小学生の頃に出会いたかった本 | ごろっとオフトゥン

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いじめって、よくありますよね。
最近になって取り上げられるようになっただけで、昔からあったんじゃないかと思います。

今回、モニプラファンブログで本のモニターに当選しました。
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『きみは知らないほうがいい』
作・岩瀬成子 
絵・長谷川集平

児童書ということで優しい内容かと思いきや、表紙の絵が重い。内容もヘビーなものでした。
なんてったって、テーマが「いじめ」の本。
小学6年生の少女の視点からクラスでのいじめが描かれています。

いじめにも色んな形がありますが、この本の中には主人公やクラスメートの女の子が遭った無視のいじめ、転校生の男の子が遭ったからかいのいじめが出てきました。
思わず私が小学6年生の頃にクラスでおこったいじめ思い出しました。
その時はクラスの女の子の1人が標的になり、クラス全員から無視されたりヒソヒソされたり、この本に出てきたような状況と同じでした。
今思えば、無視されていた彼女はきっとこの主人公と同じような気持ちになっていたんだろうと思います。あの頃は考えた事ありませんでした。
だからと言って過去の私にいじめを辞めなさいと言ったところで辞めないと思います。(私の場合、ノリや雰囲気で加害者側に立っていたというより、彼女の色んなところが嫌いで極力関わりたくなかった)
とはいえ、もう少しうまい付き合い方があったのではと思います。

主人公は何かのキッカケなのかわかりませんが、クラス全員から無視されたり、心ない言葉を浴びせられたり、精神的に辛い思いして気軽に学校に行けなくなってしまいます。
この本では「透明の箱に入っているよう」と表現されていました。無視される、関心を持たれないって辛いことです。
転校生の男の子は正義感が強いような、我が道を行くような子みたいで、思ったことをクラス全員の前でも言えるような強い子です。
しかしそれが面白くなかったり、みんなと違うと感じたのか彼も心ない言葉を浴びせられるようになります。

誰かを標的にして静かに起こるイジメって本当に怖いです。クラスのほぼ全員が知らず知らずのうちに同じほうを向いてしまうので、気付けないんです。
違う方を向いたらみんなと違う、というような理由で仲間はずれにされ自分が標的になったり、正直おかしいと思ってもどうしたらいいのか未だにわかりません。

もしこの本に小学生の頃出会っていたらどうなっていたでしょうか?
無視を辞める、と言うことはきっとできなかったでしょうが、何かしら思うことはあったと思います。
上手い付き合い方を考えたかもしれません。

それよりも中学時代がもう少し充実したでしょうか?
学校にいるのがつらくて家に居たら母親がいて学校に行け行けと圧をかけてきて落ち着ける居場所がなくて本当に辛かったです。学校を休むのは悪いことと言われ、とても悪い事をしている上に恥ずかしい事だと思い、だからといって学校に行けるわけでもなく、そんな辛い日々が続きました。

一方主人公の母親は無理に学校に行かなくていいと言い、祖母は学校に行かないならうちにおいでと言い、私とは全く違うなと感じました。
なんだかすごく羨ましい気持ちになりました。そして昔の自分にそんなに気を張らなくて良いんだよと伝えたいです。
 
この本は今いじめにあって辛い思いをしている子や、いじめが身近に起こっている人はもちろん。考えるキッカケとして小学生中学生高校生、大人にも読んで欲しいなと思います。
きっと心が少し楽になったり、冷静に考えられるようになると思います。

それにしても主人公の米利ちゃん、小学6年生にしてはとても大人だなと感じました。
10年前の小学6年生と今の小学6年生は違うのかな?