第五回 立川談春独演会 | はじめ亭しげたのブログ
二階の後ろのほうでみました。
やっぱり表情は難しいですが、談春師の声ならまったく問題ありません。

演目:

立川春太 饅頭怖い
立川談春 粗忽の使者

仲入り

立川談春 猫定


春太さん
すきなんですが。
なかなか、変わらないですね。
まんじゅう怖いなんてまた名古屋ではやらないほうがいいのに
喬太郎さんが抜群に笑えるのをたびたびやるので
アレになれてる人たちを笑わすのは至難の業 もう気の毒です。
私は春太さんは十徳がいいなー


談春師

名古屋にはたくさん呼んでいただいて嬉しい限りです
ただ、問題があります
演目がね、ネタがきれてくるんですよね
また、なるべく、変わったのをやって欲しいとか
手紙までいただくものですから
変わったのはいっぱい出来るんです、むしろ変わったのやる類に入ってますから得意なんです。
でも珍しい噺ってのは、おもしろくもなんともないことが多い。
だから、今日の噺はあんまりおもしろくないですよ。

ちょっと、違ってたらすいません
だいたいこんなことをまくらでおっしゃってました。



粗忽の使者 
ここで目いっぱいわらかすかんね~~という面白さ。


猫定
でもこんな噺ですが笑いどころもちょっといれました。という(三味の市のあたり)
名古屋はこれぐらいなきゃダメなのかな。
個人的にはぞっとする噺なのにあんまり怖くなかったです。


猫定ははじめて聴きました。なるほど、おもしろい噺だ、
三三さんあたりで聴いてみたい、と思いました。
女房のお滝が不敵に性悪な部分はなにげなくてうまいですね。
大げさ感がなくて好きでした。
男が凶器の竹槍を作る所作 采女が原で猫定が襲われる場面に
まさに談春師匠の話芸の冴えを感じます、
横なぶりの激しい雨、暗い江戸の夜がくっきり脳裏に浮かぶ。
黒い画面に血しぶきが飛ぶ絵、わたしだけではないでしょう。
いつだって間男はなんの存在感もないところも落語らしい気がします。


猫が弱い気がしました
猫の気持ちは犬派のわたしにはわからないけど
魔をもってる存在という部分でもっとおっかないほうがいいように思いました。
喉首を握って死んでいるのが、なんだか腑に落ちないような。ちょっと滑稽。あへ
円生のが聴いてみたいです。
最後に猫の忠義にするにはあんまり不気味だといかんのか?
化け猫じゃあるまいし。


談春さんの好きなところはサゲへのもっていき方
いつも最後はさらりと。

歌舞伎座の芝浜はそうじゃなかったけど。




猫定:あらすじ

 八丁堀玉子屋新道の魚屋定吉は本業が博打打ち。朝湯の帰り三河屋で酒を飲んでいたが、二階でどうも賽をなげるような物音が、博打をうっているのだろうと主人にきくが、悪さをして困るという黒猫が四足束に縛られて殺されるところであった。かわいそうに思い猫をもらって帰る。一人丁半博打を話して聞かせる。「壺の中が分かるなら教えてみな」と試すと、「にゃご」と一回鳴くと”半”、「にゃご、にゃご」と二回鳴くと”長”、の目が出ている。たてに並ぶと「すーーっ」こいつぁありがてぇー、賭場に行くときはいつも”クマ”を懐にしのばせて行く。当然勝ちが重なり、羽振りも良くなり身なりも変わり、回りからも兄ぃとか親分と呼ばれる様になった、いつも猫が一緒なのでいつしか猫定とみな呼ぶようになる。

 ある時江戸をふた月ばかり離れなくてはいけなくなり、女房に猫を託して旅に出る。女房”お滝”は間男を引き入れ楽しんでいた。旅から戻った定吉はある日、愛宕下へ猫を連れて遊びに出かける。留守宅では女房が男を引き入れ、亭主を殺して一緒になろうとそそのかす。猫定、その晩はどうやっても猫が鳴かないので早めに博打を切り上げ、雨の中愛宕下から新橋に抜けて近道をしようと真っ暗な采女が原を抜けるとき、小用を足していたら、後ろから竹槍で胸元を一突きに、鯵切り包丁でとどめを刺されて殺されてしまう。その時懐から黒いものが飛び出した。雨は激しさを増してきた。
 留守宅で女房は事のいきさつを心配していたが、引き窓が開いて黒いものが落ちてきた。「ぎゃ~!!!」と悲鳴を上げた女房。その声を聞いた長屋の衆が台所で死んでいる女房を発見。朝には定吉の死を知らされる。采女が原に定吉の死骸をみつけ、女房と二人分のお通夜をする。
 長屋の連中が居眠りを始めると、棺の蓋が開いて、二人の死骸がすさまじい形相で立ち上がった。恐れをなしてみんな逃げ出したが、そこへあんまの三味(しゃみ)の市が戻ってくる。これはちょうどいいとみなで促して番をさせる、本人は見えないので平然と線香を上げている。そこに長屋住まいの浪人が帰ってきて、事の様子を知り、覗くと中へ、風が抜けている壁を刀で突くと「ぎゃ~」。隣の空き部屋には黒猫が息絶えていた。手には間男と女房の喉元を持っていたので、主人のあだを討った忠義な猫だと評判になった。御上からも褒美が出て、両国回向院に猫塚を建てた。猫塚の由来という一席。




珍しい噺が聴きたいというより、
俺だからやれる、という噺が聴きたいと思っております。

談春師や志の輔師匠、志らく師はもうそういうステージにいるんだと思います。