『真珠の世界史』中公新書
『真珠の世界史 富と野望の五千年』
山田篤美/中公新書/2013年
真珠にまつわる野望と努力と執念の物語。
《本書で真珠をめぐる人類の壮大な格闘の歴史を味わっていただければ、著者として格別の喜びです》、とのこと。
3年の歳月をかけて書いたというだけに読みごたえ充分。
日本の養殖真珠と、西洋の天然真珠シンジケートの対決の物語でもある。
日本の養殖真珠を西洋の真珠市場に持ち込み成功を収めた御木本幸吉って、すごい行動力の人だ。
一方、市場競争に敗れたレオナール・ローゼンタール。
ちょっと気の毒な気もした。
真珠を養殖している海は貝の糞や、死んだ貝肉の影響などで海底にヘドロが溜まりやすいという。汚い。
真珠の暗黒面もしっかり描かれていて、おもしろい。
ドブガイという貝からも真珠が採れるそうです。
名前がいいね。ドブガイ。
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