猫大魔王「Bonjour. Comment vas-tu?」
ニャンまげ「Très bien, merci. Et vous?」
猫大魔王「Très bien, merci.」
ニャンまげ「ふう・・・」
猫大魔王「なかなか筋がいいのである、ウム」
ニャンまげ「まだまです」
年が明けて、2012年、ぼくのフランス語の特訓はつづいていたよ。
ニャンまげ「では、魔王さま、そろそろ行きましょう」
この日は、うきたクン、うきぼうクン、うきおパパさん、そして猫大魔王さまと、桶川市ってところまで、吹奏楽のコンサートを聞きにいったんだ。
うきパ「制服姿のかわいい女子学生が多いなあ、えへっ♪」
うきぼう「父さん、ナンパしちゃだめっすよ」
生の演奏は、やっぱり最高だったよ。
みんな一生懸命なのがいいね♪
コンサートの後には第2部っていうのがあって、日野原重明さんていう人の講演会だったんだ。
聖路加国際病院の理事長で、現在なんと100歳の現役のお医者さん。
でも、とっても元気な先生なんだよ。
日野原先生、登場!
テーマは、『新しい生き方の発想』。
親や子どもを大切にする生き方というのは、実際どういうことなのか?
今の人たちは、そういう生き方をしていないから、親子間でいろいろな悲しい事件が起こってしまう。
分子遺伝子学に見ても、原因は明らかなんだって。
ちょっと難しくなりそうな内容を、笑いを誘いながら、優しく暖かい口調で話してくれたんだ。
大切なのは親子の絆という言葉でしめくくった先生。
会場は、割れんばかりの拍手だったよ。
ぼくはすっかりファンになっちゃったんだ☆
うきぼうクンも、iPhoneで講演を録音していたくらい。
楽屋に寄って挨拶したあと、みんな、感動しながら、帰路についたんだ。
うきお「感動したのはいいけど、やっぱり桶川は遠いなあ」
うきぼう「フランスはもっと遠いっすよ」
うきお「でも、飛行機ならお酒飲んでるうちに着いちゃうじゃない。今回も飲みまくるぞ~」
うきぼう「まったく・・・。ま、父さんの機内での唯一の楽しみっすからね」
うきお「今度もテトリスあるといいな、うきぼう」
うきぼう「別にどうでもいいっすよ」
うきお「そういえば、フランスにはドイツ経由で行くんだってね」
ニャンまげ「はい、うきぼうクンのリクエストで、ルフトハンザドイツ航空のフランクフルト経由パリ行きです」
うきお「なんでだ~? 乗り継ぎなんて面倒じゃない?」
うきぼう「父さん、ルフトハンザのフランクフルト行きは、日本で数少ない、エアバスA380-800の就航している路線なんすよ。めったに乗れない飛行機なんすから」
うきお「うきぼうは、飛行機が好きだなあ」
うきぼう「世界で唯一のオール2階建ての飛行機っす。最高っすよ」
うきお「まあ、時間もそんなに変わらないだろうし、乗り継ぎ便でもお酒は出るだろう~」
うきぼう「それよりも・・・、ドイツに一泊していくっていう手もあるっすよ」
うきお「えっ、そんなことができるの?」
うきぼう「ストップオーバーっすよ。そうすればドイツ観光もできるっす」
うきお「そうかあ・・・。まあどっちでもいいけど」
うきぼう「ドイツには、おいしいビールがたくさんあるっすよ・・・」
うきお「ドイツだっ! ビールだっ! ストップオーバーだっ!」
ニャンまげ「それも楽しそうだね~。そうしよう~」
うきぼう「そうするっすよ。なにせ父さんは・・・」
うきお「うん?」
うきぼう「いっつも安いビールばっかり飲んでるんすから・・・」
うきお「そうかあ」
うきぼう「プレミアムビールとか、なんで飲まないんすか?」
うきお「ビールなんて、味はみんな一緒だよ」
うきぼう「そんなことは絶対ないっすよ。舌がおいしいものに慣れてないだけっす。完全に貧乏人の味覚が染み付いちゃってるんすよ」
うきお「はっはっはっ(笑)」
うきぼう「いつも飲んでるビール、なんすか、あれ? っていうより、ビールですらないっすよね?」
うきお「発泡性のナントカっていう、第3のビールなんだなあ」
うきぼう「なんで、そんなの飲んでるんすか?」
うきお「安いんだ♪ ローソンのPONTAカードのクーポンを使えば、500mlが20円で買えるんだぞっ♪」
うきぼう「父さん・・・、だからドイツの経由便でストップオーバーなんすよ」
うきお「えっ・・・?」
うきぼう「たまにはおいしいビール飲んでくださいよ」
うきお「うきぼう・・・!」
うきぼう「ま、日野原先生も、親を大切にって言ってたっすからね」
ニャンまげ「あれっ、うきたクンは・・・」
うきぼう「寝てるっす・・・」
うきお「講演中はずっと眠そうにしてたからなあ」
こうして、初日はドイツにストップオーバーして観光していくことがけってい。
やっぱり日野原先生の言葉は偉大なんだね。
【参考記事】