実りの秋の憂いと豊かさを味わう
こんにちは。カウンセリングサービス
のみずがきひろみ
です。
水曜日のキャリアアップのテーマを山田耕治カウンセラー
とともにお届けしています。
今年も残りあと1カ月となりました。1年の終わりが季節の終わりというわけでもなく、ましてや人生におけるライフステージの区切りと重なるわけでもありませんが、私のまわりには一つのステージの終わりを迎えようとしている方が多いように感じられます。それは、これまで頑張ってきたことの成果がまがりなりにも形になり、収穫されようとしている、あるいは、ある成長段階を経たことを認定される「卒業」を迎える季節、ともいえそうです。
自分がこれまで頑張ってきたからこそ来ている新しい「いい流れ」の前で、自分がふと立ち止まり、停滞したような感じを経験することがあります。いいことだとわかっているのに、前進あるのみと思うのに、なぜだか「モヤモヤ」する、なぜか「つまらない」、と感じてしまうと逆にとても不安になるようです。
「いい流れ」と思ってこっちに来たのに、本当にこれでよかったのだろうか?
いいことが起こるのを「受け取って」きたと思っていたけれど、主体性がもっと必要なのだろうか?
「モヤモヤ」や「つまらない」を前に、真面目な方ほど、自分に何かが欠けている、ダメなところがあるのではないかと考えてしまうようです。
もう少し若い頃の私だったら、そんなとき、「それ、いい流れなのだから思いっきり飛び込め!」って、背中をど~んと迷いなく押したのではないかと思います。それくらい「いい感じ」でものごとが展開しているのですから。そして、一番欲しいものが目の前に姿を現したとき、人間は一番ビビる、それくらい「欲しいものを手に入れる」のが怖い、ということを知っているので、「そこで踵を返すな、そのまま突っ切って手に入れて!」と発破をかけたくなるのです。
でも、今は、実りの秋には豊かさの中に「憂い」も含まれるのだから、その「憂い」も十分に味わっておきましょうよ、と思います。
ものごとがうまく展開し始めたときは、「うわぁ、うわぁ、ひょっとして来たぁ?」なんて待望の新しい「いい流れ」に跳ね上がって喜んだ人も、ほどなくすると、「このまま進んでいいのか?」と思わせるような小さな躓きを経験します。それは、転職先の会社のちょっとした悪情報かもしれないし、結婚相手のダメなところが見えたということかもしれないし、新しいプロジェクトが少し先に延びた、なんてことかもしれません。
そんなとき、もう一度、あなたが最初に望んだ自分の姿を思い出してもらいます。なりたいと思った職業、結婚してパートナーと生きている自分、新しいプロジェクトが始動して忙しさにてんてこ舞いしている自分の姿、などなど。
知らない天国より見知った地獄、なんていう言葉もあります。
未知の世界は怖いものです。でも、その怖さを抱えながら、新しい一歩を踏み出す決意をしたからこそ、今、あなたの目の前に新しい世界への扉が開かれたのです。
急いでその扉の向こうに飛び込むのもいいですが、最後にここでちょっと現在の自分を振り返ってみませんか?
この扉を開くために積み重ねたあなたの努力を見守っていた人たちがたくさんいます。
あなたに挑戦したり、あなたを励ましたり、上から引っ張り上げたりしながらあなたの成長を応援してくれた人たちがたくさんいます。
落ち込んだときにいっしょにお茶を飲み、お酒をつきあってくれた人もいます。
本気でぶつかったからこそ、泣きながら言い合った人もいます。
どうしても理解したくなかった人もいます。
あなたの次の人生のステージでは、そばで直接には関われない人たちも少なくないはずです。
その人たち一人一人に感謝の気持ちを抱えて見つめてみてください。
どの人も、あなたがその一歩を踏み出す決意をするのに大切な役割を果たしてくれたのです。
新しい出発の予感は、必ず別れの悲しみを秘めてやってきます。
「もう、こんなところ最低!」と思ったのに、いざ離れようとするとドッと疲れが押し寄せることがあります。それくらい「別れる」こと、「離れる」ことにはエネルギーがいります。
特に、好きだった人、好きだった場所、好きな仲間との別れは、次のステップがどれほどいいものであったとしても名残惜しいものです。最後の最後まで、この「縁」を手放してしまっていいものか、と悩みます。
だから、人生の次のステージがやってくる手前の、このステージにおける「実り」を収穫するときは、実りがあった大きな喜びとともに、寂しさという憂いがセットでやってくるのだと思います。
すると、これまでのクセで、どうしてもこの「憂い」も「解決しなければならない問題」と受けとめてしまうのでしょう。あるいは、この「憂い」を感じたくなくて、先を急いで、次のステージへの「準備」をしなくては、とまたしても自分のスケジュールをパンパンにしてしまいそうです。でも、それでは、本当に「実り」の「豊かさ」を味わうチャンスを失ってしまいそうです。
時代の忙しさがそうさせるのかもしれませんが、一つ達成したら「次」、そのまた「次」と先を急ぐようにゴールばかりを追い求めると、「いいこと」を受け取っているのに、その「豊かさ」を味わえない、ということになりがちです。それは何とももったいないことだと私は思うのです。
「好き」だけど、人生の軌跡が離れるから、「好きなまま」別れる、というのは案外成熟した心が必要なのだと思います。だから、「好き」なのに、「嫌い」になるようなことをしてみて、傷つけあうことで別れようとしてしまうのではないでしょうか。
でも、ここで、勇気をもって、もう一度、現在の自分の手の中の「豊かさ」を味わい尽くしてみませんか?
あふれる悲しみと、それを上回る感謝の気持ちを受けとめられたなら、それこそが新しい一歩を踏み出す力に変わりそうです。
X`masのスペシャルなお知らせです
2010年12月25日 スペシャルワークショップをやります!
熊谷佐知恵&みずがきひろみの
「すれ違う心・つながる心~自分らしく幸せになるために~」
日時:2010年12月25日 13:30~15:00
場所:ゆうぽうと・五反田(東京)
料金:3,150円
人とつながるためには我慢が肝要?
いいえ、そんなことはありません!
つながりたい心を応援したい熊谷佐知恵とみずがきひろみが、「すれ違う心」の罠を解き明かし、自分らしく人とつながる道を探ります。
ぜひ、「自分らしくありたい」心を抱いて、遊びに来てください!
同日、同会場で、引き続き、うえの道子・嶽きよみ、永瀬玲子のワークショップ、そして、打ち上げパーティー(希望者のみ)も予定しています。
みずがきひろみが日頃感じていること、パートナーシップのあれこれ、好きなものについて書いています。