おっちゃんとおばちゃんの家造り体験記 < 苦闘の足跡 >
Amebaでブログを始めよう!
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

二つのできごと (4)



クローバー  初めて、このブログに来られた方へ クローバー

 



     このブログは、過去の出来事 を順に追っています。

     現在、更新中の話は、2004年 のできごとです。

      本テーマは、連続した物語であり、このブログの

      [ ご挨拶 ] [ さりげなく ] が、そのテーマの始まりです。

      そこから読み始めて頂きますと、内容がよくご理解

     頂けるものと思います。


      なお、初回からプロローグ第二章の終わり[ 抽選の結果 ]

     までは、本テーマに入るまでの一連の流れを綴っています。

     これも読んで頂けましたら、筆者としては嬉しい限りです。







    霧 今日のブログ ( 2004年9月のできごと ) 霧




     [ ○村さんへの電話 ] から間もない頃、もう一つの

     [ ちょっとしたできごと ] があった。



     おばちゃんは、自宅から車で1時間ほどの田舎町にある、

     [ ~ 音楽院 ] というところで週に一度、仕事をしている。

     そこは、子供や大人の為のピアノや声楽、ヴァイオリンなどの

     レッスンを行なっている音楽教室で、ここでおばちゃんは 毎週

     日曜日に仕事をさせてもらっているが、仕事の終了はいつも

     夜の7時か8時頃なので、家に帰るのが8時か9時頃になる。

     しかし大抵は、途中で買い物などをするので、実際の帰宅は

     夜9時過ぎ、あるいは10時になることもある。



     2004年 9月初めの日曜日 ( 契約日の少し前 ) ・・・

     この日は、いつもの仕事を終えてから、お茶休憩をして

     喋り込んでしまった為に、すっかり遅くなってしまった。


     夜10時半頃・・・

     車が家に近づき、踏み切りを渡った時、ショップの灯りと、

     それに照らされた人影が目に入った。

     誰かが、ショップ前の路上に座っているようだ。


     車がそこに近づいて行くと、人影が動いた。

     ショップ前の鉄板の上に、おっちゃんと○田君が座っていた

     ようである。 ( 鉄板は、ショップ前の道路と、それより高い

     ショップの床面を繋ぐように敷いてあり、緩いスロープに

     なっている )


     どうして、ショップの中でなく、外に座っていたのかなと思った

     が、仕事の後で疲れていたので、おっちゃんや○田君とは、

     少しの言葉を交わした後、おばちゃんは ショップから住まい

     の方へ入っていった。


     ○田君の相手は、いつもおっちゃんがしている。

     それも深夜まで。

     だからこの時のように、外から帰って来た時に ○田君がいて

     も同じように、おばちゃんが話し相手をする必要はない。


     今までに何度も書いたことであるが、○田君が会社の帰りに

     寄る時には、おばちゃんはいつも夕飯を提供している。

     食事なしで、深夜まで過ごすのは辛いだろうと思い、そうして

     いたことは、今更言うまでもない。 

     メインの目的が 家造りの相談だから、なおさら気を遣っていた。

     その食事をしたり、おしゃべりをしたりして、○田君は夜遅く

     まで、おっちゃんを相手に、ショップで遊んでいた。



     しかし、9月初めのこの日は日曜日で、それも夜の10時半を

     過ぎていた。 自宅で、夕飯や入浴を済ませているらしい。

      ( ○田君は、日曜日の昼間に何度も来たりしているが、

       そんな時は、いつも夕方になると、家族から呼び出しの

       電話がかかり、それを合図に 急いで帰って行った。

       日曜日には、家族と一緒に風呂に入り、夕食を共にする

       らしい。 当たり前のことではあるが。 )


     だからこの時、○田君は、家族と一緒に 夕飯や入浴を済ま

     せた後に、一人でショップに遊びに来たという事になる。

   

     「 おっちゃんやおばちゃんは、家族同然・・・ 」

     ○田君はきっと、そのように思っているのだろう。

     家族と他人との区別がつかないほど、親しみを感じていると

     解すればいいのか・・・


     それにしても、○田君には小さい子供が二人いる。

     その子供達を家に残して・・・


     これも以前に繰り返し、書いたことであるが、○田君は毎晩、

     深夜までショップにいたり、日曜日に何度も来たりするのは、

      「 家に帰ったら、子供の世話を頼まれるから・・・  

      休みの日にも、何か理由を作って外出するようにしている・・」

     などと言っていた。

     そのような話は、おっちゃんが何度も聞いている。


     「 よほど、子供の世話をしたくないのかな・・・ 」

     おっちゃんとおばちゃんは、そんな風に話し合っていた。



     そして、この 日曜日の夜・・・

     おばちゃんは仕事の後で疲れていたし、時刻はもう、夜の

     10時半を過ぎていた。

     おっちゃんの食事や、家族達 ( 犬と猫 ) の世話を済ませて

     早く休みたいと思っていた。

     おばちゃんが疲れているのを知っているから、今日は ○田君

     も早く帰るだろう・・

     ○田君が帰ったら、おっちゃんの夕食タイム・・

     この日は、おっちゃんの分しか夕食の用意をしていなかったし、

     それに、○田君の前におっちゃんの夕食を出すのも、どうかと

     思う・・・

     そう思って、そのまま待っていた。


     しかし○田君は、この日も夜遅くまでショップにいた。

     12時近くになったので、おばちゃんは、それ以上は待てなく

     なって (おっちゃんは辛抱強かったが) ○田君のいるショップに

     おっちゃんの夕食を運んでいった。 

     深夜の食事である。

      ( ○田君に 「一緒に食べて」 と言って、おっちゃんに買って

       きた巻きずしを出した記憶がある。 この時、おばちゃんも

       まだ、食事を済ませていなかった・・ )


     それから暫くして、○田君が帰ったようである。




     話は、これで終わりである。

     この記事の初めに書いた [ ちょっとしたできごと ] というのは

     この話である。


     皆さんは、不思議に思われたかも知れない。

       これは、[ ちょっとしたできごと ] どころか、[ 何もない ] の

       ではないか・・・

       それとも、○田君が日曜日の夜に来た事が、ちょっとした

       できごと ?

       深夜に おっちゃんの食事を出したことが、ちょっとした

       できごと ?


     ここに書いた、[ ちょっとしたできごと ] とは [ 何もない ] こと

     だと、おばちゃんは思っている。

     しかし [ 何もないこと ] が [ ちょっとしたできごと ] なのである。

      「 おっちゃんとおばちゃんの家造り体験記 ] においては、この

     時のできごとは [ 何もないこと ] ではなく、[ちょっとした出来事]

     なのである。


     皆さんはまた、疑問に思われるだろう。

     何故、これが、[ ちょっとしたできごと ] なのか ?

     これが [ ちょっとしたできごと ] だと、どうしてわかるのか ?


     それは、この日を境に、変化した○田君の態度である。

     おばちゃんへの接し方、言葉が変わるのである。


   


     これまでに書いた二つの出来事。 すなわち、

       [ ○村さんへの電話 ] と [ 何もなかったできごと ]。

      ( [ ブログ: 二つのできごと(1) ] から [ ブログ: 二つのできごと(4)]まで )


     この二つの出来事の後、おばちゃんに対する○田君の態度が

     変わってしまう・・・

     おばちゃんはそれを、このすぐ後の契約の日に微妙に感じ、

     そして、その後の進行と共に、それは少しずつ、そして一層

     確かなものになっていった・・・



     6月5日の記事、 [ ブログ : 今、思うこと ] の最後に書いた

     [ 二つの出来事 ] とは、この事である。


     この [ ブログ: 今、思うこと ] に書いたように、2004年9月初め

     に起こった二つの出来事が、 [ おっちゃんとおばちゃんの家造り ]

     の流れを変えた・・・

     おばちゃんは、そう思っている。



     おっちゃんは 「 初めから、そうやったんやろ。」 と言うけれど。


     あるいは、両方とも正しい意見かもしれない。。。

     


    



         ブログランキング・にほんブログ村へ     


     

        応援のクリックを よろしくお願い致します   


        このブログは、民事裁判の現状をお伝えするブログです。

        できる限り、多くの方々に読んで頂きたいと考えています。


     





           雪の結晶雪の結晶   皆様へ   雪の結晶雪の結晶

   



        皆様には、いつもお越し頂き、ありがとうございます。

        更新に手間取り、いつもお待たせしておりますが、

        どうかよろしく お願い申し上げます。


                                  おばちゃん ラブラブ




          

     

     

     

二つのできごと (3)


クローバー  初めて、このブログに来られた方へ クローバー

 



     このブログは、過去の出来事 を順に追っています。

     現在、更新中の話は、2004年 のできごとです。

      本テーマは、連続した物語であり、このブログの

      [ ご挨拶 ] [ さりげなく ] が、そのテーマの始まりです。

      そこから読み始めて頂きますと、内容がよくご理解

     頂けるものと思います。


      なお、初回からプロローグ第二章の終わり[ 抽選の結果 ]

     までは、本テーマに入るまでの一連の流れを綴っています。

     これも読んで頂けましたら、筆者としては嬉しい限りです。







  雨  今日のブログ ( 2004年9月のできごと )  雨




     ○田君が怒っている ?


     その話を おっちゃんから聞かされた時、おばちゃんには

     何がなんだか、さっぱり分からなかった。


     怒りの理由を ○田君から直接聞きたいし、反論もしたいと

     思ったが、その時はもう、○田君は家に帰っており、その話

     もできなかった。


     おっちゃんは、今後の工事のことを考えて反論しなかった

     ようだし、おばちゃんにも 「何も言わない方がいい」 と言う。


     ということは、このまま ○田君に説教されたままで終わる ・・

     それは、[ おばちゃんが○村さんに電話をしたことは間違って

     いた] と認めること ?



     どう考えても納得がいかなかった。

     次のような事をおっちゃんに言ってみた。


       ○田君が怒っているという理由が全く分からない。

       ○村さんに電話をかけたことが、間違っているとは思わない。

       言い争いにならなかった事はよかったのかもしれないが、

       ○田君に一方的に説教されたまま、終わることには納得が

       いかない。

       このままで済ますと、今後、○村さんへの連絡もできず、

       返って困るのではないか・・。

       ○田君と一度、このことで話をしたい。





     そして後日、○田君が来た時・・・

     おばちゃんは話をしようと、ショップに出て行った。



       おばちゃん

         「 この前、ものすごく怒っていたって聞いたんやけど、

           D社の電話番号を聞きたいと思って、○村さんに

           電話をしただけやけどね・・・ 」

       ○田

         「 そやから、前からずっと、言うてたやんか。

           家の事は全部、僕に言うて欲しいって・・・ 」

       おばちゃん

         「 そんな事、聞いてたかな ? 」

       おっちゃん

         「 さあ・・・   覚えてないな・・ 」  

       ○田

         「 いつも言うてたやんか、

           家の事は何でも僕がするって・・・ 

           今までも全部、僕がやって来たやんか 」

       おばちゃん

         「 それはよくわかってるけど・・ 」

       ○田

         「 それがわかってるんやったら、今度の事も

           僕に言うて欲しかったよ。 

           ここに来た時でもええし、電話でもええから・・

           いつでも言うてくれたらええんや  」

       おばちゃん

         「 でも、○田君は電話に出る事がないでしょ。

           最近は、そんなに来るわけでもないし・・・

           何でもまず、○田君に言うんやったら、○村さんに

           何か連絡したいと思う時も、○田君がここに来るまで

           待っているという事 ?  

           家財道具を預かってもらう、ていう話もあるでしょ 」

       ○田

         「 そんな事は、直接連絡してもええやんか。」  

       おばちゃん

         「 この事は直接、連絡をしてもいいけど、こっちは駄目、

           なんていう事は、私には分からないでしょ 」

       ○田

         「 これからもいつも来るやんか。

           そやから何でも、僕に言うてくれたらええねん。

           今度みたいに、僕の知らんところで何かされたら、

           寂しゅうて しゃあないわ。

           今までも、ずっと一緒にやって来たやんか。 

           そやからこれからも、何でも僕に言うて欲しいし、

           もっと僕を頼って欲しいねん 」

       おばちゃん

         「 ○田君に頼るの ?

           ○田君はすごく若いから、頼るという気持ちは

           私にはないわ。

           それに○田君は、今までもよくやってくれてるから

           それ以上に頼らないで、できることは自分でする

           べきだと思ってるわ 」

       ○田

         「 そんなに遠慮せんと、何でも僕に言うてくれたら

           ええねん。

           年下やとか、そんな事は関係ないから、何でも

           言うてくれたらええんや 。 」

       おばちゃん

         「 私は普段から、できる事は何でも自分でやるように

           してるから、今度もそうしただけ。

           ○村さんへの電話も、私にはすごく普通の事なん

           やけど・・・ 」

       ○田

         「 そんな風に気を遣わんで、何でも僕に言うて欲しい

           んや。  おばちゃんが言う事は、何でも僕がええ

          ようにするから・・・          

           それも [ これをして下さい ] みたいに、丁寧に言わ

           んでもええからな。

           [ ○田君、これやって・・ ] いうように、気楽に言うて

           くれたらええんやで。

           そやから、何でも僕に言うて欲しいんや。

           これからも家のことは全部、僕を通して欲しい。

           今までも、そう言うてたやろ。

           もっと、僕を頼りにして欲しい。 」



      

      ○田君の怒りとやらは、どこかに消えていた。

      それどころか、彼はずっと、にこにこしていた。


      親密さを前面に押し出しながら、 「 ぼくに頼って 」 と言う

      ○田君は、頼もしい青年であった。

      足を組み、椅子に深く腰掛けながら見せる笑顔にも、

      たっぷりの自信を覗かせる。


        「 何でも言うて・・・   ええように僕がやったる ・・・ 

          僕を頼りにして・・・ 」



       " 才能の人 "  ○田君である。


  



      これが 「 おっちゃんとおばちゃんの家造り体験記 」 の

      中で、もっとも強く、深く、記憶に刻まれる場面となった。


      

      

  





         ブログランキング・にほんブログ村へ     



     

        応援のクリックを よろしくお願い致します   


        このブログは、民事裁判の現状をお伝えするブログです。

        できる限り、多くの方々に読んで頂きたいと考えています。


     





           もみじ    皆様へ     もみじ

   



        暫くの間 更新が途絶えており、大変、申し訳ありません

        でした。

        皆様には、これからもよろしくお願い申し上げます。


                                  おばちゃん ラブラブ




          

          

        



  

二つのできごと (2)

クローバー  初めて、このブログに来られた方へ クローバー

 



     このブログは、過去の出来事 を順に追っています。

     現在、更新中の話は、2004年 のできごとです。

      本テーマは、連続した物語であり、このブログの

      [ ご挨拶 ] [ さりげなく ] が、そのテーマの始まりです。

      そこから読み始めて頂きますと、内容がよくご理解

     頂けるものと思います。


      なお、初回からプロローグ第二章の終わり[ 抽選の結果 ]

     までは、本テーマに入るまでの一連の流れを綴っています。

     これも読んで頂けましたら、筆者としては嬉しい限りです。






  もみじ 今日のブログ ( 2004年9月のできごと ) もみじ




      何か、すごく変・・・

      ○田君のあの顔は、一体何 ?

      おばちゃんは、訳が分からず、台所に引っ込んだ後も、

      ずっとその事を考えていた。


      ○田君のこめかみが、ひくひくしているように見えたけど・・

      それとも、怒っていると思ったのは、おばちゃんの気のせい ?

      D社の電話番号を尋ねようとして、○村さんに電話をかけた

      ことが、[ 悪いこと ] のはずがないから。

      そんな事で怒る理由は、何もないはずだから。


      そう思うように努め、おばちゃんは夕飯の支度をした。

      いつものように、おっちゃんと○田君の食事である。



      今日のビールのつまみは、枝豆。

      ところがおばちゃんは、それを鍋で茹でている間、塩を切らして

      いる事に気がついた。

      塩を買いに行こうと思ったが、あいにく、ここは田舎である。

      この時刻には、近くの店は閉まっている。

      仕方なくおばちゃんは、茹で上がった枝豆に醤油をかける事に

      した。 ( すごく変だけど・・ )


      その "変な枝豆 " を器に盛り、ビールと一緒にお盆に載せて

      事務室に持って行こうとした時、ちょうどおっちゃんが、台所の

      ドアを開けて、トイレに出て行った。 ( 台所が通り道 )

      おっちゃんが、トイレから戻ってくるのを待って、おばちゃんは

      声をかけた。

      


        おばちゃん

          「 これを運んでくれる ?

            今日は、枝豆にしたんやけど、それがね・・・

            塩がないねん。

            そやから、醤油をかけたんやけど・・

            すごく変やけど・・・ 」

        おっちゃん

          「 今日は、夕飯は要らんで・・ 」

        おばちゃん

          「 なんで ?    いつも出してるのに・・ 」

        おっちゃん

          「 今日は店に来ん方がええで。 」

        おばちゃん

          「 なんで ? ?    どうしたの ? 」    

        おっちゃん

          「 ○田君が、えらい、怒ってるで。 」


      隣室にいる○田君に聞こえないように、おっちゃんが

      小声で話す・・・



        おばちゃん

          「 ○田君は、何を怒っているの ? 」

        おっちゃん

          「 また、後で言うわ。

            これだけは持って行くけど、今日は店に

            来ん方がええからな。 」

        おばちゃん

          「 何やの、それ ?? 」



      店に来ない方がいいと言われて、すごく気分が悪い。

      しかしその前に、どうして店に来ない方がいいのか、

      わからない。

      よほど、○田君が怒っているという事 ?

      一体、何だろう ?

    

      いつもは薄い壁を通して、ショップ奥の事務室から

      話し声が聞こえたり、楽しそうな雰囲気が伝わってくる

      のに、今日は何も聞こえてこない。

      家全体が静まり返っている・・・


      おっちゃんは 「 店には来ん方がええ 」 と言ったが、

      おばちゃんは 訳が分からず、落ち着かなかった。

      暫く考えた末に、事務室に行ってみることにした。

       ( おっちゃんは怒るかな・・ )

      ビールと枝豆を下げるという、口実を考えて。


      事務室に入って行くと・・・

      おっちゃんと○田君が、黙って椅子に座っている。

      おばちゃんが部屋に入って行ったから、おしゃべりを

      止めたのかな・・

      二人とも黙ったままである。

      何も分からないまま おばちゃんは、ビールの空き缶と

      空の枝豆の皿を手に取った。

      事務室の空気は凍っていた・・・


      この後も、家の中は静まり返っていたが、しかしそれでも

      ○田君の帰った様子はない。

      ○田君は怒っているらしいが、それでも○田君は、夜遅く

      まで、ショップの事務室にいる。

      いつもと同じである。




      そして深夜・・・

      静まり返った住宅街に、シャッターの音が響く。

      ○田君が帰るようだ。


      ○田君の帰った後、おばちゃんは早速、おっちゃんに

      聞いてみた。



        おばちゃん

          「 一体、何やの ? 」

        おっちゃん

          「 何や、ようわかれへん。

            ○田君は、えらい怒ってるみたいやな 」

        おばちゃん

          「 何を怒ってるの ? 」

        おっちゃん

          「 ○村さんに、勝手に電話したって、言うてたわ。」

        おばちゃん

          「 勝手に電話した ?

            何、それ ? 」

        おっちゃん

          「 わからん。   けど、そう言うとったで。 」

        おばちゃん

          「 D社の電話番号を尋ねるのに、○村さんに

            電話をかけたことが勝手 ?

            それって、何 ? 」

        おっちゃん

          「 [ ここまでやって来れたんは、僕がいたからやで。

           僕が何もかも して来たから、ここまで来れたのに、

           こんな勝手なことをされたら、どうしようもないわ。 

           おばちゃんは僕のして来たことをわかってるんか? ]

           とか言うとったな・・ 」

        おばちゃん

          「 [ 僕が何もかも、して来た ] ことと、○村さんに

           電話をかけたことと、どういう関係があるの ? 」

        おっちゃん

          「 そんなん、わしにもわからんわ。

            あいつは、そう言っとったけどな。

            ○村さんに電話した事を黙ってたとか言うとったわ 」

        おばちゃん

          「 ○村さんに電話をかけるのに、一々、○田君の

            許可を取らないとあかんの ?

            [ ○村さんに電話をしてもいいですか ] って ?

            もしこれが、○田君に内緒で○村さんと何かを決めた、   

            とかだったら、 [勝手] がわからないでもないけど・・

            でも、D社の電話番号を聞こうと思って、○村さんに

            かけた電話が [ 勝手 ] というのは・・・

            こんな話って、世の中にある ? 」

        おっちゃん

          「 そんな話は、どこにもないやろ 」

        おばちゃん

          「 これから工事に入るのに、どうしたらいいの ?

            電話の許可って、どうするの ?

            最近は、○田君も時々来ないし・・・

            電話で話そうと思う事があっても、○田君って、

            電話に出る事がないでしょ。

            留守電に [ 返事を下さい ] って入れても、返事が

            返ってきたことは一度もないし・・・

            その留守電の後で、このショップに来た時も、それに

            ついて、何かを言うこともない。

            [ 昼に電話をもらったようやけど、何の用事やった? ]

            なんて、聞かれたこともない。  ただの一度も。

            こちらが [ 留守電に入れといたけど・・] と言えば

            [ 知ってるよ・・] だけ。

            だから留守電に入れても、電話代が勿体無いだけ。

            今回の事も、ほんとうは○田君に聞きたかったけど、

            いつもそんな風だから、○田君にはせずに、○村さん

            に電話をしたんやよ・・ 」

         おっちゃん

          「 そう言えば、○田君はいつも留守電にしてるみたいや。

            電話がかかったら、番号をすぐに見て、出るかどうか

            を決めてるみたいやで。

            そんなんを、もう、何度も見てるで・・ 」

        おばちゃん

          「 今日は、事務室が静かやったけど、その話ばっかり、

            してたん ? 」  

        おっちゃん

          「 そんなにずっとは、しゃべってないで。

            今日は黙ってる事が多かったからな。 」

        おばちゃん

          「 私のかけた電話の事で、おっちゃんは説教されたん?」

        おっちゃん

          「 そやな・・・ 」

        おばちゃん

          「 それで、何て言うたん ? 」

        おっちゃん

          「 何も言えへん。

            あんまり、ちゃんとは聞いてないから・・ 」

        おばちゃん

          「 もし、私がその話を聞いていたら、はっきり言ってたと

            思うけど・・

            [ 電話のどこがあかんの ? ] って。 」

        おっちゃん

          「 それは、せん方がええと違うか・・ 」

        おばちゃん

          「 まずいかな ? 」

        おっちゃん

          「 せん方がええやろな・・ 」

        おばちゃん

          「 でも、黙っていたら、こっちの非を認めることに

            なれへん ? 」

        おっちゃん

          「 はっきり言うのは、避けた方がええんと違うかな・・ 」

        おばちゃん

          「 おっちゃんは、そう思うんやね ?

            だから、[ 事務室には来ん方がええ ] って、言うた

            んやね。

            家を造る為には、こういう事にも辛抱した方がええと

            思ってるんやね。

        おっちゃん

          「 そうやな。 」

        おばちゃん

          「 確かに、今日はおっちゃんが相手をしたから、言い争い

            にならずに済んだと思うけど・・・

            これからの工事があるから、喧嘩はしない方がいいと

            私も思うけど・・

            でもそもそも電話の何が悪いのか私には分かれへん。

            おっちゃんにはわかる ? 」

        おっちゃん

          「 わかれへん・・・

            おばちゃんは、何も悪い事はしてないやろ。 」





      おっちゃんも、○田君の怒りが よく理解できないようである。

      その上で、○田君には逆らわずに 穏便に済ませようとした

      ようだった。 

      3時間・・・  4時間・・・

      ○田君の怒りの言葉を 我慢しながら聞いていたのか・・

      あるいは気持ちの中で、無視を決め込んでいたか・・

      それも、家造りの為。。。

                                    ( 続く )

  



 




           

         ブログランキング・にほんブログ村へ     


     

        応援のクリックを よろしくお願い致します   


        このブログは、民事裁判の現状をお伝えするブログです。

        できる限り、多くの方々に読んで頂きたいと考えています。


     



    

 

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>