坂道のアポロン #1話感想 | 下川先生…アニメが見たいです…

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ノイタミナで放送中の小玉ユキさん原作の少女漫画坂道のアポロン」。
舞台は1960年代の長崎のとある田舎町。ジャズを通して2人の少年の友情や恋、音楽をみずみずしく描いている作品です。

原作は4巻まで一度だけ読んだことがあります。
最近のマンガと比べると話が淡々とした感じでしたが、人物が丁寧に描かれてて親近感を覚えました。
「とある田舎町」とは作者の出身地・佐世保。因みに自分も出身地。
時代設定は今より50年ほど前ですが、北高へ続く道は今ある道そっくりで、原作でいう東高の校舎はまんま今の北高の校舎。
読んでて、自分のなじみのある場所が出ると親近感がわきますね。


では一話感想。

#1 モーニン

横須賀から一人長崎の叔父の家へ転校してきた、心を閉ざしがちな秀才・西見薫
しかし慣れない環境と周囲の後期の視線に吐き気を催してしまう。
学級委員の
迎律子に声をかけられいったんはおさまったものの、校舎を案内されている中冷たい視線に再び吐き気が。
あわてて屋上へ行くと、ドアの前には長身の男子生徒が寝ていた。
寝ぼけて腕をつかまれる薫。そして起きた男子生徒に屋上の鍵を盗んだ犯人扱いされてしまう。
そこへ3年生が登場。どうやら鍵を盗んだのはこいつらのよう。
「鍵がほしい」という薫だったがあえなく突き飛ばされる。それを見ていた男子生徒が薫に鍵がほしいのか、と尋ね薫は「欲しい!」と叫ぶ。

 自分より身長の高い男子生徒に「先に掴んできたのはそっちじゃないか!」と怒ったり、3年生に物おじせず「鍵がほしい」と言ったり、単なる気弱そうな優等生じゃないのがうかがえます。

そして3年生に喧嘩をしに行く男子生徒。
結局は負けてしまったようでしたが、鍵は取り返したようです。
しかし、タダではやれない、「十万だ」と言われ薫は肩を落とす。
教室に戻ると、さっきの男子生徒が律子に説教されていた。
その男子生徒こそが、「札付きのワル」でかかわってはいけないと恐れられている
川渕千太郎だった。
目をつけられ、机ごと薫の後ろの席へ移動する千太郎。
再び好奇の視線が集中し吐き気がしてきた薫は一時的に鍵を借りて雨が降る屋上へ。
そこへ千太郎が面白がってついていきます。
むきになって逃げる薫でしたが、怖がらずに濡れてみろ、と傘を千太郎から取り上げられ・・・
当然のことながら、二人ともびしょ濡れに。

 むきになって逃げたり、千太郎に傘の水滴を飛ばしたりするところが結構子供っぽい。
 わざわざついていく千太郎もなんだか子供の喧嘩みたい( ̄▽ ̄)=3


帰ってきた二人を見てあきれる律子。二人の腕をつかんでタオルを借りに保健室へ。
律子を待っている間、千太郎は鉛筆を使ってリズムを刻みだす。
ピアノをやっている薫にはジャズだと分かったよう。自分もピアノをやっていることを告げるが、クラシックだと分かると千太郎は「つまらん」と一蹴。
そこへ体操服をもった律子が。眼鏡をとった薫の顔がきれいだとほめる律子。それを見て「怖がり虫」だとからかう千太郎。
教室へ戻ると、2人して体操服なのでまた周囲から視線が集まるが、今度は不思議と吐き気がしない。

 薫も少しずつ変わってきているようですね。
 ここの保健室のシーン、律子と話してる時に千太郎が椅子をくるくる回して遊んでたり、クラシックを好きじゃない、といった千太郎に薫が反応したりと、後ろのほうなのであえてぼかしているのにわざわざ丁寧に動かしてます。
 うん、細かい。


そして回想シーン。ここで父とピアノのことについて触れてます。

次の日。
千太郎が学校に来ていなくてさびしいと尋ねる律子に、薫はどうしてそんなことをいうのかわからないと返す。
どうやら律子と千太郎は幼馴染で、だから律子は千太郎のことを怖がらないようす。
お互いが名前で呼び合ってる理由がわかった薫に、自分のことを名前で呼んでくれたら薫のことを「薫さん」と呼ぶ、という律子。

 ここで薫が照れたりドキドキしてたりするのがいい意味で少女漫画らしくってかわいい。
 薫、律子に惚れたなー。2828。


そして「りっちゃん」とよび、ここら辺でクラシックレコードの置いてある店はないかと薫は尋ねる。
それを聞いて律子は自分の家へ誘う。実は律子の家はレコード屋さん。
気難しげな律子の父に薫は恐縮してしまったり。
律子は薫がピアノが弾けることを知ると、関係者以外立ち入り禁止の家の地下へと案内する。
そこにはアップライトのピアノとドラムの前に座る千太郎が。
「俺にとって音楽はジャズだけばい」とドラムをたたきだす千太郎。

 なんだこの作画・・・。ドラムをたたく動きが半端ない。ぬるぬるというかリアル。
 トレスかな?とにかく1話の一番の見どころはここだと思います。薫だけじゃなく視聴者も圧倒されるぐらいすごい。


律子は薫にピアノを弾いてほしいというが、千太郎は「ピアノならおれが弾く」とピアノをたどたどしく片手で弾きだす。
見ていられない、と横からピアノをひき出す薫。
それに「全然スイングしちょらん」と千太郎はいちゃもんをつける。
その2人を見て律子はセッションが見たいという。
「無理だ」という千太郎に「練習すれば簡単」という薫。そしてお互いにそっぽを向いてしまう。

 もうこれ完全に仲良しだろ・・・。一見クールに見える薫が千太郎の前では子供っぽくむきになってしまったりと、だいぶ打ち解けてきたようで。

帰り際、また来てほしいという律子に、薫はさっき千太郎が引いた曲のレコードを買ってしまう。
 ここで1話のタイトルの由来が判明。千太郎がピアノで弾いていた曲が「モーニン」だったんですね。

BGMとして流れ出すドラムの音。薫は千太郎のドラムの音が耳について離れない。
しまいには帰り道に歩き方が変だと律子から指摘される始末。
そして「お先に」と2人に声をかけ夕日の坂道を軽やかに下っていく千太郎。



と、今後の展開を暗示するかのような感じで今週は終了。

モブや千太郎、りっちゃんがちゃんと佐世保なまりになってて良かったです。CVも自分のイメージにピッタリでした。
1話だからか、全パート作画がきれいでした。特に演奏シーンの力の入りようはすごい。
これはセッションシーンが期待できそう。


影のつけ方も、普通のはっきりしたアニメ塗りではなくぼかして入れてるところが雰囲気にあってて凝ってるなあと思います。
人物の表情やしぐさなんかも丁寧。

全体的に淡々と話が進んでいきましたが、決して盛り上がらないわけではなくのめりこんでみれました。
淡々としているだけに、音楽が入るとテンションが上がりますね。

最近はやたら萌え系やらラノベが多いので、こういう毛色の違うのは新鮮。
漫画の雰囲気自体も結構独特でしたし、アニメでもその雰囲気が壊されていないようで安心。

渡辺信一郎さんと菅野よう子さんのカウボーイ・ビパップコンビだったので結構期待していましたが、これは裏切られなさそう。

今後にも期待です。


By みきてぃ


♪モーニン/アート・ブレイキー