本当に買いたい服がないのだろうか | 老舗ニット会社三代目社長岡崎博之の自分らしく事業承継

老舗ニット会社三代目社長岡崎博之の自分らしく事業承継

東京の下町・墨田区・両国で、糸とセーターを売っている [丸安毛糸]の3代目社長です。 経営者の視点、後継者の視点、アパレル業界人の視点・・で気づいたこと、そして、自分らしく事業承継していく方法を書いています。みんなで一緒に元気になれるようにお伝えしていきます!

こんばんは。

アパレル業界で衝撃が走った、日経ビジネスの特集「買いたい服がない」

もちろん私も読んだけど、ここまできちんと現況を書いてくれた記事に脱帽でした。

その時に書いた、私のブログです。

私の趣味はファッションです

そして、業界内、お客様とも、もちろん会社内でも、この記事の話をしました。

私たちはどの立ち位置で、これからどうしていくのか、、、

ますます、ぶれない方向性を決めて、覚悟を決めて、やるしかない。
ますます、自分たちの価値と独自性で、やるしかない。

私たちは、そう決めています。


さて、この特集記事から1ヶ月が経ちました。

そんな来週11月15日から17日まで、短パン社長の会社のブランド、
「フラムクリップ」の展示会が行われます。

そして、今回の展示会のご案内状は、ズバリ!

「買いたい服がない わけがない」 (笑)

さすがでしょ〜!!

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「買いたい服がない」

果たして本当にそうなのでしょうか?
確かに業界全体の数字を見たらそうなのかもしれない。
でもね、決してそんな事はない。
なぜなら売れているお店はこの世にたくさんたくさん存在しているからです。
お客さまに「買いたい服がない」と思われてしまうのは、それは「買いたい理由」を
教えてあげてないから。
そう思いませんか?

短パン社長のブランド、「Keisuke okunoya 」は、絶好調です。
最近は、コーヒーも靴下も下着も売ります。

それを買いたい理由、動機づけをきちんとすることと同時に、「どこで買うか?」
ではなく、「誰から買うか?」をやり続けているからです。

短パン社長が本当に好きなモノ、自分自身着たい服だけを、最高のクオリティーで
提供します。

買った人は、その安心感とホンモノを着た満足、持って満足、そしてそれを発信して満足を得ます。
決して安い値段ではありません。むしろ、高い。

でもそれが、短パン社長から「買いたい理由」なんです。

一つ、違う視点で書いてみますね。

本当に買いたい服がないのだろうか

買いたい服がないのではなくて、

「何を買ったらいいのか、わからない」

も、大きな理由の一つでしょう。

ブランドの数、お店の数、もうタイヘンです。
完全にオーバーストア状態ですよね。

服が好きな人、ファッションが趣味な人は、オシャレが自分で出来ます。
好きなブランドがあったり、好きなお店があったり、色々買って自分で
コーディネートが出来る。

でも、そんな人は業界の人だったり、ほんのわずかな人だけ。
大概の人が、何を買ったらいいのか、わからないんです。

オシャレをしたくないわけではないし、お洋服が嫌いなわけではない。
そんな人こそ、逆に少ないと思う。

オシャレで気分も変わるし、、、お洋服にはまだまだそんな力があると思うから。

だから、当然限られた予算内で、損することなく、お洋服を買いたいと思うけど、
どうすればいいのかが、わからない。

そこで、百貨店やブティックに行くとします。

でも、もしかしてそこは、、、 ある意味敷居が高いのかもしれない。
知らないお店は、特にそうですよね。

オシャレな人、お洋服をわかっている人(だけ?)が行く場所、と思って
いるかもしれない。

こんな私が行って、わからない人が行ったら恥ずかしい、と思って
いるかもしれない。
(だから、ユニ◯ロとかは安心する、、、)

それにね、、、

わからないから、売りつけられちゃうかもしれない。

そう思うはずなんです。

例えば、私はお洋服は好きだし、オシャレは自分で出来ます。

そんな私でも、「短パンツアー」で六本木のユナイテッドアローズで、
短パン社長とお店の人からのアドバイスで、お洋服を買って満足感を得るし、
自分一人で買うより、新しい発見をする。

そして、私でさえそのお店に行く時は、特にオシャレにして行きます。
何故かって?

お店のオシャレなスタッフに、私のお洋服好きをわかってもらいたいから。
つまり、私でもそう言うお店は、敷居が高く感じているのかもしれないですね。

最近パーソナルスタイリストと言うお仕事があります。
自分のお洋服を一緒にその人と買い物をして選んでもらったりするお仕事。

お店の人ではなく、何で人はお金を払ってまで、スタイリストさんとお買い物に
行くのでしょうか?

お店の人だってプロであり、モノだって十二分わかるっているのに、です。

買いたい服がないわけではなくて、何を買ったらいいのか、わからない。
それに、予算内で後悔することなく、満足を得たい。
お店から売り込まれたくない。

そんな心理はありますよね。きっと。

だから、お店はそれを解決出来れば、もっといいんじゃないかなって思う。
敷居をもっと下げればいいのでは?と思うな。

自分のブランドや、入れているブランドだけじゃなく、ますますいろいろ見て
お勉強をすることもダイジですよね。

もう一つ、違う視点です。

あるアパレルメーカーの企画の人が、地方の百貨店に入っている自社のブランドのお店に
1週間立って、販売しました。そしてそれを数回繰り返しました。

結果は、、、すべていつもの倍を売ったそうです。

決して売り込みではありません。キャンペーンでもセールでもない。

つまり、商品知識、コーディネート、素材説明などなど、丁寧にお客様と向き合った
結果です。

それに、この人から買いたい、と思ってくれたのでしょう。
それから、そのお店の店長さんは、前よりも増して商品に興味を持ちお勉強を
しはじめたらしいです。

モノでは売れません。
もうトレンドでは売れない。

満足感、納得感があれば、服は売れる。

何度も言いますが、服にはまだまだそんな力があるんだと思う。
そう信じます。

話は、短パン社長のブランド、「Keisuke okunoya」に戻ります。

どうですか?

Keisuke okunoyaはこれらを、すべて解消していると思いませんか?
買いたい理由です。

何を買ったらいいのかがわかる。
どう着たらいいのかがわかる。
売り込まれない。逆に断られちゃう。(笑)
高いけど、満足感、納得感、安心感がある。
誰が作って、誰が売っているかが明確。
皆んなが買ってるから、敷居が高くない。
オシャレになっていく、変わっていく自分がわかる。
褒められる、喜ばれる。
教えたくなる。言いたくなる。
、、、

買いたい服はきっとあるんです。
それを教えてあげること。
それぞれの会社、ブランドらしい、その「理由」をです。