NEPA did again ! | うちの父ちゃんはアフリカン

NEPA did again !

 昨夜のことですが、夕飯のスパゲティーを作っていたら、突然家中の電気が切れました。


地域の停電情報は入ってきていないし、別に雷も鳴っていない。外をうかがえば、近隣の家にはあかあかと灯りがともっています。
こりゃまたブレーカーが飛んだのだな、ということで夫に見にいかせたのですが、いつまでたっても電気がつく気配がありません。不安になって三男を抱っこしたまま夫の様子を見に行くと、どうもスイッチを入れても入れても落ちてしまうという。


 真っ暗な家の中で、三人の息子たちは次第に落ち着きを失い始め、こわいよー、こわいよーと啜り泣きを始める始末。私は私で、
(このまま電気がつかなかったら、まさか今夜はストーブなしで寝るってこと?あっ、買ったばかりのイクラとカラスミだって腐っちゃうかも…)
と実に身勝手な不安に苛まれ、少しずつ心の平静を失っていく――


 そんな中、戦中派のじいちゃんとナイジェリア人の夫だけ妙に落ち着き払っていたのが、なんとも印象的でした。


 そういえば以前ナイジェリアに帰国した際、飛行中の飛行機の中で突然電気が消えたことがありました。その瞬間、
NEPA did again !(※1)」
という叫びが上がり、ついで乗客全員大爆笑。

ナイジェリアって陽気な国だなぁ、と思わされた瞬間でした。



 話がそれましたが、当家の停電騒ぎ。
電力会社の緊急サービス窓口に電話して指示をあおいだところ、なんとか解決にこぎつけました。


原因は台所におけるちょっとした漏電。
電源プラグをすべて抜き、一つ一つ差し込みながらチェックしていったところ、悪さをしていたのは小さなフードプロセッサーであったことが判明しました。コンロのそばに置いていたため、コードの一部が熱で溶けて銅線が露出し、そこから電気が漏れていたのです。


つまり、使用後のフードプロセッサーをプラグも抜かずにコンロの横に放置する、というわたくしの愚行が原因だったわけで、


「こんな時間に停電なんて!」


…と一人ブリブリと腹を立てていた身としては、大変肩身の狭い結果となりました。とほほ。


回復までに要した1時間の間に、せっかくのスパゲティはブヨブヨにのびておりましたとさ。


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※NEPA(National Electric Power Authority):


ナイジェリアの東京電力みたいな組織。
立派なホームページまでありますが(http://www.nepanigeria.org/ )、一度停電すると1週間くらいはそのまま電気が来なかったりします。


国民は不満タラタラですが、文句を言っても腹は膨れないということで、各自自家用の発電機などを備えて停電に備えています。


「NEPA did again !」は、和訳すると「ネパがまたやりやがった!」とでもいう感じ。

停電時に叫ばれるセリフとしては、
「Welcome to Nigeria!」
というのも割と一般的で、それだけ頻繁に電気が消える国でした。


今はどうなのかなぁ。