書いては消し、
書いては消し、
下書きフォルダにずっと残ったままだったこの記事。
長くなってしまいそうですが、
もし良かったら最後まで読んで下さると嬉しいです。
それではワンマンコンサートの振り返り再スタートです。
前回までの振り返りはこちら*
http://ameblo.jp/odaira-kana/entry-12256765732.html
二部の前半は「ここにいること」という私のデビュー曲で終わりました。
会場満杯の皆さんの顔を見ながら歌っていたら、
色んな感情が込み上げてきました。
「ここにいること」本当に大切な原点の曲です。
そしてここで、ご報告をさせて頂きました。
『大切な報告をする時は、直接顔を見て報告したい』その想いがありました。
あの場所で皆さんが真摯に受け止めてくれたこと忘れません。
本当に本当にありがとう。
そして、改めてこちらでも報告させて下さい*
遡ること約5年前、私の身体に病気が発覚しました。
乳腺腫瘍という病気でした。
まだデビューも決まっていない時の話です。
左胸に異変を感じ病院に行ったところ、お医者さんから「落ち込まないで聞いてね」という静かなトーンで乳腺腫瘍という病気を説明されました。
・もう手遅れな状態まで来ているので、緊急に手術をしなければならないということ
・手術をしたら左の胸はほとんどなくなってしまうこと
・このまま放っておくと、乳がんになってしまう可能性があること
その後急いで地元静岡に帰り、緊急手術をしました。
全身麻酔をし、そこからの記憶はありません。
起きた時鏡を見ると、そこには左の胸がありませんでした。あとから先生に聞いたら、235g、約お茶碗1杯半分の腫瘍だったそうです。
わかってはいたものの、女性にとって大切な部分が無くなることを間のあたりにした時はさすがの私もショックでした。
そんな時、ずっと静岡の病院まで通って精神的に助けてくれた人がいました。
当時お付き合いをさせて頂いていた中学校の同級生です。
東京での仕事が終わると毎日のように静岡に来てくれ、たわいもない会話をしてくれました。
「今日の空はきれいだねぇ」と私が言うと、「うん、そうだねぇ。」と笑うだけのそんな会話です。
無事退院した後もお付き合いは穏やかに続きました。
決して華やかではないけれど、小さな幸せが積み重なって季節が過ぎていきました。
そして数年経ったある日、彼からプロポーズを受けました。
それまで誰にも話していなかった私の家庭環境、コンプレックスになっていた私の身体のことを深く理解してくれ、「世界には色んな家庭があるけれど、僕達は僕達なりの家庭を少しずつ築いていこう」と言ってくれたことを覚えています。
それからほぼ同じタイミングで全国CDデビューの話が決まり、平日は会社、週末はライブという2足のわらじ生活に変わりました。そのため世間でいう新婚生活とは程遠く、ほぼ週7日家にいない私に何も言わず、「お疲れさま」と言って穏やかに笑ってくれるだけでした。
そんな支えもあって、3年前1枚のCDを持って歌っていた頃に比べると、どんどん音楽活動も幅が広がり、それと同時に私の中で音楽に対する気持ちがどんどん大きくなってきました。
『ずっと音楽を発信していける人でありたい。』
『音楽を通じて社会に貢献していきたい。』
というデビューの時とは違う感情も生まれてきました。
その一方、結婚してからずっと子供のことも考えていました。子供を作ったら一度活動をお休みしなくてはいけない。今のこの勢いを止めてしまっていいのかな?見えない先への不安が沢山ありました。
特に音楽の幅が今後ますます広がったら、どんどんプライベートを先延ばしにする自分の性格もよくわかっていました。
でもある時から徐々に考え方が変わっていきました。
それはファンの人の言葉です。
「歌を辞めないで欲しいな」
「小平さんの歌で僕は人生が変わったからずっと生涯聴かせて下さい。」と言って下さる方が増えてきたことです。
その真っすぐな言葉は私の胸を打ちました。
そうか!子供が出来たからといって、音楽が止まるわけじゃない。表舞台に立つことは少しお休みしなければならないけれど、その間にも今後の音楽人生に繋がることが沢山あるのかもしれない。人生の幅が歌にも繋がるんだよね。
そこから色々考え、そして決めました。
ずっと人生を通じて音楽を届けていくためにこそ、今走り回っている体力と気力のあるうちに子供を産んでまたパワーアップして帰ってこようと!
そう決めてから、昨年10月に私のお腹の中に赤ちゃんが来てくれたことがわかりました。
自分で決めたことなのに、最初は母になることへの実感がなく、とてつもない不安に襲われました。
しかし徐々に悪阻の症状が出だし、ご飯を食べることも電車に乗ることさえ出来ない私の中で、めまぐるしいスピードで成長しているこの子を感じ、その中で徐々に母として「命を育てる」という自覚が芽生えてきています。
このお腹にいる命の誕生予定日は6月28日です。
30年間、まだ短い人生ですが振り返ってみると幼少期から挫折の多い人生でした。でもその中でも未来を信じて、必死でもがいてきました。ううん、まだもがいています。
だからこそ今こうして自分の好きなことを通じて皆さんと出逢えたことに本当に感謝しています。
続けてきてよかった、と思っています。
そしてこれからも人生を通して私なりの音楽を作っていこうと思います。欲を言えば、そんな人生経験を通して作った歌が沢山の人に伝わればいいな。
そのためには毎日必死で生なくちゃね。
応援してくれるファンの方には本当に感謝しています。
出逢ってくれてありがとう。
そしてこれからも末永く、
呆れるまでどうぞ宜しくお願い致します。
小平加奈
まだまだワンマンレポートは
続きます!次回をお楽しみに!