心理カウンセラー、メンタルコーチの山口むつみです。


約1年に渡って、離婚に向けてサポートした奥様から「無事に離婚届を貰えたので証人になって下さい」とのご連絡が。


家事や育児は全くしないご主人、そして20年余りモラハラを受け続けた奥様は、心的ストレスが体に症状として現れてきた事を機に、随分前から離婚したいとご主人に伝えては喧嘩になり、論点がズレ、話は前に進まず5年が経過していました。



離婚は、片方が同意出来てない事が、一番難しく時間がかかる事になってしまいます。

そこでほとんどの人が、すぐに弁護士に相談してしまうのですが…法的な形だけの進めだと、憎しみばかりが前に出て、お互いの心は敵対したまま…救える所すら救えず、最善の結論を獲得できないと考えます。



そこで大切な事は、お互いの感情のケアが必要で、いがみあったままの荒んだ心で別れを選ぶのではなく、幸せだった時のお互いの感謝やお詫びの気持ち、そういう思いを改めて見直したりすることで、その後、お子さんが父親母親との関わり方に一番の影響を与えることになります。


むしろ、大切なのは、離婚後の親子関係の尊重の仕方で、子供の人生が左右される事。

離婚の弊害は、親権を取った方がいがみあった相手に子供を合わせないように圧力をかけていたりなど、子供にとってはどちらも大好きな親なのに、気を使って会えなくなってしまったりする事が多々あります。



離婚を円満な形で…という事は、難しいかと思われがちですが、私はカウンセラーとして、まずは相手の基本心理を判定し、どのようにアプローチして行くことが相手にとって受容しやすい方法かを調べます。


感情表現が苦手な人ほど、相手に寄り添う感覚も少ないので、自分目線の言い分を主張してくるので、議論が受け入れられにくくなっていき、結果、口論になり、話し合いが前に進まないのです。


今回のご主人様は、どうやらこのタイプでしたので、奥様には「交渉のすべてを、手紙に書いてお伝えして下さい」と、ご提案しました。

そうする事で、伝えたい事は伝えきれます。

途中で遮られません。

これにより、奥様の伝えたい内容が文章にする事によって、初めて伝達ができました。


そして、相手からも文書で返事が届くようになります。

言い訳から始まるあたりが、相変わらず「自分目線」のご主人。 

でしたが、反省や謝罪も書かれていました。

日々、話し合いは売り言葉に買い言葉で、決して出なかった言葉でした。


当初からのやりとりは何度か、「俺変わるから」と、チャンスを乞う数年間であったものの、ご主人は変わらず…

奥様の苦しみがピークになり、ここに至ったわけですが、ご主人は再度手紙に「もう一度だけチャンスをくれ」と書いてきました。


奥様としては、もう何度チャンスを与えてきたことか

もう、限界でした。

頑く、その要望を拒否し続ける 

このやりとりを数回、文章でなされた後に

ようやくご主人が、離婚を受け入れる文章が届きました。


そして、養育費や学費についても、責任をしっかり担う具体的な内容も書かれていました。


奥様へのアドバイスとしては、手紙では感情的にはならず、冷静に冷静を重ね、文句や攻撃的な言葉は一切書かず、相手への感謝を伝えることを忘れないようにして貰いました。

作った言葉ではなく、感謝の部分は彼女が本当に思っている部分です。



文章でやりとりする事で、言った言わないの無駄な指摘がなくなり、これらがそのまま議事録にもなりました。

返事を書く時は、何度もこれまでの内容を読み返す事が出来るし、彼女が文章を書く時は、私に言葉遣いなどがキツくないか など、確認するほどでした。


これまでの夫婦生活からは、ご主人に対して辛く苦しい思い出ばかりだった奥様なのに、明るい未来、幸せになろうとする自分の人生を掴めると、目標がしっかり見え始めた事で、心の許容が広がり、相手に寄り添う気持ちに大きな変化が見えてきました。


ご主人からの養育費等のサポートの提案に対して、奥様も、子供達と関わらせる条件として、いつでも会いたい時に会わせてあげるように、そして最後にはきちんと夫婦揃って、それぞれのご両親にお世話になったご挨拶までしてこれました。


私は、1年間彼女の心と、離婚への知識、行動サポートをしてきましたが、我ながら、こんなに円満な離婚が成立するとは、想像以上でした。

奥様の心が折れそうな時は、私と何度も電話と面談もしました。

人間はやはり、心のサポートがないと、その意志力、基軸力を貫けなくなる時がありますね。


弁護士も介入せず、調停もなしで、夫婦のそれぞれの意思の尊重の仕合いだけで、獲得したこれからのポジティブな未来。

2人のお子さん達も、明るく元気になったお母さんの様と、自分達の新しい生活と、そして、お父さんに対する前向きな気持ちを持てたことが本当に良かった。



法的に主張ばかりをし続けて、自分の正義を相手に押し付け続ける事に、いい結論ばかりはありません。

相手に寄り添う事、相手の言い分も聞くこと、それが出来て初めて、自分の主張を受け入れて貰える可能性が出てくると思います。



私の今回のカウンセラーとしての大きな成果は、奥様の心身の回復、理想の離婚条件も勿論ですが、

一度も会うことなかったご主人をも、間接的にメンタルケアと、セルフコントロールに導いて差し上げられたこと、そして彼にとっても、父として望む素晴らしい条件を獲得させる事が出来たことです。



相手を変えたければ、自分が変わる

奥様の変化は、あれだけ頑固で融通の効かなかったご主人を変えさせることが出来ました。



目先のネガティブばかりに目線を向けず、

自分の事ばかりを考えず、広い視野を持った奥様が、自ら幸せを掴まれました。

それぞれの人生、それからの未来の為に、そしてお子さんたちがこれから、幸せな毎日が送れますように。




離婚問題、家族間、組織内での人間関係にお悩みの方、自分ばかりに目を向けてませんか?

お困りの方は、ご相談くださいね🍀