介護特化による実地指導巡回監査論 | 介護経営お助け塾~介護の経営は必ず改善できるんです~

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北海道から全国に飛び回る介護経営コンサルタント小濱道博の公式BLOGです。

介護事業所向けの実地指導対策セミナーはお陰様で全国各地で盛況となっています。今までに、実地指導に関するセミナーは全くといって良いほど開催されたことはなく、介護事業経営者が最も渇望していたテーマであることが伺えます。


実地指導対策セミナーに伴って、以前にこのBLOGでも紹介した「無料相談シート」の回収率が飛躍的に伸びていて、同時に実地指導巡回監査への依頼も増えてきています。しかし、実地指導巡回監査でもすぐには対応できない案件があります。それは、「一週間後に実地指導があるので見てほしい」という内容のご相談です。なぜ、すぐには対応できないのか。それは、「過ぎ去った過去は変えられない」ためです。


私が会計事務所の職員であった頃、ほぼ毎月のように税務調査の立ち会いを行っていました。ここでも同じような事例があります。毎月の定期顧問契約で会計書類を巡回監査させて頂いている顧問先の税務調査の立ち会いは、自分自身の仕事の総仕上げであることから緊張もしますが、安心感もありました。それは、毎月、顧問先に訪問して行う巡回監査の中で、会社の問題点や記帳の誤りは、都度に指導して改善しているからです。この場合、顧問先が独自の判断で脱税まがいの行為を行っているか、自分自身のポカミスが無い限り、大きな問題は起こりえません。


困ったのが、新規や顧問になって間もない顧問先の税務調査でした。この場合、会社の問題点や記帳の誤りは最低限にしか把握しておらず、会計に関する指導はこれからの状態なのです。そして、押し並べて記帳制度は低いことが多い。このようなケースでは、税務調査の立会を行っても、当日に「同席」しているだけで、問題が起きた場合に税法的な見地からのアドバイスと修正申告などの事後処理を行うに過ぎません。そして、「これからは私が指導しますから大丈夫です」と。


巡回監査システムというものは、そもそもTKCの前会長であった故・飯塚毅氏が先頭となって考案したシステムです。高杉良の小説「不撓不屈」に描かれた飯塚事件の折り、無罪を勝ち得たのは、毎月の顧問先監査で自らが記録していた監査調書が、適正指導と脱税非関与の証拠となり決めてであったことから、巡回監査としてシステム化したものです。


会計事務所の巡回監査システムは、実は顧問先のためではなく、会計事務所自体の自己防衛手段であるのです。その意味では、自計化だの来所主義だのと言って経営の合理化と利益追求に走り、巡回監査を否定する最近の会計事務所の風潮には疑問が残るのですが、それはまた別の機会に。


今回の介護事業者に提供する実地指導巡回システムは、介護事業所に会計事務所が定期的にお伺いして、勤務表と人員基準のチェック、各種計画書や契約書関係の記名押印のチェック、事業者や職員からの相談事項をお聞きして持ち帰り、確認後に回答などを行います。これによって実地指導に常に備えることが出来ます。実地指導の通知があってから当日までは、経営者、職員が不眠不休で実地指導に備える業界の悪しき慣行が無くなるのです。

会計事務所も時間の経過と共に、自然のうちに当該介護事業所の事業内容を把握して介護経営に関する指導を行えるように考案されたものです。また、多忙な介護事業者の負担を軽減して、介護職員の不安を解消します。介護事業者と会計事務所双方のリスクマネジメントのためのシステムとなっています。

実地指導巡回システムはすでに起動していて、実績も増えてきています。会計事務所の行う介護特化のためのメインツールの一つとして活用頂ければと思います。



会計事務所向け介護特化セミナーの日程は

 9.14    東京 顧問先拡大のための介護特化導入セミナー
10.13~14 東京 介護事業経営改善指導塾【基礎編】

C-MAS会員限定セミナーの日程は

10.15    東京 C-MASスキルアップセミナー&ミーティング
10.27~28 東京 介護事業経営改善指導塾【実践編】

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