本当におもしろい3人だと思う。
私、集団行動、チームプレイは昔から苦手だけど、この3人を見ているとチームって良いものだな、って思ったりします。
きしな屋のバイヤーが代表を務める「結い物で繋ぐ会」のことです。
「結い物で繋ぐ会」はきしな屋バイヤーと、司製樽の原田さん、桶光の宮崎さんの3人で立ち上げた木桶職人集団です。
左から、原田さん、きしな屋バイヤー 岸菜、宮﨑さん
この集団の名前の聞いて、まず「結い物」(ゆいもの)って何?って思いますね。
私も初めて聞いたときは「なにそれ??」でした。
「結い物」って木桶製品の古い呼び方だそうです。
木桶って、側板と底板があって、側板がバラバラにならないように竹や金属の箍(タガ)で結んであるじゃないですか。
だから「結い物」(ゆいもの)と呼ぶそうです。
「結い物」を通してヒト、コト、モノ、いろんなものを繋ぎたいという想いが込められた名前なのです。
「結い物で繋ぐ会」の主な活動内容は、醸造用やディスプレイ用木桶の製造・修理です。
有限責任事業組合(LLP)として立ち上げたのは昨年末ですが、
この3人はそれ以前から、チームで大桶の修理や製造をやってきました。
また、きしな屋本店や大阪せんば店でのワークショップも定期開催しています。これは幅広く木桶のすばらしさを伝えるための活動で、今迄本当にたくさんの方にご参加いただきましたね。
今、この大桶を作れる職人がほとんどいないというのは以前からこのブログでもお伝えしている通り。
戦後、需要が激減したため醸造用の大桶を作る木桶職人はほとんどすべて廃業しました。残っているところもありますが、近々廃業することを公言しています。
木桶職人の原田さんと宮﨑さんは、大桶を作る技術を持った数少ない職人です。それだけでなく彼らは、古い大桶を解体して昔の職人の技術を研究し、より良いものを作ろうと努力しています。
※木桶を作る技術は文献などの記録が残っていないため、昔使われていた技術のすべてが伝わっているわけではありません。現代よりも大桶の本数をこなしていた時代の木桶職人は、より優れた技術を持っていたと彼らは考えています。
↑きしな屋大阪せんば店のディスプレイ用の大桶も、お酢屋さんから譲ってもらったとても古い桶です。原田さんが研究材料に集めていたものを寄贈してくれました。
今ある技術に満足せずによりよいものを追求し続ける姿勢は、さすが職人さんだなぁと思います。
普段着の彼らは、本当に今どきの普通のお兄ちゃんに見えるので、よけいにそんな風に思ってしまいます。
結構すごい人たちなのに、全然気取ってなくフレンドリーなところも魅力ですよね。現に私、わりと最近まで2人のことをそんなにめちゃくちゃすごい技術を持った、すごい職人さんだとは思ってませんでした(爆)
木桶業界のことに詳しくなればなるほど、2人のすごさと、「結い物で繋ぐ会」の活動の意義をじわじわと実感しています・・
大桶を作れる数少ない木桶職人と、マネージャー役のきしな屋バイヤーが立ち上げた「結い物で繋ぐ会」
今年はどんなおもしろいことをしてくれるのか、楽しみです。
日々挑戦し、進化し続ける彼らの今後の活動に乞うご期待!
きしな屋店長キョウコ