そんなことでベトナムの旅を中断したりはしません。えぇ、決して。
だって「そこに鉄道があるから」
エベレスト登頂を目指すジョージ・ハーバート・リー・マロリー気分の「なつむぎ」です。
ホーチミンシティと首都ハノイの間1,726kmを2泊3日で結ぶ路線が通称「統一鉄道」で、こいつに乗ることが今回の絵さがしの旅での自分に対するご褒美の1つなんだ。
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列車に乗ることがご褒美? なんで?
って思う人もいるかもだけど、まぁボクは鉄ちゃんだから。鉄ちゃんの中でも「乗り鉄」だな。
旅行をしていて、次の街まで鉄道で行きたいんだって言うと、「バスにしなさいよ。バスの方が速くて便利ですよ」そう言われることが多い。
いや、ボクは列車に乗ることが好きなんですよ。飛行機より、バスより、タクシーより、何よりも好きなんです。
そんなことをあちらこちらで説明している内に、「鉄ちゃん」を一言で言える英単語はないのかなって思い始めてね。あれやこれやネットを彷徨っている内に、こんな単語に出会った。
siderodromophilia(サイダロドロモフィリア)
知ってた?
列車を怖がることを siderodromophobia(サイダロドロモフォビア)って言うらしいから、
あぁその反対ね、列車大好きなことね、ぴったしじゃんって思っていたんだけれど、
でもちゃんと調べると、この単語の本当の意味は……
機関車や電車や鉄道製品への性的嗜好
うわっ、うそ!
いや、うそじゃない。日本語では「列車性愛」。
ネットの英語辞書で調べたら、sexual arousal from riding in trains(列車に乗る事による性的興奮)なんだってさ。
ボクはさ。人の性的嗜好についてはまぁ人それぞれだからって、かなり自由度の高い考えを持ってる方だって思っていたけれど…… それでも想像を絶する嗜好だよ。
知ったかぶりしてこんな単語を使わなくて良かったよ。
チケット売り場のお嬢さんに、イヤらしいものを見る目つきで見られるところだった。
ほんとだよ。
ボク、そんなつもりで列車に乗るんじゃないんだからね。
もしそんなんだったら 女房に鉄道の旅を許してもらえなくなるじゃん。
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ホーチミンシティ最後の日、システムが今ひとつわからない郵便局でなんとか無事に日本宛の荷物を発送できたしね。けちって船便にしてもらったら3ヶ月かかるって言われたけど。
いよいよご褒美の時間です。統一鉄道の旅はサイゴン駅からです。
南北統一以来、サイゴンはホーチミンシティと名前を変えたのだけど、駅の名前はサイゴンのまま。

↑ サイゴン駅(Ga Sài Gòn)正面
Ga ってのが駅のことなんだけど、フランス語の Gare から来てるんだって。

↑ こんなプラットフォームで、こんな列車。ホーチミンシティ最後の夕暮れ時のこと。

↑ サイゴンの名前は、ビールにも残ってる。
エロい気分は無しで、列車に乗り込みまーす!

「雨上がりの夜空に」
♪ こんな夜にお前に乗れないなんて こんな夜に発車できないなんて