弁護士業務と忙しい時期 | 弁護士・大村真司の日々雑感

弁護士・大村真司の日々雑感

広島の弁護士・大村真司です。
日々の出来事やニュースなどに関する法律家の視点などを書いています。

法律的な豆知識などは、事務所のホームページ(http://hiroshima-lawyer.com)に書くことにしました。
今後の更新頻度は少なめですがご了承下さい。

さて、新年のご挨拶は、結構読んでもらっているという手前味噌な話で終ってしまいましたが・・・。今日からは、また普段通り、一般の方向けに法律や弁護士の仕事について書いていこうと思います。


新年最初のシリーズは、よく聞かれることにまつわるお話を何回か書こうと思います。といっても、今のところ2,3しかネタが思いついてないのですが・・・。


結構よく聞かれるのが、


忙しい時期ってあるんですか?


という質問ですね。銀行だったら繁忙日(25日とか月末とか切りのいい日)っていうのがありますし、飲食店の方だったら忘年会シーズン、ある程度の規模の企業だったら、期末の時期はたいてい忙しいですよね。



では弁護士はどうかというと・・・私は大体、


決まった日や季節が忙しいってことはないですねえ。


事件がたまたま固まってきたら忙しいです。


と答えています。


また、


忙しい時期はないけど、暇な時期はあります。年度の変わり目と8月です。


とも答えます。


これは、理由は単純で、


裁判所の活動がペースダウンするから


です。新件が入るペースにはあまり違いが見られないんですが、既に裁判所の手続に乗っかっている事件は、裁判所が止まると、その分進行が遅くなるので、こちらの仕事も必然的にゆっくりでよくなります。


年度の変わり目は、皆さん予想がつくと思いますが、

転勤シーズンだからです。

担当する裁判官が入れ替わるので、転勤してきた裁判官は、まず、記録を読んで、係属中の事件の全容を把握しないといけません。転勤していく裁判官もそれは分かっているので、暗黙の了解として、4月の前半には期日を入れたがりませんし、自分がどうせ最後まで担当できない事件をわざわざ引越の準備でバタバタの3月後半に進めようとしません。

そのため、通常なら1ヶ月~1ヶ月半くらいで迎える次回期日が、2ヶ月くらい空いたりします。


8月は、裁判所が

夏季休廷期間


を取るためです。これは、裁判所の各部が、7月下旬から8月にかけての40日間に、3交代制(7月21日~、8月1日~、8月11日~)で、20日間にわたり、法廷を開けない期間を決めているのです。広島の民事部は3つですので、8月1日~20日の期間は、3分の2の民事部は休業状態になります。(なお、裁判官の夏休みが20日あるという意味では必ずしもなく、たいていの裁判官は、この期間に貯まった書面の作成をやって仕事を追いつかせるようです)


なお売上げについては、弁護士になって最初に勤務した事務所のボスは、「弁護士にも二八はあるんやあ」といって、2月8月は売上げが厳しいといってましたが、私はあまり感じませんねえ・・・。まあ、8月は、厳しいと思いますが、単純に、5月、8月、年末年始は働く日数が短いので、どうしても事件の数も少なくなりがちなのでこれは仕方ないかと・・・。とはいえ、たまたまの波の方が日数より大きいなあと言うのが私の実感です。