労災判決前に

2016/6/20 09:25神戸新聞NEXT

 大手印刷会社に就職し、3年目で自殺した男性=当時(27)=の兵庫県在住の両親が、国に労災認定を求めて起こした訴訟の判決が22日、東京地裁で言い渡される。裁判で、月100時間を超す時間外労働、パワーハラスメント、過重なノルマなどが争点として浮上。母親(69)は「どんな結果が出ようとも息子は帰ってこない。だが、若者に寛容な社会のきっかけになることを願う」と判決の日を待つ。

 男性は関西の大学院を経て、2007年に東京都の大手印刷会社に入社。ICカードのセキュリティーの研究開発に当たっていたが、精神疾患を発症し、09年4月に社員寮で自殺した。「2時間も立ったままでお説教を聞くと、いろんな意味で疲れる」など、パワハラをうかがわせる男性のメールが多数残っていた。