ムーランのイギリス日報

ムーランのイギリス日報

イギリスで子育てをしながら、ものおもふことをつづっております。

新年を日本で迎えて2日目。

元旦は石川県の地震と津波。

そして一月二日夕方の今現在、羽田空港での旅客機火災のニュースが飛び込んできた。

年末年始は日本人にとって一番大切な時間といっても過言ではない。

被害に遭われた皆様のことを思うとやるせない気持ちになる。

どうしてこんなことが起きないといけないのか。

私は母を亡くしたときから、怒っている。

この世の不条理に、怒っているのだ。

今日の朝、娘の通う小学校のPTAミーティングがあった。

 

なぜか日本人代表として出席することになっていたので、日本人らしく10分前には到着して出席した。

 

私をいれて10人弱、空いている教室を使っての会議。

 

私以外全員、英語がネイティブもしくはネイティブレベル。

 

 

大体言っていることは分かる。

 

7ー8割は分かる。

 

しかし、発言する番になると、どうにもこうにも片言のたどたどしい英語で、緊張すればするほど言葉は出てこない。

 

ちょっとぼけーっとしていると、

 

「大丈夫?ちゃんと理解できてる??」

 

と聞かれる始末。

 

5歳児に話しかけるような単語でゆっくり話してくれる。

 

分かっている、これは彼女の優しさ。

 

ありがたい、嬉しい、、、だがしかし、私、母国語だと、もう少し賢い言い回しできるんですよ!

 

と少し悲しくなる。

 

彼女はそうではないが、なかには私の英語が5歳児だと脳内も5歳児のように扱ってくる人もたくさんいたからである。

 

 

間違いなく18年前よりは上達している私の英語。

 

いまだに言語の壁に落ち込むことも多々ある。

 

しかし、加齢の華麗なところは、打たれ強くなっていくところである。

 

打たれすぎて、パンチドランカー状態になっているだけかもしれないけれど。

 


日本にいたころ、片言で話すが外国人タレントさんをみて笑ったりしていたが、おそらく彼らの何人かは母国ではとてつもなく優秀な人なのであろうとぼんやり思う在英18年目である。

 

Too good to goというアプリがある。

 

捨てるのはもったいない、というニュアンスだろうか。

 

加盟しているお店の食糧廃棄物を安値で買い取れるというシステムである。

 

パン屋さんの余り物パンなどが半額近くで買えたりするのだが、何がそのバッグに入っているかはその時にならないと分からない。

 

レストランの残りのカレーとナン、スーパーの食料品の売れ残りなどもある。

 

普段は大手スターバックスなどのカフェや、個人経営のカフェの残りものサンドイッチやペイストリーなどを購入することが多い。

 

夫が出張でいないこともあり、近くのスーパーの寿司カウンターが余りものバッグを売り出していたので予約購入してみた。

 

まずアプリで予約し、指定された時間内に受け取りに行く。

 

予約時に携帯から支払い済みなので、受け取るだけでよい。

 

 

 

 

さて、夕飯の時間。

 

娘と寿司を受け取りにいくと、スーパー自体が改装のため閉まっている。

 

店内の入口付近に常駐している女性店員に助けを求めるも、無視。

 

何度か身振り手振りで店外から注意をひくも、しばらく無視の末、あきらめたように溜息をつきと、少しだけ自動ドアを開け、

 

「閉まってるっていってんでしょうが!!!!!」と怒鳴ってきた。

 

「いや、あの私、ここの寿司カウンターで寿司を注文して、もうこの通り支払い済みなんですけれど・・・」

 

「だーかーらー、閉まってるって言ってんでしょうが??!!!!」

 

ガシャン、と自動ドアを閉められ、店内で、

「このくそ野郎が!」と怒鳴っていた。

 

 

娘と途方に暮れていると、イギリス人のおばさまがやってきて、

 

「どうしたの?」

 

事情を説明すると、

「私、ここで見てたんだけど、あの人、本当に態度悪かったわよね。

私、今、文句言ってやりましょうか??」

 

 

「いえ、ありがとう。大丈夫です。」

 

そのとき、若い店員が外から帰ってきて、無礼なおばさん店員がドアを開けた。

 

すかさず、その白人のおばさまが若い店員さんに詰め寄り事情を説明。

 

若い店員が、

「うちは閉まってるんですけど、寿司が食べたいなら、ショッピングセンターの向こう側に寿司屋がありますよ。」

とやる気なさそうに答えた。

 

私が、

「そうでなくて、ここの寿司カウンターで注文して、この通り、今受け取り時間で、支払い済みなんですが。」

と再度状況を説明すると、

 

「じゃあ、そのToo good to goに連絡して下さい。うちでは何もできません。」

 

この店員の対応もたいして優れているわけでもないのだが、前出のおばさん店員があまりにも無礼すぎて、合格にしてしまう。


親切な白人のおばさまは、

「分かりました。あなたに『は』お礼をいいます。」

と、真横にいる無礼なおばさん店員にあてつけてお礼を言った。

 

その後、私たちのほうをみて、

「せめて嫌味を言ってやったわ。

まぁ、ああいう輩には通じないかもだけど!」

と笑顔で去っていった。
 

Too good to goの返金システムはバグが発生して返金すらかなわなかったけれど、このおばさまに会えたおかげで嫌な気分になることもなく帰宅できたのであった。

 

見知らぬ外国人の半額寿司のために、あそこまで熱くなってくれてありがとう。

 

寿司よりいいものを頂いた気がします。