2月24日(土)公開の映画『レオン』は、地味でナイスバディな派遣OLと年商500億の女好きワンマン社長の心と身体が入れ替わる痛快スイッチングエンターテインメント。

 

本作で主演を務めるのが知英。女優として、歌手として、世界で幅広く活躍中の彼女が今回、挑んだのは初のコメディ。知英に役作りのことや、憧れの竹中直人との共演について、そして愛猫「レオン」との裏話などを聞いてきた。

 

 

■やりたかったコメディに挑戦「幸せに思っています」

 

ーー映画を拝見したのですが、とても振り切れた役で驚きました。最初に、竹中直人さんと入れ替わる役と聞いた時はどう思われましたか?

 

知英:普段の竹中直人さんがすごく好きで。ずっと彼のお芝居や面白いところも大好きで見ていたんですけど、まさか竹中さんと入れ替わるとは思わなかったし、ずっとやりたいと言っていたコメディをやっとやれたので、幸せに思っています。

 

©清智英・大倉かおり/講談社・2018 映画「レオン」製作委員会

 

ーー外見はそのままで中身がおじさんになってしまう役というのは、役作りが難しかったのでは?

 

知英:実はおじさんになるのは2回目なんです。TVドラマの『民王』で草刈正雄さんと親子役で共演していて、私と中身が入れ替わる役だったんです。だから、そんなにどうすればいいんだろう…という感じはなかったんですけど、今回は草刈さんとはまた違うキャラクターなので。しかも、竹中さんが演じる朝比奈社長はワンマンで女性大好きなエロい社長なので(笑)、そういった今までになかったところは、悩みました。

 

©清智英・大倉かおり/講談社・2018 映画「レオン」製作委員会

 

ーー今回参考にしたおじさん像はあったのでしょうか?

 

知英:それはもう、竹中さんです(笑)。

 

 

ーー(笑)。

 

知英:クランクインの前に本読みをみなさんと一緒にやったんですけど、その時、竹中さんが実際に私のセリフを読んでくれて。監督や竹中さんと一緒に、私が演じる朝比奈を作っていきましたね。

 

 

■おじさん役よりも大変?役作りの意外な苦労とは

 

ーーOLとおじさん、1人2役のようなギャップのある役ですが、作り上げるうえで意識した部分を教えてください。

 

知英:細かいメイクから衣装まで、みなさんと一緒にこだわって作りました。例えば、朝比奈と入れ替わる前の玲音は、自分に自信がなくて地味なOLを演じなければいけなかったので、撮影のときも実際にメイクをあまりしていなくて。あとは、朝比奈と入れ替わってからはきっちりメイクをして、アンダーウェアからすべてキレイな女性になるように意識して、胸もわざと大きくしています。

 

©清智英・大倉かおり/講談社・2018 映画「レオン」製作委員会

 

ーーナイスバディという設定ですからね。

 

知英:撮影の時はミニスカートとかタイトめな服が多くて、体型を維持しないといけないなと思っていたんですけど、衣装がけっこう締め付けが強くて、あまりごはんを食べられなくなったこともありました。

 

 

ーーではクランクアップしてから、一気に開放されて何か食べに行かれたりされたんですか?

 

知英:いや、全然。そのあとも胃の調子が悪くて、治すのに大変だったんですよ(笑)。

 

 

ーー見えないところでそんな苦労があったとは!知英さんはOLの玲音ちゃんとの共通点はありますか?

 

知英:ないですね。まず、私はモジモジするタイプではないので(笑)。玲音は自分を責めたりするんですけど、そういうところはあまり自分にはないです。

 

 

ーーでは、朝比奈社長とはどこか共通点は?

 

知英:朝比奈社長は独特なキャラですよね(笑)。でも、やっぱりサバサバしているのを見ると、どちらかと言うと朝比奈の方が近いかな。近いと言ってもまったく一緒というわけでもないので、今回のこの2つのキャラクターはまったく自分にないところを作り上げたという感じですね。

 

 

ーー朝比奈社長はワンマンでエロおやじですが、どこか人の心を動かすところがある人物だと思います。どこが彼の魅力だと思いますか?

 

知英:自分に自信があって、誰の言うことも聞かずに走ってきたけど、結局それが正しかったなって思います。もちろん入れ替わって周りのみんなから見た自分のこともわかって…など、いろんなことがあったからこそ朝比奈的にわかったこともたくさんあると思うんですけど、その前にやっぱり自分を信じて立ち上げた会社や、今までの努力がなかったら今の朝比奈はなかったと思うので。そうやって走り続けてきたところは朝比奈のステキなところだと思います。

 

 

■憧れの竹中直人との共演に「笑いをこらえるのが大変でした」

 

ーーもともと竹中さんのことが好きで共演したかったとおっしゃっていましたが、実際に共演されてみていかがでしたか?

 

知英:『レオン』のときに初めて共演して、1月まで放送していたTVドラマ『オーファン・ブラック~7つの遺伝子~』でもご一緒させていただいています。『レオン』の本読みのときから優しくしていただいて、撮影のときも2人でどうすればもうちょっと面白く出来るのかな、とか相談しながらやっていました。優しい方で、心もすごく温かいし、とても助けられて撮影できました。あと、笑いをこらえるのがやっぱり大変でした(笑)。

 

©清智英・大倉かおり/講談社・2018 映画「レオン」製作委員会

 

ーー竹中さんはけっこうアドリブが多い方だという話を聞きますが。

 

知英:そうですね。例えば竹中さんの顔が映っていなくてカメラが私の方を向いているシーンで、カメラテストのときも役と全然違う変顔をしたり、声も変えたりして笑わせてくるんですよ(笑)。それに私は負けちゃいけないと思って、「もう絶対笑わない!」と決めてやっていたのに、結局笑っちゃうんです。

 

 

ーーそれは笑っちゃいますね(笑)。

 

知英:でも、それをやるのはテストのときだけ。たぶん緊張をほぐしてくれてるんだと思うんですよね。だから、それも竹中さんの優しさですね(笑)。シリアスなシーンでは絶対やらないんですけど、笑えるシーンのときは必ずそうやってみんなを笑顔にしてくれました。

 

 

ーーお茶目な優しさがある方ですね。また今回は、吉沢亮さんに恋をされる役でもありますね。

 

知英:うーん、役的に愛されてはいましたけど、中身は(朝比奈社長と入れ替わっているので)男として接しているじゃないですか。だから微妙な気持ちでしたよ(笑)。これはラブストーリーって言えないのかな?って。ラブストーリーだし、顔も目の前まで近づけたりしましたけど、でも気持ちが全然ドキドキしてなかったです、自分が男だって思ったら。「俺はこれでいいのか?」ってなんか微妙な気持ちになりました(笑)。

 

 

 

■男性と入れ替わったら「筋トレしたい!」

 

ーーもし自分が今回の玲音のように男性と入れ替わったら何をしたいですか?

 

知英:男性のファッションも楽しいですよね。普段もボーイッシュな服をよく着ているので、買い物がしたいです。あとは、ジムに行ったりして筋トレしたいです、「ウワーッ!!」て言いながら(笑)。男だとそういう声も気にしなくていいじゃないですか。もうムッキムキの筋肉を持った男性と入れ替わって「ウワーッ!」て筋トレしたい。

 

 

ーー男性問わず誰かと入れ替わるとしたら?

 

知英:オードリー・ヘップバーンさんと入れ替わってみたいです。すごく好きなんですよ。あんなキレイな人だったらどんな気持ちなんだろうって思います。

 

 

ーーオードリー・ヘップバーンと入れ替わって街を歩いてみたいとか?

 

知英:タイムマシン的な話にもなっちゃうかもしれないですけど、当時の映画の撮影の仕方どうだったんだろう?とかも気になるし、名作がたくさんあるので、そういうものがどうやって生まれたのか、その時代に戻って見てみたいですね。

 

 

■愛猫「レオン」と映像作品で共演したい

 

ーー作品タイトルが『レオン』ですが、知英さんが飼われている愛猫の名前も「レオン」で運命的なものを感じますね!

 

知英:そうなんですよ!私も運命だと思いました。この映画のお話が来る前から飼っているので、猫の名前を付けたほうが先だったんですけどね(笑)! でもビックリしました。

 

 

 

ーー監督さんに、飼っている猫も「レオン」だというお話はされました?

 

知英:しました。劇中に登場させる?という話も出ていたんですけど……。自分のことに集中するのも大変だから、レオンも出演させるのは結局やめました。ちょっと今更、レオン出せば良かったなと思っています(笑)。映像作品にはまだ一緒に出たことがないので、いつか一緒に出てみたいです。

 

 

ーーでは、最後に今作の見どころをお願いします!

 

知英:コメディということで初めて挑戦した主演の長編映画になりました。自分も原作から読んで、出来上がったものを観て、本当に純粋に面白いなと思いました。ただ面白いんじゃなくて、感動もあり、家族ものだったり、入れ替わったことによりひとりひとり成長していくってことを描いた楽しめる映画になっていると思うので、ぜひ観てほしいです。

 

Photography=Mayuko Yamaguchi
Interview=Ameba

 

 

【作品情報】

 

 

<STORY>

年商 500 億を越える老舗の食品会社朝比奈フーズに務める、地味な派遣 OL・小鳥遊 玲音(28)(たかなし・れおん)とその朝比奈フーズを引っ張る、やり手のワンマン社長・朝比奈玲男(55)(あさひな・れお)。
小鳥遊は、磨けば美人でナイスボディの持ち主なのだが、根っからのネガティブ思考でイケてない存在。一方、代表取締役社長・朝比奈は、誰の意見にも耳を貸さない超ワンマンだが、仕事は一流。
しかし、女子社員へのセクハラまがいは日常茶飯事の根っからの女好き。。。。
ある日、偶然ふたりは同じ車の事故に巻き込まれる。目が覚めると、朝比奈玲男の体にはある異変が・・・・!
なんと、心は朝比奈のままだが、体が小鳥遊玲音になっていたのだ―。
性別も地位も性格も、何もかも反対の二人が入れ替わったからさぁ大変!?