バター?パーケイ? | 裸のニューヨーク

裸のニューヨーク

ユー・ドント・ノウ・ニューヨーク・ザ・ウェイ・アイ・ドゥ...これは私のアンビバレントでパーソナルなニューヨーク・ストーリー。

アメリカではマーガリンや植物油に含まれる「トランス脂肪酸」の摂取に注意する動きが強まっていると8月17日の朝日新聞にあった。

 バターの取りすぎは悪いからマーガリンにしましょうという考えが主流だったのが180度転換した訳だ。マーガリンが悪いとちらりと小耳に挟んだのが数年前。(ふーん、バターが悪いと言ってたのに今度はマーガリン、全くコロコロと変わるものだ、どっちが本当なのか?)と思っていたが、この脂肪酸を摂りすぎると悪玉コレステロールがたまって心筋梗塞などの心臓病の原因になるのだそうだ。NY市では8月から既に市内の飲食店にトランス脂肪酸の使用を控えるよう呼びかけ始めているそうだ。
これでもう私がマーガリンを買う事はなくなる。

この聞き慣れない脂肪酸はマーガリンの他、菓子やパン作りに使われるショートニングなどに含まれるそうだ。このショートニングというのも耳慣れないが、私は1度アメリカ人の友人にショートニングの大きな缶詰をもらった事がある。べったりした白く柔らかい半固体で、どういう風に使うかわからなかったが、どうも油らしいというのでとんかつを上げる時に使った。

このショートニング、記事によると賞味期限を延ばし、味を安定させるため、植物油に水素を添加して人工的に作った油(のような物)。オリーブオイルやバターに比べるとやたら安いらしい。

アメリカ人はこの不健康極まりないトランス脂肪酸を1日に平均5.8グラム摂っているといい、量は少ないものの、油も積もれば脂肪となる。日本のマーガリンには100グラムあたり7グラム程度、対するアメリカで最も多い物では20グラム程度含まれているそうだ。ケーキやポテトチップスなどトランス脂肪酸を含む食品は摂り過ぎないに越した事はない。

ニューヨークではいかにも体に悪そうな揚げ物を売る店の前を通ると安っぽい油の匂いが漂って来た。グランドセントラル駅の構内にもそんなグリーシー・フード(油っこい食べ物)を売る店があったが、いつの頃かきれいになってそんな店はなくなり、あの匂いもしなくなった。何でも記憶のフィルターを通すと美しく見えるもので、あのグリーシーフードの店が忽然と現れたらその前にしばらく佇んでみたいと思うのもそんな働きからであろうか。


註 タイトルは、パーケイというマージェリン(マーガリン)のCMのキャッチ

コピー。バターかパーケイかわからないほど、このマージェリンは美味しい

という意味。