大晦日
今年は、趣味に関しての変化がいくつかありました。昨年の転職という大きな節目からの流れなのでしょう。
釣りにおいては、初夏以降、古典的トップウォーターのスタイルを導入しました。思うように結果が出ない中で晩秋、記憶に残る一尾を釣ることができました。来季につながる魚でもあるので、ホームでは引き続きトップに絞って練習していきます。遠征時には縛りを無くし、オールレンジで楽しめたらと思います。
ただ、肘の状態が悪く(いわゆるテニス肘)、先行きに不安を感じています。必ずしも酷使が原因ではないようなので、皆さま、末永く釣りをするために、体のメンテナンスにはどうか気を配ってください。五十も半ばとなると、なにかしら出てきます。
書き物については、十年惰性でやってきた短歌に本腰を入れました。ゼロからのスタートの気持ちで取り組んでいますが、作歌ばかりに時間を使い、読むことが足りていません。一方、ネット上の歌会に参加することで、自分がずぶの素人であることを確かめることができたのは収穫でした。
勝手に師と仰いでいる江戸雪さんの言葉「誰のせいにもしないしたたかな心をもって人や事物と付き合い、自分にしかできない生き方をする」ことを胸に、こつこつ詠んでいこうと思います。
蛇足ですが、高尚な趣味ですねと言われることがよくあります。全然そんなことはなくて、私にとっては8時間バスを探し求めることと8時間言葉を探し求めることは一緒です。
短歌はとても苦しくて、面白い。シビアな関東圏のバス釣りによく似ています。
少しでも興味があれば、声をかけてください。
今年も当ブログを訪れていただき、ありがとうございました。
皆さま、よいお年をお迎えください。
NFT バスライズ
バスライズといえばシマノのエントリーモデルですね。
今回は、かつてシマノに吸収され今は存在しないNFTというメーカーの【バスライズ】について書きます。
今シーズン、古典的スタイルのトップウォーターフィッシングに取り組んできました。
はじめ、5フィート半のクランク用ブランクスルーを使っていたのですが、いまいちしっくりこなくて。トッパーさん達がシングルのオフセットハンドルを使うのにはちゃんと意味があるんですね。
しかしこの長さだと、なかなか候補が見当たりません。必然的にオールド品から探すことになりますが、名竿と評価の定まったものはタマ数が極めて少なく、出ても一様に高価です。
そんな時に、このバスライズEX 2551と出会いました。グラスの2ピース、グリップは差し込み式の富士で、蛍光リング入りのダブルフットガイドがトップ含めて5個という、実に時代を感じさせる仕様です。NFTにおいてこのロッドがどんな位置づけだったのか、当時いくらで売られていたのか、いっさい分かりません。ガイドのタイプから同時代であろうと思われるスピードスティック1L-26HOBBと比べると、フィニッシュは格段に丁寧です。
アクションはパラボリック寄りのレギュラー。グリップの手前だけハイテーパーがついていて、フライロッドで言うスウェルバットになっています。胴がとても軟らかく、軽く振りかぶっただけでプラグのウエイトが乗るので、肘がだめになった私にはパワー的にも最適です。魚は一尾しか掛けていませんが、キロフィッシュを難なく浮かせることができました。よく設計されたブランクだと感じます。
このロッドがとても気に入りまして、この先ずっと使っていきたいと思っています。コンクエスト100を合わせているのですが、初代バンタム100なんかが似合うんでしょうね、きっと。
短歌
二十五年の歴史に幕を引き、葛城歌壇が終了しました。
奈良の友人の誘いで参加して十年、毎年短歌大会に応募してきました。出詠料1,000円、立派な冊子が届き、入選作でなくても自作を載せてもらえます。落選作であっても一次選考を通過した作品には★印が付くのが面白く、一緒に参加していた仲間と一喜一憂しながら楽しんでいました。
この歌壇のために年二首だけ、しかも自己流で作るというスタンスを貫いてきたのですが、二つの出来事があり、それが今に結びついているような気がしています。
一つは、2018年に佳作入選したこと。
出たいけど出ないと決めた集まりの写真が届くあのひとがいる
もう一つは、なにげなく観ていたNHK短歌で江戸雪さんの存在を知ったことです。江戸さんがあらかじめ作った上の句に、出演者が下の句を考えて当てはめていく、そんなコーナーがありました。
上の句は「葉脈をかみしめて食む桜餅」。出演者はそれぞれ個性的で上手な下の句を発表していきました。そして最後に江戸さんが自作を出してきたのですが、その下の句が「春もあなたにやさしくされて」だったのです。
葉脈をかみしめて食む桜餅春もあなたにやさしくされて
強烈なインパクトでした。葉脈という普段あまり使われることのない具体的な言葉によって、食感と味がありありと甦ります。桜餅につながる初句と二句の流れのなめらかさ、音のうつくしさ。そして下の句での、めまいのするような飛躍。その後江戸さんに傾倒したことはいうまでもありません。
葛城歌壇終了の報せを受けた去年の今頃から、ぽつぽつと歌を作りだしました。そのうちに自己流の限界を感じて、あれほど敬遠していた勉強も始めました。
短歌は季語もなくて自由だ、とよく言われますが、それは誘い込むための常套句です。本当に難しい。でも、苦心惨憺して言葉を選ぶ作業がこの上なく楽しくもあるのです。