減価償却資産といい、特例として一括で経費にすることが認められていました。平成18年4月から続いたこの特例制度が、今回の税制改正でもう2年延長されました。これは個人所得税も法人税も同様です。

 

そもそも原則として取得価額が10万円以上のものは、減価償却資産として使用可能期間で分割して経費にしなくてはなりません。

少額減価償却資産の特例とは

中小企業者等が、取得価額30万円未満の減価償却資産を購入して事業のために使用した場合は、一定要件のもとその取得価額に相当する金額を一括で経費とすることができるという特例制度です。

 

 

 

【適用対象】

この特例の対象となるのは、青色申告者である中小企業者等に限られます。

※中小企業者の範囲

■法人・・・

①資本金が1億円以下の法人

(ただし、大規模法人の子会社・常時使用する従業員が1千人超の法人を除く)

②資本金を有しない法人のうち、常時使用する従業員の数が1千人以下の法人

■個人・・・常時使用する従業員の数が1千人以下の個人

■その他・・・農業協同組合など

 

【適用対象資産と限度額】

この特例の対象となる資産は、取得価額が30万円未満の減価償却資産です。

ただし、事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円を超えるときは、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの取得価額の合計額が限度となります。

※事業年度が1年に満たない場合の限度額は300万円を12で除し、これにその事業年度の月数を掛けた金額です。

 

【少額減価償却資産の会計処理方法】

少額減価償却資産の取得価額の判定は、消費税の会計処理方法(税込み経理方式か税抜き経理方式)によって異なりますので注意が必要です。

 

【適用手続】

適用を受けるためには下記の手続きが必要です。

① 事業に使用した事業年度において、少額減価償却資産の取得価額に相当する金額につき損金経理すること。

② 確定申告書等に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書を添付して申告すること。

 

【適用の注意点】

① 租税特別措置法上の特別償却、税額控除、圧縮記帳との重複適用はできません。

② 取得価額が10万円未満のもの又は一括償却資産の損金算入制度(20万円未満)の適用を受けるものについてもこの特例の適用はありません。

③ この特例は、取得価額が30万円未満である減価償却資産について適用がありますので、器具及び備品、機械・装置等の有形減価償却資産のほか、ソフトウェア、特許権、商標権等の無形減価償却資産も対象となり、また、所有権移転外リース取引に係る賃借人が取得したとされる資産や、中古資産であっても対象となります。

認定利息の取扱について

役員貸付金の認定利息の計算方法について、国税庁のホームページより、、、

 

これについては、乙説によることとし、左記の点に留意のうえその取扱に遺憾のないようにされたい。

 

乙説
同族会社の行為否認として、認定利息を計算することは当然であるが、その認定利息の集積された未収金の残高に対して、更に認定利息を課税することは、所謂重利であり、過酷であるから、無理に課税すべきではない。



1 同族会社の代表者等に対する仮払金(貸付金を含む。以下同じ。)について認定利息を計算することは当然であるが、当該計算に当つては、進んで複利計算によるようなことはしないで、元本である仮払金についてだけ利息を認定することとし、認定利息の集積額については、利息を認定しないものとすること。ただし当該利息を元本に繰り入れた場合または元本についてだけ返済があり、利息について未収のまま放置している場合等特に課税上弊害があると認められるときには、この限りでないこと。

2 代表者等からのもどし入額について、元本である仮払金または未収利息のいずれに充当するかは、会社計算によるものとすること。

 

認定利息の計上をお忘れなく

クライアントで、役員貸付金とか仮払金が多い会社があります。役員貸付金が発生する原因の多くは、「役員が会社のお金を使いこんだ」、「生活費を会社に払わせた」、「勝手にお金を持ちだした」というような感じで、本来役員給与とすべきものを損金不算入と源泉所得税もれをさけるため、やむを得ず貸付金で処理をしたことに起因します。

法人税では、役員に対し経済的な利益を与えた場合「役員給与」として取り扱うことになっています。
そのため、利息を計上しないと利息相当額が役員給与として認定され、損金不算入と源泉所得税計上もれのw課税を受けることになります。それをさけるため、役員貸付金に対しては受取利息を計上することになります。

 

債務者に法的整理のような事実でも生じない限りは、利息の計上をしないことは認められません。

ご注意ください。

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法人税法基本通達9−2−9(債務の免除による利益その他の経済的な利益)
法第34条第4項《役員給与》及び法第36条《過大な使用人給与の損金不算入》に規定する「債務の免除による利益その他の経済的な利益」とは、次に掲げるもののように、法人がこれらの行為をしたことにより実質的にその役員等(役員及び同条に規定する特殊の関係のある使用人をいう。以下9−2−10までにおいて同じ。)に対して給与を支給したと同様の経済的効果をもたらすもの(明らかに株主等の地位に基づいて取得したと認められるもの及び病気見舞、災害見舞等のような純然たる贈与と認められるものを除く。)をいう。(平19年課法2−3「二十二」により追加、平22年課法2−1「十八」により改正)
(7) 役員等に対して金銭を無償又は通常の利率よりも低い利率で貸し付けた場合における通常取得すべき利率により計算した利息の額と実際徴収した利息の額との差額に相当する金額
 

会社清算後の帳簿の保管義務

今日、クライアントからご相談がありました。

なんと、帳簿の保管義務は清算後10年だそうです・・。

 

まあまあ大変ですね。

 

第五百八条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算株式会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。

2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。この場合においては、同項の規定は、適用しない。

3 前項の規定により選任された者は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。

4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。

 

居宅サービスの対価に係る医療費控除について

居宅サービスの対価に係る医療費控除について、確定申告でよくご相談を受けます。

判断が難しいですが、以下、国税庁HPの情報をご紹介いたします。

 

出典

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/010131/01/03.htm


 要介護者及び要支援者(以下(2)において「要介護者等」という。)が居宅において受けられる居宅サービスには、次のものがある。

1 訪問介護【ホームヘルプサービス】

2 訪問入浴介護

3 訪問看護

4 訪問リハビリテーション

5 居宅療養管理指導【医師等による管理・指導】

6 通所介護【デイサービス】

7 通所リハビリテーション【医療機関でのデイケア】

8 短期入所生活介護【ショートステイ】

9 短期入所療養介護【ショートステイ】

10 痴呆対応型共同生活介護【痴呆性老人グループホーム】

11 特定施設入所者生活介護【有料老人ホーム等】

12 福祉用具貸与

上記の居宅サービスのうち、訪問看護(3)、訪問リハビリテーション(4)、居宅療養管理指導(5)、通所リハビリテーション(7)及び短期入所療養介護(9)(以下(2)において「医療系サービス」という。)に係る対価については、これらの居宅サービスが保健婦、看護婦等によって行われる療養上の世話又は理学療法・作業療法等のリハビリテーションであることから、その病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額については、従来から医療費控除の対象となる医療費とされてきたところである(所令207五)。
 一方、訪問介護(1)及び訪問入浴介護(2)に係る対価については、これまで、傷病により寝たきり等の状態にある者が、在宅療養を行うため、医師の継続的な診療を受けており、かつ、一定の在宅介護サービス(訪問介護及び訪問入浴介護)供給主体が、医師との適切な連携をとって在宅介護サービスを提供した場合の、その在宅サービスを受けるための費用については、「療養上の世話を受けるために特に依頼した者による療養上の世話の対価」として医療費控除の対象とされてきたところである(平成2年7月27日付老福第145号「医療費控除の対象となる在宅療養の介護費用の証明について」厚生省通知)。
 平成12年4月1日からの介護保険法の施行により、同法第7条第5項に規定する居宅サービスについては、通常、指定居宅支援事業者が、保健医療サービスとの連携や必要に応じて利用者の主治の医師の意見を踏まえて、利用者ごとに、「居宅サービス計画」(ケアプラン)を作成し、これに基づいて、各種の居宅サービスが提供されるようになった。
 これまでの取扱いと介護保険制度における居宅サービスの提供方法等から、介護保険制度の下で提供される居宅サービスのうち、次に掲げる居宅サービスの対価が医療費控除の対象となる医療費の範囲に含まれることとなった。

イ 対象者
 「居宅サービス計画」(自己作成のもので市町村への届出が受理されたものを含む。以下同じ。)で、次に掲げる居宅サービスのいずれかが含まれているものに基づいて、居宅サービスを利用する要介護者等

1 訪問看護(老人保健法及び医療保険各法の訪問看護療養費の支給に係る訪問看護を含む。以下(2)において同じ。)

2 訪問リハビリテーション

3 居宅療養管理指導

4 通所リハビリテーション

5 短期入所療養介護

ロ 対象となる居宅サービス
 イの1から5に掲げる居宅サービスと併せて利用する次に掲げる居宅サービス

1 訪問介護(家事援助(調理、洗濯、掃除等の家事の援助)中心型を除く。)

2 訪問入浴介護

3 通所介護

4 短期入所生活介護

(注)

1 イの1から5に掲げる居宅サービスに係る費用については、イの対象者の要件を満たすか否かに関係なく、利用者の自己負担額全額が医療費控除の対象となる。

2 家事援助中心型の訪問介護とは、単身の世帯に属する利用者又は家族若しくは親族(以下「家族等」という。)と同居している利用者であって、当該家族等の障害、疾病等の理由により、当該利用者又は当該家族等が家事を行うことが困難であるものに対して家事援助(調理、洗濯、掃除等の家事の援助であって、これを受けなければ日常生活を営むのに支障が生ずる介護保険法第7条第6項に規定する居宅要介護者等に対して行われるものをいう。)が中心である指定訪問介護をいう(平成12.2.10付厚生省告示第19号「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」)。

ハ 対象費用の額
 居宅サービス費に係る自己負担額(介護保険給付の対象となるものに係る自己負担額に限る。)

ニ 領収証
 指定居宅サービス事業者(居宅サービスを提供する事業者で都道府県知事が指定したものをいう。)が利用者に対して発行する領収証に、医療費控除の対象となる金額がを記載される。

(注) 平成12年6月8日付課所4-11「介護保険制度下での居宅サービスの対価に係る医療費控除について」(法令解釈通達)参照。

囚人のジレンマ

ネットで元旦を休業する店舗が増えているようですね。私も個人的には「お正月くらい休めばいいのに」と思っているタイプの人間です。実際流通業の方にお聞きしても1月の売上の総計は、元旦OPENしてもしなくても変らないそうです。

 

ただライバルが元旦営業するから、仕方なく追随するだけ・・・。

 

経済学で学んだゲーム理論「囚人のジレンマ」というやつですね。

 

お互い協力する方が協力しないよりもよい結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなる、というジレンマ。各個人が合理的に選択した結果(ナッシュ均衡)が社会全体にとって望ましい結果(パレート最適)にならないので、社会的ジレンマとも呼ばれる。

内容はこんな感じです。


共同で犯罪を行ったと思われる囚人A、Bを自白させるため、検事は2人に次のような司法取引をもちかけた。

本来ならお前たちは懲役5年なんだが、もし2人とも黙秘したら、証拠不十分として減刑し、2人とも懲役2年だ。
もし片方だけが自白したら、そいつはその場で釈放してやろう(つまり懲役0年)。この場合自白しなかった方は懲役10年だ。
ただし、2人とも自白したら、判決通り2人とも懲役5年だ。
この時、2人の囚人は共犯者と協調して黙秘すべきか、それとも共犯者を裏切って自白すべきか、というのが問題である。なお彼ら2人は別室に隔離されており、相談することはできない状況に置かれているとする。

 

さて、どんな結果になるのでしょうか?

年末の大掃除は会社の義務?

以下、Yahoo!ニュースからの転載で恐縮ですが、自分自身も意外だったので、ご紹介させて頂きます。

 

年末の大掃除ですが、実は、会社も法律で大掃除が義務付けられているのをご存知でしょうか。しかも、年末だけでなく半年に1度、通常の掃除とは異なる大掃除の実施が求められています。


具体的に言うと、大掃除を義務付けている法令は、「労働安全衛生規則」(省令)の第619条の次の部分にあたります。

「事業者は、次の各号に掲げる措置を講じなければならない」「一 日常行う清掃のほか、大掃除を、6月以内ごとに1回、定期に、統一的に行うこと」「二 ねずみ、昆虫等の発生場所、生息場所及び侵入経路並びにねずみ、昆虫等による被害の状況について、6月以内ごとに1回、定期に、統一的に調査を実施し、当該調査の結果に基づき、ねずみ、昆虫等の発生を防止するため必要な措置を講ずること」

労働安全衛生規則の大元となる労働安全衛生法(法律)は、労働者の安全と衛生について定めたもので、「職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的」(法第1条)として設置されました。

ちなみに、企業だけではなく、労働者側にも「作業場の清潔に注意し、廃棄物を定められた場所以外の場所にすてないようにしなければならない」(規則第620条)とあり、職場を清潔に保たなければいけません。

しかも、半年に一度、必要なんですね・・・。

 

一般社団法人の理事の任期は?伸長できるのは何年まで?

これ、よく勘違いしやすいところですよね。株式会社の役員は、手続きを踏めば決められた任期よりも長く務めることが可能です。例えば、取締役や監査役は、条件を満たせば10年以内に任期を伸長することができます。

一方、一般社団法人の理事の任期は2年、監事は4年となります。

 

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律66条を引用すると
「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時まで」
となり、伸長に関しては認められていません。

ただし、「定款又は社員総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。」となっており、理事の任期を短縮することは可能です。

ということは、一般社団法人は2年に1回、登記が必要になり、めんどくさいですね。

お孫さんを養子にして相続税を節税する場合の注意点

お孫さんを養子にして相続税を節税する場合の注意点としまして、以下の通達に注意する必要があります。

 

お孫さんを養子にしたとしても、税務署が「租税回避以外に理由がないでしょ」と否認されてしまうリスクがあるということです。

 

例えば、ご高齢で病の床に伏しているようなときに、あわてて養子縁組をしても、相続税回避以外の理由が見当たらないとして、否認されるかもしれない、ということです。

 

相続税法基本通達 63条の2
(被相続人の養子のうち一部の者が相続税の不当減少につながるものである場合) 被相続人の養子(法第15条第3項の規定により実子とみなされるものを除く。)のうちに法第63条の規定による相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる養子(以下63-2において「不当減少養子」という。)がある場合には、法第15条第2項に規定する相続人の数に算入する養子の数は、当該不当減少養子を除いた養子の数を基とするのであるから留意する。(平元直資2-207追加)

 

連帯保証を弁済する為に土地を売った場合、譲渡所得が免除されます

保証債務を履行するために土地建物などを売った場合には、所得がなかったものとする特例があります。
 保証債務の履行とは、本来の債務者が債務を弁済しないときに保証人などが肩代りをして、その債務を弁済することをいいます。
 保証債務の履行に当てはまる主なものは次の四つです。

(1) 保証人、連帯保証人として債務を弁済した場合
(2) 連帯債務者として他の連帯債務者の債務を弁済した場合
(3) 身元保証人として債務を弁済した場合
(4) 他人の債務を担保するために、抵当権などを設定した人がその債務を弁済したり、抵当権などを実行された場合
2 特例の要件
 この特例を受けるには、次の三つの要件すべてに当てはまることが必要です。

(1) 本来の債務者が既に債務を弁済できない状態であるときに、債務の保証をしたものでないこと
(2) 保証債務を履行するために土地建物などを売っていること
(3) 履行をした債務の全額又は一部の金額が、本来の債務者から回収できなくなったこと
 この回収できなくなったこととは、本来の債務者が資力を失っているなど、債務の弁済能力がないため、将来的にも回収できない場合をいいます。
 例えば、本来の債務者が破産をしていたり、失そうをしているなどの場合がこれに当たります。
 したがって、本来の債務者に弁済能力があるのに、債権の回収をしないときは、この特例は受けられません。

 

もう1つ、「売買対価全てを弁済に充当」されないといけません。その担保として、売買代金が債権者に直接入金されるようにしておくと、その担保になると思われます。

 

3 所得がなかったものとされる金額
 所得がなかったものとする部分の金額は次の三つのうち一番低い金額です。

(1) 肩代りをした債務のうち、回収できなくなった金額
(2) 保証債務を履行した人のその年の総所得金額等の合計額
(3) 売った土地建物などの譲渡益の額
 これらの金額は、下記4の(1)の計算明細書を使うと計算できます。

4 特例を受けるための手続
 この特例を受ける旨記載した確定申告をすることが必要です。
 確定申告書には、次の書類を添付してください。

(1) 保証債務の履行のための資産の譲渡に関する計算明細書
(2) 保証債務の事実がわかる書類
(3) 上記2の(3)の事実すなわち、求償権が行使不能であるということを証する書類