2014年5月21日16時から行われたサンリオ2014年3月期決算説明会のメモ。この説明会が翌日22日サンリオ株ストップ安の原因になったと言われている。

説明会サマリー

  • 2014年6月に辻信太朗社長の息子である辻邦彦副社長が社長となるはずだったが、2013年11月に逝去してしまったため、社長は辻社長が続ける。
    • 社長交代はいつなのか、誰なのか、は明言されなかった。外から連れてくるのは不可であるとの発言が何度もあったので、中から選ぶことになるだろう。
    • 新体制では各セクションのトップを社長とし、それを辻社長が束ねる。各部門のトップを社長と呼んでいたり、一度だけ「分社」という表現を使ったりしていた。本当に分社化をして持ち株会社への移行をするという意味なのか、カンパニー制にするという意味なのかははっきりとしなかった。自分には後者の意味に聞こえた。
  • ライセンスビジネスから従来の物販ビジネスに回帰するかのように受け止められる発言が多数あった。
    • 後日のIR室からの補足説明の内容を踏まえたうえで注意深く聞くと、国内のライセンスを絞って店舗づくりなどをしてキャラクターブランドを磨く、という意図のようである。
    • 質疑で聞かれてもいないのに、ロシアやアフリカでのビジネスをしばらく進めない、という発言があった。この発言もあってか、海外の他の地域でもライセンスビジネスを抑えて物販に戻ろうとしているように受け止められたのだろう。

時系列

決算に関連する事項を時系列に並べると以下のようになる。

海外のライセンスビジネスは副社長の邦彦さんと元三菱商事の鳩山さんが開拓していった。辻社長はライセンスビジネスをかつて嫌っていたが、数年前からライセンスビジネスを認めるようになり、社長交代も仄めかすようになっていった。

その邦彦副社長の逝去によって、ライセンスビジネスから物販ビジネスに戻そうと辻社長が考えていると機関投資家に受け止められたために、翌日の東京証券取引所にてサンリオ株がストップ安となったと言われている。この日の東証一部での売買代金でサンリオ株は第2位となり、日証金の確報で貸借倍率が 0.95 から 1.61 へと大きく変化した。さらに翌日の23日にはIR室から、ライセンスビジネスから物販ビジネスに戻すとわけではないと補足説明が出された。

辻社長は1927年12月7日の生まれで86歳にもなられている。85歳の平均余命は6.00年 (厚生労働省の平成24年簡易生命表より) となっているが、辻社長のことなのでその倍以上はピンピンしていそうではあるし、自分もそう願っている。だが経営としてはご高齢の辻社長が続投されることは大きなリスク要因である。

ストップ安の原因として、物販ビジネスへの回帰とパソナ説があるが、自分が説明会の動画を見て最も不安に思ったことは、副社長の逝去から半年も経っているのに、社長の交代について時期や人物や引継ぎ方法について明確に語られなかったことだ。翌月の株主総会でもどうせ聞かれることだろうから、嘘でもいいので何らかの答えを用意しておいてほしい。

決算説明会の流れ

決算説明会の流れは以下の通り。

  1. 2014年3月期業績
  2. 2015年3月期のテーマ
  3. この頃思うこと
  4. 質疑・応答

説明会全体の動画は http://irweb-movie.web.stream.ne.jp/www11/irweb-movie/sanrio/140521/index.html で見ることができる。1番と2番の今期業績と来期テーマの資料は http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=irmaterialforfiscalym&sid=9407&code=8136 (PDF注意) と http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=irmaterialforfiscalym&sid=9408&code=8136 (PDF注意) で見ることができる。

以降では3番と4番の『この頃思うこと』と質疑・応答のメモを書いておく。間違いがあったら突っ込みを入れてくれると助かる。

この頃思うこと

例年ならば辻社長が終始一人でしゃべるはずなのだが、一人でしゃべっていたのは最初と最後だけであった。それ以外は、2年前と1年前の株主総会で実施したように各部門のトップにしゃべらせていた。しゃべらせていた時間は合計で約40分。

国内部門の各トップは役職としては部長であったりするが、辻社長からは社長と呼ばれていた。新体制で各部門のトップが社長となるからなのだろう。海外部門では誰に対しても社長と呼んでいなかったのは、単に忘れていただけなのか、社長と呼ぶことに飽きただけなのか、海外は社長と呼ばないようになっているのか、は不明。

以降は敬称略で。取締役や執行役は名前が分かるが、それ以外の方はあいにく名前が分からなくて申し訳ない。

最初

  • 辻信太郎 (以下、辻): これからのサンリオについて話したい。
  • 辻: 2年前から今年の6月の株主総会で社長を辞めて、副社長である息子の邦彦に会社をバトンタッチする予定で、その計画通り進めていた。ところが昨年の12月にアメリカで急死してしまい、個人だけでなく会社としても "茫然自失" となった。
  • 辻: 各関係会社から次期社長は誰なのかと盛んに聞かれている。今は次期社長を決めるという状況ではないが、そのような声が強く入ってきている。私は54年間社長を続けてきた。社長は会社の現状を知りながら社員を引き連れて会社を育てていく必要がある。金融機関のように4-5年おきに自動で変わるとか、外国から社長を連れてくるような安直なことなどは、無理である。
  • 辻: 社長業は難しいもので、サンリオはキャラクターマーチャンダイジングという新しいビジネスモデルをやっているので、簡単には社長を変えられない。新聞などではいろんな会社で社長が変わったというニュースが流れているが、有名な会社ほど社長を変えて危機に陥っている。それほど社長業は難しい。
  • 辻: そこで今しばらく私自身が社長を務めていくことに決定した。ソーシャルコミュニケーションビジネスの各セクション、たとえばライセンスビジネスや物販を分社して各セクションごとに社長を立てて、それを統括するのが私であるとする。
  • 辻: その形態を一人一人に簡単に紹介する。

カンパニー制なのか持ち株会社になるのか私には判断できなかった。カンパニー制ってことでいいんだよね。

国内物販

  • 辻: 国内で商品を販売、あるいは国内の百貨店や量販店との間を取り持つ、などの従来の店舗政策を宮内部長がやっていく。
  • 宮内三郎 (以下、宮内): 国内は直営118店舗、百貨店で92店舗を運営している。昨年は増収増益であった。特筆すべき点は海外からのツーリストが昨年は1000万人を超えており、ツーリストが訪れる店舗で想像以上に売り上げが出ている。多いところでは5倍となっている店舗もある。
  • 宮内: リトルツインスターズ、マイメロディが若い人に売れていて、店舗に来るお客さんも若くなった。海外客が多いエリア、若い人が多いエリアに新規出店していく。
  • 宮内: 地方は少子高齢化で厳しい。子供だけでなく幅広い年齢層にも受け入れられるように、テーマパークからのノウハウを生かしたイベント、デザイナのサイン会などを考えている。
  • 宮内: 今後の新規出店ではキティのダイカット型の店舗などを出して、他ができないようなストアデザインを作っていく。
  • 辻: 宮内社長でした。よろしく。店舗も増える形態でやっていく。

イラストでしかまだ見ていないがダイカット型の店内装飾は良さそう。かつての田園調布のいちごのお家を彷彿とさせる。外装ではなく内装なので池袋 Vivitix にあるようなドームのような感じになるのかな。

はたらくばつ丸で書いたように、翌年度のピューロランド物販がやたらと強気の計画を出しているのも、この物販回帰によるものなのだろうか。

空間ライセンス

  • 辻: 空間ライセンスを中心に、またコンビニエンスストアも手掛けている福嶋部長。
  • 福嶋一芳 (以下、福嶋): サンリオ自体がキャラクターの商品をお店で売っていく形態だったが、4年くらい前からキャラクターコンテンツを広告に使ってもらうことにした。例としては金融機関でのノベルティや、自動車会社の販促品。キャラクターが成長してきたので、皆さんから要望があってこのような形態で使ってもらったら50億円にもなった。あとはホテルの部屋がキティやメロディとなっているもの。これも最初は不安だったが、非常に好調であった。
  • 福嶋: こういうビジネスが日本だけで50億円なので大した金額ではないが、サンリオは海外では109か国以上で商売している。50億かける109か国とまではいかないが、かける2.5はあるはずで、海外ではまだやっていないので十分な広がりがある。
  • 福嶋: コンビニエンスストアで売っているのはサンリオの商品ではない。コンビニエンスストアと一緒に企画した商品を売っている。金額はまだ小さく35億円ほど。百貨店では同じ商品を売っているが、こちらでは販売店に合わせて商品を開発して一緒にやっていくことで商品の輪を広げていこうとしている。
  • 辻: 福嶋社長でした。なかなか理解されないかもしれないが、変わったライセンスのビジネスをやっている。

ぜひ多摩センターの近くにもシナモンルームを。

オーソドックスなライセンス

  • 辻: いわゆるオーソドックスなライセンスで、ユニクロなどのキャラクターをはめ込むことで売り上げを助長する形のビジネスを下村がやっている。
  • 下村陽一郎 (以下、下村): 前期は上期で苦戦したが下期は昨対で同等になった。
  • 下村: 中期、短期としてはライセンシーの見直しをやっている。500社ほどいるライセンシーをすべて変えるということではなく、グローバルに活躍している企業と強化していく。例えばパナソニック、ユニクロ、クロスカンパニー、ワコール。
  • 下村: LINE のスタンプなどのように新しいロイヤリティの取り方が出てきた。SNS はまだまだ広がっていくので、ビジネスにつなげていきたい。
  • 下村: 中長期では事業部内の人員の配置を大きく変えようとしている。ライセンシーへの営業だけではなく、その先の流通や海外進出やインターネット販売なども含めてライセンシーと一緒にビジネスをしていく。
  • 下村: 世界的に有名なブランドやテレビや一流雑誌などと協力してキャラクターのブランドを高めていきたい。
  • 辻: 下村社長でした。キャラクターマーチャンダイジングビジネスは約45年前に考えた。当時ディズニーとこのビジネスをやろうと相談をしに行ったが、ディズニーにはディズニーランドの制作をやっていきたいと言われ断られた。3度も相談に伺ったがライセンスビジネスはやってもらえなかった。なのでロイヤリティなどを自分で決めてこのビジネスを作ってきた。
  • 辻: 基本的にライセンスビジネスは弱い商品を売るためのキャラクターという形を取っていたが、今の下村の話を聞くと有名企業とこれからは組んでいきたいとのこと。その点では僕とは意見が違うが、下村 "社長" なので有名企業と組んだ形を取っていきたいとの話であった。

まだ社長同士で方針が対立しているっぽい。全体の方針として国内の物販を強化して国内ライセンスを絞るというのであれば、優先度の関係でライセンシーは強いところに絞らざるを得ない気はする。

デザイン

  • 辻: サンリオにはデザイナが100人いる。企画をしている人は各セクションを合わせると同じく100人いる。そのデザイン関係の責任者はハローキティの育ての親、今は (崎山と山口の) どっちで呼べばいいのだろうか、崎山さんという人が担当している。
  • 辻: 先日渋谷でサンリオ祭り (SHIBUYA de Hello Kitty) があり私も出かけて行った。渋谷の街はキティだらけとなっていた。僕はサンリオの社長として渋谷に行ったが誰も相手にしてくれなかった。一方で崎山さんが出てくると、みんなが「キティちゃんだ」と言って相手にされていた。僕も年取ったもんだなあと思って静かに帰ってきた。
  • 辻: デザインの責任者である崎山部長である。
  • 崎山裕子 (以下、崎山): キャラクター制作部の崎山だが、ハローキティデザイナの山口裕子としても活動をしている。
  • 崎山: キャラクター制作部はキャラクターというタレントを抱えている芸能事務所のようなものである。キャラクターというタレントをいかに磨いて世界に発信していくか我々の仕事。
  • 崎山: ハローキティは今年で40周年。2000年ごろからグローバルなキャラクターに育ち、世界各国で売れるようになった。その2000年ごろからマイメロディとリトルツインスターズは活動を休止していた。私がサンリオに入社したきっかけがリトルツインスターズのファンだったため、これらのキャラクターが活動していないのが悲しかった。この2つのキャラクターの2000年からテコ入れをして成長させていき、今では第二第三のキャラクターとなった。来年はこれらが40周年となる。今年はグローバルキャラクターになるように仕込みをしており、各国のチームと一緒になって世界に発信していける三大キャラクターとなるべく頑張っていく。
  • 辻: 崎山社長は僕より有名な人ですから、よろしくお願いいたします。

静かに帰ってきた、とか面白い表現をする。同じ表現を来月の株主総会でも使いそう。

グリーティングカード

  • 辻: 次はグリーティングカード。最近ネットが盛んになった、ことに LINE が出たせいで文章が書けなくなっり、しっかりとした挨拶もできなくなり、日本語も書けなくなった、と今の小学校の先生は悩んでいる。
  • 辻: どういう言葉が人を感激させるのか、日本語にはどういう言い回しがあるのか。サンリオのグリーティングカードは品質や書かれている文言は世界一だと思っている。これを担当している清水部長。
  • 清水覚 (以下、清水): 葉書を除いて国内市場規模は120億円で35%のシェアを取っている。2位以下は10%以下でひしめき合っているので、断トツのシェアを獲得している。近年、郵便局という新たな小売マーケットを獲得したので、より市場シェアを高めていきたい。
  • 清水: 売り上げを牽引しているのは、ICチップを使って音や光が出るテクニカルなカードである。テクニカルなカードは海外では珍しい。海外では言語や文化といった壁があった苦戦していたが、海外のマーケットにもICチップやポップアップやレーザーカットやハニカムといったテクニカルな面で売っていきたい。従来はキャラクターなどのデザインプロパティで海外に広めていたが、グリーティングカードにおいてはテクニカルな商品で勝負していきたい。
  • 辻: 清水社長でした。

キャラクターのカードばかりでテクニカルなのを使っていなくてごめんなさい。

ネット関係

  • 辻: ネット関係が今非常な勢いで伸びている。昔の言葉でいえば通信販売。これは千村部長が担当している。
  • 千村秀一: EC事業は世の中の時流とともに順調に成長している。前期ECで初めて10億円を突破し、自前のオンラインショップ本店が5億、楽天が3億となっている。Amazon とも強固な関係となっている。持続成長のために中長期的に頑張っていく。
  • 辻: 千村社長でした。

最近オンラインショップはポイントキャンペーンが多くて、すごく迷う。楽天は使ったことがない。

経理

  • 辻: 今までが国内関係を担当している人たち。国内と海外含めて経理関係を中谷社長がやっている。
  • 中谷隆英: 従来通り財務基盤強化に努めていきたい。ROE 20% 以上を維持していくで資本効率と経営効率を上げていく。

経理も社長なのか。

全体統括

  • 辻: 国内と海外の全体的な統括を江森常務が担当している。
  • 江森進 (以下、江森): (会釈のみで発言なし)

業績説明で十分にしゃべっただろうし発言なしも仕方なし。

ヨーロッパ

  • 辻: ここからは皆様の興味のある海外。亡くなった副社長と鳩山常務が海外関係をすごい勢いで開拓していき127か国にサンリオの拠点を作った。ロシアのウズベキスタンやアフリカにも進出をしていこうとしていたが途中で副社長が亡くなった。海外関係を皆さんに細かく報告したい。
  • 辻: 海外は副社長と鳩山常務が強力にやってきたが、一人欠けたために海外全体ではなくヨーロッパ全域のみを鳩山常務が責任を持ってやっていく。アメリカとアジアは私が直接担当していくという形に変えた。鳩山常務からひと言。
  • 鳩山玲人 (以下、鳩山): 今年からは欧州担当ということで現場に立ってやっていく。欧州は8連続四半期で2桁減を続けてきているが、今年の第4クオーターには下げ止まる計画でやっていこうとしている。ライセンスは先のことなので、今ではもう冬の仕込みを終えており、実質的に今やっていることは来年ということになる。

ヨーロッパについては質疑1-1と2-2でもうちょっと詳しく説明がある。

アメリカ

  • 辻: アメリカの現状をフクダ部長から。
  • フクダ (お名前を存じ上げなくてすみません): 12月の寒波の影響があり前年実績は少しマイナスとなったが、今では経済事情は回復してきている。米国では流通ライセンスと空間ライセンスを柱としている。
  • フクダ: 流通では全米第2位のドラックチェーンであるCVSファーマシーと7628店舗でのビジネスを開始した。金融ではカンザス州のUMB社とクレジットカードのビジネスを開始した。
  • フクダ: 広告化権ビジネスではメジャーリーグベースボールではドジャースと今まで協力してきた。今回メジャーリーグ30球団とライセンス契約を開始する。通常は2-3万人しか入らない球場にハローキティナイトというイベントでは5万人も入る。この大規模なイベントを30球団と行っていくので、キャラクタープロパティを高めライセンスビジネスに寄与する。
  • 辻: サンリオビジネスは難しいが、いろんなことをやっている。

30球団って全部じゃないですか。すごいな。

中国

  • 辻: 次は中国をカワイ部長から。
  • カワイ (お名前を存じ上げなくてすみません): アジアを担当している。今日は全地域から担当者が来ているので一言ずつ状況を報告したい。私からは中国を紹介したい。
  • カワイ: 中国は順調に売り上げを伸ばしているが、中国の経済規模ほどの売り上げは出せていない。
  • カワイ: 力帆 (リーファン, LIFAN) グループが商品ライセンスの代理店をしており、良好な関係を築いているので、商品ライセンスは順調に伸びてきている。
  • カワイ: 河東地区に大きなテーマパークが10月にオープンする。河北地区や山東省や四川省でもテーマパークの引き合いがあり、商談が進んでいるところである。中国国内の所得向上によりレジャーブームが起きている。その受け皿としてテーマパークは大きなポテンシャルがある。
  • カワイ: 一人っ子政策に修正が入り、第二子を作るうえで漢民族に有利な条件となった。ベビーブームの追い風もあり商品ライセンスも伸びる。エンターテイメントビジネス、ライセンスビジネス、物販ビジネスでバランスの取れたビジネスをしていく。
  • 辻: 今中国には何軒あるか。
  • カワイ: 店舗は130軒弱あり、年末までに150件に増やす。

ニュースではアジアのテーマパークが売り材料とも書かれているが、直営ではなくライセンスなので売り材料になる理由が分からない。

香港・シンガポール・タイ

  • 辻: 香港、シンガポール、そして今問題になっているタイをやっているキャロリンが来ているのでしゃべってもらう。
  • キャロリン (お名前を存じ上げなくてすみません): 香港の空間ライセンスのトピックとして、東京ラーメンショーで3年連続1位となった富山ブラックの麺家いろはとコラボレーションをやっている。
  • キャロリン: 香港ではキティ以外のキャラクターをやっていくというのもミッションの一つ。4月からは香港の吉野家でたあ坊キャンペーンを開始し、評判が良いので、すでに第二弾の話が進んでいる。
  • キャロリン: 新興国では今までは商品ライセンスが中心だったが、キャラクターの認知度が上がってきたので、企業プロモーションなどの形態に攻めていきたい。先月シンガポールの郵便局40周年に向けて同じく40周年のキティの切手を発行した。タイの KBank (カシコーン銀行, Kasikorn Bank) でキティのカードを出した。
  • キャロリン: バンコクの中心街で3階建ての複合施設のモールができ、大人向けのスパ、ネールサロン、カフェ、グッズ販売の施設が入っている。

香港ではなくマレーシアだけれども、キティだけでなくシナモンまでもがクアラルンプールに行っていたのはキティ以外のもやっていくミッションのためなのかな。シナモンが海外出張にも行っていたことはつい最近知ったばかり。

台湾

  • 辻: 次に台湾。台湾は親日感が高く、キティが好きな人が多い。キティだけでなくメロディとプリンも支持率を持っている。ちょうど台湾から代表のソフィアンが来ているので一言。
  • ソフィアン (お名前を存じ上げなくてすみません): 台湾で4800店舗を持つセブンイレブンとさらなる提携をしていく。他のコンビニエンスストアともキティ以外のキャラクターで提携していく。
  • ソフィアン: 観光産業の活性化で台北の猫空ロープウェイは相当な利益と話題性を呼んだ。この運営会社である MRT (台北捷運) や他の交通機関や他の観光産業との提携も計っていく。
  • ソフィアン: 1月11日に40周年台北マラソンがあり参加者数は3万人であった。この成功を活かして7月5日の高雄での40周年記念マラソンを計画している。キティ誕生日の11月1日に台中で第三弾のマラソンを実施し、タイにあるテーマパークを丸ごと貸し切ってキティの誕生日パーティを開き、パレードと花火大会も行う。
  • 辻: 台湾はことに社会貢献に力を入れており、マラソンだけでなくキティが病院訪問をしている。カフェにも力を入れており、オールキャラクターカフェが大成功となっている。香港のキティラーメンが好評で、どんぶりも買ってくれる。

台湾は行きやすそうな国だから気になる。

韓国

  • 辻: 最後に韓国をずっと当社でやってくれているヒラバヤシ君に。
  • ヒラバヤシ (お名前を存じ上げなくてすみません): ライセンスは160から170のライセンシーがいる。どのカテゴリーもそろってきたので、質のいいライセンスを目指す第二段階に入ってきている。
  • ヒラバヤシ: 済州島でインドアのテーマパークを1月からスタートさせた。集客も順調で、中国からの観光客も増えてきている。もともと済州島はソウルからの家族連れ旅行が主力で、年間1000万人が訪れる大観光地。夏のピークシーズンに向けて努力していく。
  • ヒラバヤシ: ハローキティカフェも複数あり、インチョン (仁川国際空港) にも1店舗あるので機会があったら立ち寄ってほしい。

済州島 Hello Kitty Island のサイトが転送量オーバーで全然見られない。昨年までピューロランドにあったキティズハウスみたいなのがあるっぽい。

最後

約15分。内容はいつも通りの安定の辻社長。

  • 辻: サンリオのビジネスは127か国で行われており非常に複雑。そのため一口では説明できない。経営計画ではいつも消極的に発表していく企業文化である。実はかなりのものが隠れていると期待してほしい。ヨーロッパも鳩山がやっているので面白い結果が出ることだろう。
  • 辻: アベノミクスで経済が良くなり、各社ともいい配当を出すようになった。私の54年間の社長の経験ではこれからの日本企業は大変であると予測している。これからの日本では物を作っても物が売れない。店をたくさん作っても売れない。製造業も販売業もこれからは海外に売るしかない。
  • 辻: 経営学者のフィリップ・コトラーは、これから品物を売るにはブランドが必要である、と言っている。ブランドがないような商品は海外に持っていっても売れはしない。ブランドは貸してくれるものではない。例えばルイヴィトンはブランドを貸してくれない。だがサンリオはキャラクターブランドを貸し出しており海外進出の手助けをしている。
  • 辻: 私はなるべく弱い企業に助けたいという意志だが、最近では有名な企業にキャラクターブランドを貸して海外進出を助けたいといっているのが、"僕でないほうの社長" (下村) の意志である。
  • 辻: ブランドもキャラクターも1種類だけでは無理。少なくとも20種類のキャラクターを一緒に出していかないといけない。例えばメロディファンはキティグッズを買わない。最低でもグッズは5種類から10種類のキャラクターを出すとそれぞれを全部買いついてくる。そのような難しい時代になってきている。単一のキャラクターブランドをつけるだけでは駄目で、たくさんのブランドをそろえる必要がある。
  • 辻: 僕でないほうの社長は、有名な企業ほどキャラクターブランドをつける必要がある、と言っている。またブランドをつけさえすれば売れるわけではなく、商品自体も良いものでなければいけない。
  • 辻: 時代はそう簡単なものではなく、IBMがパソコンにやられ、パソコンはスマートフォンにやられた。同じように、僕もカメラが大好きだが、20年くらい前にデジカメができ、24枚撮りか36枚撮りだったのが1万2万と撮れる。当時のカメラメーカーであるコダックなどは非常に大変だったはずだ。そしてソニーやパナソニックのような電機メーカーがカメラ屋になった。
  • 辻: 同じようなことがトヨタ自動車でも起きようとしている。ガソリンエンジン自動車は部品が9万点あるが、電気自動車ではわずか1万点で済む。そうなるとソニーか松下かサムソンが自動車メーカーになることだろう。
  • 辻: あるメーカーが見本を作ってきてサンリオも自動車メーカーになったらどうかと言われた。今ではキティ自動車が20万円で作れてしまう。これからは大変な時代なのだと思う。
  • 辻: そのような中で生き残っていくためには独占企業である必要がある。類似企業が出たら必ず価格競争になる。価格競争になると儲からなくなり、専務や工場長が独立してしまう。そのため類似企業が現れるビジネスでは企業は30年も持てば長いほうである。日本でも100年続いている企業は本当に素晴らしい企業ばかり。長く続いていくことは難しく、そのためにどうすればよいかを皆様にも見てもらいたい。
  • 辻: サンリオはもともと第一銀行と取引をしていた。その第一銀行も潰れたわけではないがいろんな銀行になってきた。そういうような企業はどんどん変わってしまう。サンリオはその中を抜きながら世界に通用する会社にしていくためにはやらなければならないことは社会貢献である。社会貢献のできない、社会に離反するような企業はこれから大きくなることはできない。社会貢献のためとして、施策はまだ発表できないが、一生懸命やっているところである。
  • 辻: サンリオのビジネスは一口には説明できないほどに色んな事があるが、小さな贈り物にカードを付けて贈ることで皆が仲良くなって助け合うことを世界に広めているのがサンリオのやっていることである。サンリオはキャラクターで利益を出しているだけの企業ではなく、ギフトを送りあい皆が仲良く助け合っていくことを願って世界に広めている企業なのである。仲良くなることを目標とする類似企業が出るとしたら、たとえそれが競合だとしても嬉しい事である。だが残念なことに今のところソーシャルコミュニケーションギフト産業をやっているのは他にない。
  • 辻: サンリオが上場していいのか分からないが、たまたま上場していて配当を80円も出している。株式関係の皆さんにお願いしたいことは、こういう企業を勧めてくださいと。この間の株主総会でも言ったが「お父さんはサンリオの株主だよと子供に言ったら、お父さん偉いね、と子供に言われた」となるような株にしていくので、勧めてもらいたい。
  • 辻: 私は株式投資をやって70年にもなる。皆さんから見たら株式投資の神様かもしれない。70年間見てきた中でこんなに配当が高い時期はなかった。みずほ銀行は7円の配当を出しながら、今日の株価は195円である。配当利回りは (税引き後) 3.2%にもなる。銀行だけでなく商社も配当利回りが高いのに、誰も全然買わない。株式市場を見てみるとヘッジファンドのようなのが出てきて株式の売買で利益を出そうとしている。そうではなくて、皆さんには企業がきちんと利益を上げて配当を出すような企業を勧めてもらいたい。
  • 辻: 私はサンリオ株を買えと言っているが、1万株や2万株を買えと言っているわけではない。株式投資をしている人たちに100株でも1000株でもいいから、自分のポートフォリオの中にはサンリオの株が入っているよと言ってもらいたい。80円の配当というのは株価が4000円とすると2%の利回りとなる。75年間も株式投資を続けてきたが、ヘッジファンドのようなことが出てきているのは今が初めてである。よくもこんなことで社会が許されるなあと思う。いい株を買うように勧めてもらって、サンリオだけでなくていいですから、いい株の株主となって日本や世界の経済を支えてほしい。
  • 辻: 僕はあと4年で90歳になる。そういう年を取っている人が言っている言葉として信用してほしい。皆さんはヘッジファンドに加担してどれを買えどれを売れというのではなく、いい会社の株を勧め、いい会社を指導してほしい。最近の証券会社の人は株を買うように勧めていない。昔は証券会社からいろんな話があって、電話をかけて買ったものであった。今では北米市場の推移を見て売買をしているだけ。そうではなく、日本の株式市場を健全な株式市場にしていってほしい。
  • 辻: 僕が言うのはおかしいかもしれないが、株式を75年もやっている。25歳から初めて当時は信越化学が良かった時代。そんなころから見ていると、今のような馬鹿な時代はない。証券会社に電話をかけても何が高いのか安いのか全然わからない。こんな様子ではまた北米市場の価格に応じて日本市場の価格が動くだけになってしまう。そういうことではない健全な株式市場を築いてほしい。
  • 辻: サンリオは世界に向かって一歩一歩色んなビジネスをやっている。皆に子供たちに尊敬されるビジネスとして頑張っているのでご指導ご支援をお願いしたい。
  • 辻: 秘書には社長の話は謙虚ではないと注意され続けている。恐縮で申し訳ないが、私の心情をお話しした次第である。どうか100株でいいので買うように勧めてほしい。

やはり秘書には怒られていたのね。

質疑・応答

約30分。セクション名の最初に m-n と書かれているのは、m番目の質問者によるn番目の質問という意味である。株主総会と違って質問の意図が明確なので、メモりやすかった。

1-1: 直近の国内と欧州

  • 質問者: 直近の課題として国内と欧州がある。国内は責任者が細分化されていてはっきりとしていない。何を優先するのか、時期と数字を具体的に教えてほしい。欧州は下期と来期がターゲットとのことだが具体的な戦略を聞きたい。
  • 江森: 国内は各カテゴリでだんだんと底を打ってきたという感触はある。今期中にライセンスと物販は回復する見通しである。
  • 鳩山: 欧州は8四半期連続で数字が出なかったのでチームメンバーを変えた。もっとも落ちている国はイタリアでピークの6分の1にまで落ちている。ライセンシーのポートフォリオの国をイギリスなどに移していっている。事務所の位置をライセンシーの位置と揃える。国単位でのマネージメントをしていたがキーアカウント制に夏ごろ以降していく。

鳩山さんは質問されると、発表では触れられていないことを具体的に答えてくれる気がする。

1-2: 社長のリスク管理

  • 質問者: 株価が半分になっている。辻社長はもう高齢で、考えられない不幸 (副社長の逝去のこと) もあった。これだけの規模の会社で船頭に何かあった時にどう導いていくのか。リスク管理の面で聞かせてほしい。
  • 辻: サンリオは独特な会議システムがある。毎週月曜日に会議があり、今日ここで話した人たちとその直下にいる人たちが参加している。常に社内のコミュニケーションは最良にやっている。

各地でタイムゾーンが異なるのにどうやって実施しているのだろう。アジアとヨーロッパだけであったり、アジアとアメリカだけだったりすれば、できはするだろうが、アジアとヨーロッパとアメリカとなると一斉開催は困難そう。

2-1: 新体制が軌道に乗ったといえる指標

  • 質問者: 新体制はカンパニー体制で各部門のトップが社長になってそれを辻社長が束ねるということだと受け取った。どういう状態になれば新体制が軌道に乗ったといえると考えているか。
  • 辻: 2年間にわたって副社長を社長にするための体制を整えてきたが、その体制を元に戻すのにも1-2年かかる。銀行などは数年おきに社長を変えられてよいが、サンリオは複雑な企業なのでそう簡単に社長を変えられない。事業内容はテーマパーク、出版、国内物販、ライセンスとある。ライセンスだけに偏っていれば簡単なので社長を変えられはするだろう。
  • 辻: ライセンスから物販に戻すとなると、最近下降気味の百貨店ビジネスで苦戦すると思われるかもしれない。ただ、お祝いのためのギフトをネット販売でやったり、お祝いのメッセージをネット経由にするわけにはいかない。贈り物を安物のお店で買うのではなく、贈り物用のショップで買わないといけないということが調査で分かった。そのため百貨店や量販店で明確な贈り物用の店を全国に作り続けていくことで、ライセンスではない方向にする。
  • 辻: ライセンスビジネスは非常に簡単である。目白のうちの受付にはライセンスしてほしいというお客さんがいっぱい来ている。それらと契約すればライセンス料が入るので簡単な仕事である。それらは締め出して、いい企業とライセンス契約を結ぶようにしていった。一方で海外のライセンシーにはどんどん出していく。
  • 辻: 年を取りすぎてしまったのはまずいが、しょうがない。年を誤魔化すと分かってしまう。

質問の仕方がいい。回答を引き出せるこういう質問の仕方ができるようになりたい。

2-2: Mr. Men

  • 質問者: 新キャラクターの Mr. Men のバリューアップを教えてほしい。
  • 鳩山: 欧州は今期以降で2桁増を目指している。買収前と後では会計での計上方法を変えている。買収前はお金が入ったタイミングで計上していたが、買収後は入ったお金を期間に割り当てて計上している。買収前に計上されていたお金が多数あった。その契約が一段階するまでに1-3年かかるため、直近で数字が伸びているように見えなかったかもしれないが、これからは2桁増を伸ばしていける体制を作っていく。
  • 鳩山: キーアカウント制によってMr. Men とハローキティをハイブリッドに推進して効率的に事業ができるようになる。イギリスを中心に伸ばしていく。

先月あたりから Mr. Men のグッズがピューロランドのエントランスショップでもいい場所に置かれるようになったなあ。

3-1: 世界に通用するキャラクター

  • 質問者: 世界に通用するキャラクターを作るときに必要なものは何か。
  • 崎山: 世界中が日本のテイストを好きになってきているということを各国に行って感じている。1980年代は各国の壁があって日本のものを受け入れてくれない国が多かった。1990年代からはファッション業界に始まり日本のものが受け入れられるようになり、サンリオキャラクターが世界に羽ばたいていけると確信を持った。それで各国でのサイン会に積極的に出かけて行った。サイン会で見聞きしたことに基づきキャラクターを育てていこうとしている。

日本でのサイン会が情報収集で役立っているという話はよく聞くけれども、海外もそうなのか。

3-2: サンリオ制作部門の強み

  • 質問者: 海外のデザイナとコラボレーションしていると思うが、そうした中で新たに認識したサンリオの制作部門の強みと弱みを教えてほしい。
  • 崎山: サンリオのデザイナの強みはデザイナが全く辞めていないこと。デザイナはキャラクターを愛しており、世界に羽ばたいていくことを夢見ている。

ポチャッコの作者は、と突っ込みを入れたくなる。

4-1: 新中期計画の延期

  • 質問者: 『2014年3月期業績』16ページの「中期経営計画の進捗について」で新中期計画の策定が延期となっているが、単に延期となっているだけなのか、体制が大きく変わったことによって数値目標も大きく変えようとして延期になっているのか、どちらなのか。
  • 江森: 欧州が落ちていることの見極めと国内の収益性の改善を今年中にやり、体制を整えてから中期経営計画を立てる。今具体的な数値を出せなくて申し訳ないが、数値はその時になってから出す。

2択を明確には答えていないけれども、後者と受け取っていいのかな。体制が変わるんだから仕方ないわな。

4-2: グローバル面での社外取締役

  • 質問者: 社外取締役のメンバーはいずれもマーケティングやインターネットで業績のある権威である。グローバルに会社を成長させていく面においてアドバイスをもらえる社外取締役はいるか。
  • 江森: 今までは社外取締役が1名 (花堂靖仁) だったが今度は4名 (北村憲雄、嶋口充輝、早川吉春、里見治紀) となり、それぞれに得意分野がありので、企業価値を伸ばしていける。

里見さんが入っているのが個人的には驚き。パチンコ出しちゃうん?

5-1: 社長交代の時期

  • 質問者: 社長のバトンタッチには時間が必要とのことだが、その時間の具体的な長さはどの程度か。
  • 辻: 何年かかるかは分からない。サンリオのビジネスは複雑なので、マクドナルドのように外から社長を連れてきて社長にするというわけにはいかない。投資家は外から社長を連れて来いとよく言うが、サンリオでは外から連れてきてもうまくはいかない。
  • 辻: 明日に僕が亡くなるようなことはなく1年間くらいは大丈夫だろうから、その間に調整をする。本当ならば調整には2年くらいはかかるので、2年くらいの間に。
  • 辻: 今度社外取締役となる北村憲雄はイタリアのトヨタを立て直した有名な人であるが、そういう方達であってもサンリオのビジネスとなると分からない。投資家たちにとっても分からない。

北村さんは顧問を3年もやっているのにそういうものなのか。

5-2: 鳩山さんの管轄

  • 質問者: 海外統括は副社長と鳩山の2名だったのが、今度は鳩山がヨーロッパに集中することになったためリスクがあるのではないか。
  • 辻: 鳩山がヨーロッパだけになったが、鳩山はヨーロッパ以外のことも全部わかっている。ただヨーロッパが急に落ち込んだので、これを元に戻すことに注力してもらっている。他の地域も見ることができる人である。

去年は鳩山さんは映画の担当にもなっていたはずだけれども、今年は誰が映画なんでしょう。

5-3: 北米事業での対策

  • 質問者: 北米事業がヨーロッパのように大きく落ち込むようなことがないようにするためにどのような対策をしているか。
  • 辻: アメリカはウォルマートに加えてCVSファーマシーもライセンシーとなった。CVSファーマシーはウォルマートと変わらないほどの店舗を持っている。CVSファーマシーだけでも数十億円となるので、キャラクターマーチャンダイジングは予測がつかないビジネスである。
  • 辻: そのためキャラクターマーチャンダイジングを抑えて、堅実な方法である物販がメインとなるように調整している。キャラクターマーチャンダイジングはいっぺんに大きな利益が出るが、それが続くかは立証できない。ロシアやアフリカからも要請が来ているが、これらも中止しておきたい。1-2年は待っていてもらう。焦らないで待ってもらいたい。
  • 辻: 質問者はそれよりもサンリオの株を売ることをがんばってください。

ここの返答がまずかった。ライセンスビジネスの予測がつかないことの例として海外ライセンシーを挙げ、そのあとになぜか国内での戦略として物販メインにすると言っている。そしてまた話題を海外に戻しているので、海外も物販をメインにすると受け止められても不思議ではない。また聞かれてもいないロシアやアフリカについての言及も海外ライセンスをやめていく方向に聞こえてしまう。

最後の株の宣伝は相変わらずの辻社長。辻社長の隣にいる秘書と思わしき人も苦笑い。