日本医療データセンター(JMDC)が、過去のレセプト(診療報酬)を資料として、うつ病発症の前に増加する疾患について分析を加えた。
具体的には、
2008年7月~2009年6月の間に、初めて「うつ病」の診療が開始された患者2500人を対象とした。
各患者の「うつ病」発症前2年間を半年単位に区切り、他疾患の出現率を調査。
① 「うつ病」発症2年前から徐々に増加する疾患
② 「うつ病」発症直前半年で急に増加する疾患
と発症頻度を区別してしらべたところ。
発症直前に急激に増加する疾患は「不眠症」「睡眠障害」。
「うつ病」診断の前に30%の人が睡眠障害に悩んでいることがわかった。
次に多いのが「慢性胃炎」「下痢」「胃腸炎」「胃潰瘍」などの消化器疾患。
「慢性胃炎」は発症直前に14%の人に見られ、急上昇だったが、その他の消化器疾患は2年で徐々に上昇してきていた。
3番目に急上昇だったのは同じ精神疾患に属する「神経症性障害」
とりわけ「適応障害」は「うつ病」発症半年より前にはほとんど0だったものが半年前から3%出現するようになっている。
生活習慣病といわれる「高血圧」「脂質異常症」「2型糖尿病」も10位以内に入っている。
さらに、「下背部痛」「皮膚炎」「頭痛」「便秘」「原発性卵巣機能不全(更年期障害)」が徐々に増加する疾患としてあげられている。
確かに、ストレスが強い時には、消化器症状があったり、頭痛、背中や肩の痛み、不眠などがおこるのは納得できる。
また、慢性疾患や更年期障害など ずっとつきあっていかなくてはならない病気 を持っていると、
精神的に負担が重くなることも予想できる。
これらの病気や症状がある人は、その部分だけ、をなんとか解決するのにとどまらず、
生活全般を見直して、体や心に無理を続けさせないのが肝要だろう。
また、私が個人的に興味をもったのは「下背部痛」だ。
肩甲骨の間、このあたりには「病 膏肓に至る」の「膏肓」から~各種内臓に関するツボがたくさんある。敏感な人は、「うつ病」という生きる力を削ぐような病気の前に、関連するツボ周辺に異常を感じる事があるのだろうか。
このあたり、東洋医学の専門家にぜひご意見を伺いたいものだ。