2009/11/07(土) DRUG ME TO HELL | 白石晃士の映画制作中日記
白石晃士の映画制作中日記-200911081324000.jpg

◆サム・ライミ監督『DRUG ME TO HELL』(邦題:スペル)。
言うことナシの素晴らしきスーパー娯楽映画。極上の一本。今年は『エヴァンゲリヲン:破』『愛のむきだし』に続きコレ、と劇場でもう一度見たいと思わせてくれる映画が多い。

◆府中のトーホーシネマで、公開初日の『DRUG ME TO HELL』をレイトにて鑑賞。それにしても邦題のセンスが信じがたい。
映画は最高、極上。音で驚かす映画はあまり好きじゃないのだが、これはバンバン音で驚かせるのに全く嫌じゃなかった。前後の演出が細やかだからなのか、純粋に観客を楽しませたいという思いから付けた音だからか、「とりあえずデカイ音でビビらせとけ」な音とは一線を画するものだった。その差は何なのか、DVDが出たら検証したい。
凝ったディテールを惜しみなく詰め込んだ見せ場の連続。『死霊のはらわたⅡ』を彷彿とさせる素晴らしきやりすぎ描写の数々、編集のキレ、ストーリーのテンポの良さ。全てが最後まで淀みなく明快な緩急をつけて進み、ラストにビシッとキメる。
サム・ライミのこういう新作が見たかった。素晴らしい映画だ。爽快な娯楽映画魂の塊。その精神に深く胸打たれた。
雨の中の墓のシーンは、その描写からも仕掛けからも『リング』の影響と思われる。