6月に入り、オープニングタイトルは桜とまるで血を流したような墨の跡。これに象徴されるように、山本家には信じがたい悲報が届く。武士たる者、息子が亡くなったとて人前で涙を見せることは出来ないが、一人になったときの権八の嘆きようは見ていて辛い。遺髪があり、山川が最期を見届けたと聞いても三郎の死を認めようとしなかった八重だから、ましてや伝聞の覚馬の処刑など信じるはずもない。尚之助は嘘つきとなじられても、八重の気持ちを慮って、何も言わない。

その覚馬、声まですっかり変えてしまった西島には驚く。時栄に持って来させた筆と紙で、見えない目で必死に嘆願書をしたためたのだろう。西郷が覚馬の嘆願書のどこに、あるいは覚馬その人のどこに感じ入って、彼を処刑しないことに決めたのかが詳しく描かれないので残念だ。

江戸城は無血開城に決まるが、薩摩の振り上げた拳の落としどころは…もちろん会津。結局会津は、新政府軍にとっていわば象徴敵のようなものだ。どこかをやっつけたという事実を作らねば、官軍に参加した諸藩の収まりがつかないというわけか。

会津は今頃になってようやく軍制改革に着手し、玄武隊、朱雀隊、青龍隊、白虎隊などが組織される。山本家の角場には山川健次郎が登場。健次郎は八重より9歳年下だが、勝地涼はまだまだ10代の役が出来るなあと感心(実際の勝地は綾瀬はるかより1歳年下なだけ)。

山場の会津戦争まで引っ張るなあ。
八重23歳

(2013.6.2放送)