新京成線全駅間歩き その1・最初の駅間は京成津田沼駅の構内? | 駅から駅まで・旅のあしあと

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鉄道路線全ての駅間を歩く全駅間歩きを10年以上続けています。
今は東海~北海道エリアを歩いていますが、目指すは全国全路線全区間踏破!
そんな壮大な目標、たぶん一生レベルでかかるので、長い目で見守っていただけるとうれしいです。
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今回の全駅間歩きは「新京成線」です。

新京成線は、千葉県の京成津田沼から松戸を結ぶ26.5kmの路線です。


 

新京成線といえば、路線がくねくねしていることで有名です。

松戸と津田沼の間を新京成線は25km以上かけて結んでいますが、

直線距離にすると、両者の間は15kmあまりしかありません。

鉄道路線にしてはえらく大回りしているのは、この路線の成り立ちと関係しています。


 

実は、新京成線の大部分は、旧陸軍鉄道連隊演習線の跡を利用しているのです。


 

…と言われても、ピンとこない方が多いでしょう。

少し乱暴に言えば、軍隊の訓練のために敷設された路線の跡を利用しているわけです。

 

千葉は、戦前・戦中は軍都として知られた都市でした。

明治末期、そんな千葉に日本で唯一となる陸軍の鉄道部隊が配置されました。

津田沼と松戸を結ぶ演習線が完成したのは、昭和7年頃だそうです。

 

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当時の地形図と空中写真をもとに、津田沼-松戸間の演習線を青線でプロットしてみました。

多少違っている場所もあるかもしれませんが、そこはご勘弁ください。

 

鉄道連隊の演習線は、短い区間で軍で決められた距離を稼ぐ必要があったので、

地形に関係なく、意図的に路線を蛇行させていました。

新京成線として開業する際に、極端な場所は短絡されましたが、

大部分はそのまま転用され、新京成線は今に至るまでカーブの多い路線として知られています。


 

今回は、そんな新京成線を歩いてみたいと思います。

歩く前日まで知らなかったのですが、今回は最後に素敵なイベント(?)にも行ってきました。



 

 

8月3日(土)  天気:晴時々曇

歩行区間:京成津田沼→松戸  歩行距離:39.8km  歩数:約63,000歩

 

京成津田沼(6:25発)-新津田沼(6:53着・7:05発)-前原(7:24)-薬園台(7:42)-

-習志野(7:58着・8:10発)-北習志野(8:30)-高根木戸(8:41)-高根公団(9:02)-

-滝不動(9:18)-

 

今回のスタート駅、京成津田沼駅です。

今日は、ここから松戸駅を目指したいと思います。

 

 

 

ホームは3面6線。

新京成線で1面2線を使用しています。

 

京成本線と接続し、京成千葉線の始発駅でもあります。


 


新京成線は西へ向かって出発します。

左が京成本線、右が新京成線です。

 

 

 

京成津田沼駅を出るとまもなく、新京成線は大きく右にカーブします。

大通りの市道を北へ進むと、総武線のガードが見えてきました。

 

 

 

並行する道路はおおむね直線ですが、

新京成線は高さを稼ぐために右へ左へ急なカーブを切っています。

 

 

 

進行方向にイオンモールが見えてきました。

これ、実はある施設の跡なのですが、それは後ほど…

 


 

新津田沼駅近くにある津田沼第一公園に、

遊園地の機関車と見間違いそうな、小さな蒸気機関車が置かれていました。

 

この機関車は、K2形機関車と呼ばれるもので、

戦前・戦中にわたって津田沼-松戸間の鉄道連隊の演習線で活躍していたそうです。

 

ここから先は、新京成線と鉄道連隊演習線の跡が重なる区間です。

 

 

最初の駅・新津田沼駅に着きました。

スタート駅の京成津田沼駅よりも立派な駅舎です。

 

新京成線では松戸に次いで乗降客が多いからなのか。

はたまたスーパーと駅舎を共有しているためなのか。


 

 

ここでは駅構内に入ってみたかったので、入場券を購入することにしました。

ところが、どの自動券売機にも入場券の表示がありません。

 

駅員さんに確認したところ、駅員さんは券売機の方へ。

しばらくすると、券売機のディスプレイに「入場券 140円」の表示が現れました。

普段は非表示で、必要なときに手動操作で入場券を表示させる仕組みになってるようです。

 

駅員さん、こんなことで手を煩わせてしまってスミマセン。


 

 

ホームは2面2線の相対式です。

 


 

新津田沼駅で入場券買ってまでホームまで行ったのは、0キロポストを撮影するためです。
(今回は休憩等で入った一部の駅を除いて、改札の中に入っていません。あしからず。)

 

ん、キロポスト?

 

じゃ、最初の駅間は何だったの??


 

実は、かつて京成津田沼駅から新津田沼駅までの区間は、

まるごと「京成津田沼駅の構内」として扱われていたのです。

先ほどイオンモールを見かけましたが、実は京成の車庫跡地だったのです。

つまり、この駅間は車庫への引き込み線と見なされていたわけです。

 

車庫は宗吾参道へ移転し、京成津田沼から新津田沼までは正式に新京成線の区間となったので、

このキロポストは厳密に言えば違うはずなのですが、今もそのままになっています。


 


 

新京成線は、新津田沼駅を出ると大きく右にカーブを切り、北東方向に進みます。

こちらは津田沼駅前を経由して、成田街道を目指したいと思います。

 

JR津田沼駅に向かう300メートルほどの道には、多くの商業施設が建ち並んでいます。

新京成線からJR線に乗り換えるときは、嫌でもこの道を歩くことになるため、

朝から晩まで多くの人が行き来します。

 

 

 

成田街道(国道296号線)は昔からの街道道なので道幅も狭めですが、

朝早くから多くの車が行き交っていました。

 

 

 

前原駅に着きました。

 

 

 

踏切からホームを撮影。


 

 

成田街道に沿って次の駅・薬園台駅を目指しました。

大型車もじゃんじゃん通るのに歩道が狭く、歩いていて少し怖くなります。

 

成田街道には、新しい住宅に混じって古くからの民家も建っています。

道脇には、街道時代の道標や道祖神と思しき石碑がひっそりと祀られていました。

 

 

 

薬園台駅に着きました。

 

 

 

そのまま次の駅へ向かいました。


 

 

薬園台から成田街道を外れ、住宅地の中を進みました。

もっとも、新京成線が開業した当時は、成田街道沿い以外に目立った集落はなく、

このあたりは広大な畑地が続いていたようです。

 

 

 

前原、薬園台と北東に進んでいた線路は、ここから左へと大きくカーブを切ります。

 

 

 

習志野駅に着きました。

いったん入場してちょっと休憩…。

 

 

 

軽く休憩した後、次の駅へ向かいました。

 

 

 

北習志野駅に向かう前に、習志野台団地に寄り道してみました。

この団地は、新京成線開業後にできたマンモス団地のひとつです。

習志野台団地を北に進むと、北習志野駅に繋がる商店街に突き当たります。

 


 

北習志野駅前でちょっと気になったものをいくつか。

 

まずは、結構ストレートな「店舗前」というバス停。

「商店街前」とか「デパート前」とかならありがちなんですが、「店舗前」ってあまりないような…。

 

 

 

続いて、右の「自由の女神」像。

アーケード完成記念に作られたものらしいのですが、どうして自由の女神なんでしょうか?

この商店街の名前「JuJuきたなら」にちなんだものなんでしょうか??

 

 

 

北習志野駅に着きました。

 

駅名は「北」習志野ですが、東葉高速線とも接続しており、

こちらの方が圧倒的に栄えています。

 

 

北習志野駅から高根木戸駅までは新京成線の線路に沿って歩きます。

 

前方に高根木戸駅が見えてきたところで振り返ると、

北習志野駅がまだ見えるくらいに両者は接近していました。

 

 

 

高根木戸駅に着きました。

 

 

 

次の高根木戸駅から高根公団駅までの駅間はわずかに0.6km

駅を出てすぐの踏切からは、次の駅がはっきり見えました。
 


 

線路に沿って歩けば、すぐに高根公団駅に着いてしまいますが、

今回は高根台団地に寄り道してみたいと思います。

まずは、高根木戸駅の駅前通り。

 

 

 

高根台団地は建て替えの真っ最中で、新しいマンションの工事も進んでいました。

別の一角には旧来の住宅も建っていましたが、近い将来建て替えられるようです。

以前、東武線の松原団地を歩いた時も大規模な建て替え工事が行われていましたが、

「あこがれの公団住宅」と言われていた1960年代前半の公団住宅は、

リニューアルの時期にさしかかっているようです。

 

 

 

駅へのアプローチ路もシャッターが下りてる店が目立ちましたが、

こちらもリニューアル中なんでしょうか?

 

 

 

高根公団駅に着きました。

日本住宅公団(現在のUR)の請願によって開設された駅です。

 

 

 

高根公団駅を出て、滝不動駅を目指します。

はじめは住宅地が続いていますが、北に向かってしばらく歩くと、一気に視界が開けました。

 

 

 

ずっと住宅地が続いてきて、一気にこんな景色が広がると少しびっくりします。

新京成線が開通したころは、あたり一面こんな景色だったようですが。


 

 

道路を挟んで反対側には牛舎もあります。

何とも言えない「牛舎独特の臭い」もほのかに漂ってきます。

ここは「佐久間牧場」で、一角にある販売所では、自家製アイスクリームを販売しています。

 

暑くなってきたので飛びつきたかったところなんですが、あいにく営業開始前(泣)。

 

 

 

滝不動駅に着きました。

新京成線の全駅間歩きは、まだ続きます。

 

その2へ続く

 

 

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京成津田沼駅から滝不動駅までのGPSログです。

少し寄り道したので、鉄道路線以上にルートが蛇行しています。