5月7日。
緊張の中、検診に行った。
ダメだった。
前回のときから、胎嚢は1ミリくらいしか大きくなっていないし
心拍も確認できない。
そもそも、4日の夜か茶色のおりものが出始めて、
どんどん量が多くなって、前日の夕方くらいからは
赤身を帯びて、さらに小さなかたまりもけっこう出てたから。
「自然流産に向かっているという状況ですね」
「はい」
覚悟はできていたけど…。
一縷の望みも、こんなに早く絶たれてしまった。
生理が遅れていて、もしかして?と思った4月の半ばころは、
だるくて、眠くて、胃の強い不快感があって、とにかく体調が悪かった。
なのに、それから1週間くらいしたら、ぱったりとやんで体が軽くなった。
そいういう事実をつないでいくと、やっぱり前回の初めての検診で
予定より小さい=すでに成長は止まっていたんだって確信した。
夕方から、おりものが明らかに鮮血に変わった。
産後の悪露以外に経験したことないような、血の塊がトイレで何度も出た。
この中に私の赤ちゃんはいるの?
それすらわからず、便器の中をしばらく眺めてから水を流す。
家に帰ると、すぐに娘の幼稚園のお迎え。
午後は、幼稚園で親子面談があり、そのまま英語教室へ見送り。
帰宅してすぐに犬を病院へ(予防のため)。
そして夕飯の支度。
食後は、急ぎの仕事を片付ける。
もう、悲しみにひたる余裕もなく、追われるように時間がすぎていく。
でもそれで、よかったのかもしれない。
苦しさからのがれられて。
翌朝(今日)、目が覚めて、何か赤ちゃんが出てくる夢を見たような気がした。
思い出した。
私が2人目の赤ちゃんを、自分でも記憶にないうちに産んでた。女の子。
私は人がたくさん集まっている場所にいて、そこに知人が赤ちゃんを連れてきてくれた。
無事、生まれたんだ。
抱っこしながら、みーちゃん(娘)より軽いかな?と思い
体重を聞いたら、2500なんぼか。
ああ、やぱり、軽いはずだ。でも元気でかわいい。
あれ?帝王切開のはずなのに、全然おなか痛くない。
なんでだろう? 先生の手術がじょうずだったんだ。
そんな夢だった。
産んだ(手術の)記憶もなくて、傷も痛くなくて、そういえば入院もしてなくて
いきなり、ふつうの場所にいて、だれかが赤ちゃん連れてくるなんて、
おかしなシチュエーションだけど、夢だからそれでうまくいってた。
すっごくうれしくて、にこにこ笑ってた。
夢の中では会えたのに。
現実の世界ではお別れ。
さようなら、私の赤ちゃん。
今日はこれから、ベビーマッサージのレッスン。
命の尊さをしっかりと心に刻んで…。
★興味をもって読んでくださる方へ
「お別れ後の日々」「天との出会いと別れ~カウントダウン」は、
テーマ別にしてお読みただくと、時系列になって内容がわかりやすくなります。