鎮守上川神社と書かれた大きな社号標が、旭川市の一条通と新成橋通の交差点に建っている。
しかし現在、旭川の市街地から上川神社に向かうには、新成橋通の東側にある大雪通を通るルートが一般的だ。新成橋通を進んだ場合でも、最後は大雪通に出て新神楽橋を渡らなければならない。
この社号標は、かつて新成橋通が上川神社へと向かう参道であったことを示す名残なのだ。現在は歩行者・自転車専用として残されている旧神楽橋だが、平成15年に新神楽橋が完成するまでは、新成橋通から旧神楽橋を通って上川神社へと向かうルートとなっていた。
それまでは、忠別川の右岸側に広大な旧国鉄敷地が広がっていた。これを活用して北彩都あさひかわ計画により、大規模な再開発が行われた。その一環として、神楽橋の架け替えも進められた。
旧神楽橋は2車線の狭い橋だったため、混雑時は渋滞も発生していた。そこで大雪通側に4車線の新神楽橋を建設し、道路も切り替えた。これで渋滞も解消され、スムーズな通行が可能となった。
その一方で新成橋通は参道としての役割を終え、社号標だけが往時を偲ばせる記念碑のようになり、現在に至っている。