JR寝台特急「北斗星」の特急寝台券を転売目的で不正に購入した会社員が、都迷惑防止条例違反(常習ダフ屋行為)の疑いで警視庁に逮捕された。この男、ネットオークションで寝台特急などのプレミアムチケットばかりを出品する“転売ヤー”として有名な存在だったという。



 警視庁によると、逮捕された会社員の田川尋也容疑者(52)は6月14日、JR潮見駅で北斗星のロイヤル個室の特急寝台券1枚(2万120円)を転売目的で購入した疑い。このチケットは、3万100円で転売していた。「寝台特急は人気があり、高く売れると思って買った」と容疑を認めているという。転売は2007年ごろから始め、4年間で約400枚(約250万円)を“売り上げ”ていた。



 ネットオークションマニアによると、田川容疑者は入手困難な北斗星やトワイライトエクスプレスの個室などのチケットを次々と転売。転売ヤー(=転売のバイヤー)として知られていた。ネット上には他にも転売を繰り返す者がおり、このマニアは「増え続ける“転売ヤー”への見せしめ逮捕ではないか」という。



 「プレミアムが付くJR券は、1枚あたり最低でも1万円近い利益が出る。毎月30-40枚も転売すれば相当な収入になります。寝台券などは、使用2日前までなら300円程度で払い戻しが可能なので、コンサートチケットなどと違って売れ残りリスクが小さいのも魅力だったのでしょう」



 JRの旅客営業規則には、使用前のチケットの転売を禁じる規定はなく、購入後に“やむを得ず”金券ショップなどに売る行為は罪には問われない。しかし、田川容疑者のように、初めから転売や換金目的で購入する行為は、ダフ屋行為を禁じる都道府県条例に抵触する。



 「ただし、ダフ屋行為の禁止条例を制定していない自治体も一部にある。その曖昧さが、JR券の転売を助長している側面もあります」(前出のマニア)



 今回、警視庁が容疑を固めた背景には、日付が連続した寝台券を購入するなど、誰が見ても明らかな転売目的だったことがあるとみられている。








http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110727/dms1107271622015-n1.htm


この記事の著作権は配信元に帰属します。