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ホーストカップ

ダブルメーンイベント第1試合 スーパーファイト ホーストカップ 3分3R

● 野杁正明

判定0-3 27-28、27-28、27-28

○ ラズ・セルキシアン(アルメニア/Top Team Beverwijk)


大石道場のブログ

20日に行われた立ち技大会「ホーストカップ~Departure~」(愛知・名古屋国際会議場イベントホール)では、ダブルメーンイベント第1試合に野杁正明が登場。2009年に高校1年で「K-1甲子園」を制し、昨年は「Krush YOUTH GP」で優勝を果たすなど、プロとしてもすでにトップクラスへ登りつめた“怪物クン”が、ホースト選抜チームの19歳、ラズ・セルキシアンと対戦した。

 6月で20歳となる野杁より1つ年上のセルキシアンだが、すでに31戦のキャリアを誇り、戦績は20勝9敗2分。かつてリングスで活躍したディック・フライがオーナーをつとめる「トップ・チーム・ベーフェルウィーク」に所属し、ハンス・ナイマンの指導を受けているという。

 久々に地元凱旋を果たした野杁の快勝が期待された試合だが、セルキシアンは大会エグゼクティブ・プロデューサーのアーネスト・ホーストも注目する若き実力者。
 会場をどよめかせるハンドスピードでパンチを放つセルキシアンに左右のローとヒザ蹴りで応戦した野杁だが、2R、ローに左フックを合わされる形でグラつき、ダウンを宣せられてしまう。ファイティングポーズを取り再開に応じた野杁だが、セルキシアンは再び左フックを打ち込み2度目のダウンを与える。絶対絶命のピンチを迎えた野杁だが、顔面前蹴りをセルキシアンに打ち込むなどして、なんとかこの窮地を乗り切る。
 最終3R、ダウンのリードでやや守りに入ったセルキシアンに対し、野杁はサウスポーに変わると左ミドルを連発。そしてまたもや左ミドルとセルキシアンに思わせ、そこから変化してバックキックをボディにグサリ。これでセルキシアンが「く」の字になると、顔面へヒザ蹴りを連続で突き上げダウンを奪い返す。
 2Rとは優劣が替わり、逆転KOへなおもヒザを突き上げ猛追した野杁だが、ここで無念のゴング。

 野杁のヒザで顔を鮮血に染め敗者のような顔となったセルキシアンだが、2Rまでのリードを守りジャッジ3者が28-27をつける判定勝ち。
 地元・名古屋への凱旋試合を勝利で飾れなかった野杁だが、絶対的ピンチを逆転寸前まで盛り返して大会ベストバウトをやってのけ、改めて“怪童”ぶりを見せつけた。