
もう、ずいぶんと昔の話になってしまったけれど、
構造設計の偽装でその名を轟かせたA設計士が連日の様にTVに映し出されていた頃、
飲み会で偽装が話題になった。
ボクがたまたま、建築設計に携わる人間だったことから、そんな話題になったんだろうけどね。
でもマジメな話は最初だけで、次第にA設計士の頭髪の偽装の方に話題が向かって行ってね。
まぁあれは、オシャレの一つだね。帽子をかぶるみたいな。 発言やら、
まるでハゲが恥ずかしいような行動はよろしくないな。 発言やら、
そう言えば、T。
お前は若いころからおでこが広くて危ない危ないってみんなに言われながら、
結構踏ん張ってるよな。 発言があった後、
なつむぎは、もっと黒々としてた様な気がするんだけどなぁ。 って。
えっ!
ボクですか?
ボクはむしろ、美容室ですいてもらってる位で... あ、オシャレの一環です。
そ、それより、偽装を言うなら、女性の化粧はどうよ。
いや、化粧は身だしなみだろ。偽装じゃない。 説やら、
まぁ、整形に比べたら罪は軽いけど、やっぱり偽装だな。 説やら、
じゃぁ、ブラにパッドを入れるのはどうよ。偽装だろ? いや、女心だろ?
なんて、話がもつれて来たところで、
結局の所、一番化粧で騙されるのは「目」の周りだって結論に至った。
とにもかくにも、あんなに目の周りに色をつけて、その上、付けまつ毛なんてされたら、
もう目の印象なんてすっかり変わっちゃうじゃん。
化粧を落とした顔を見て、地味な顔のあんた誰? 状態になっちゃう危険性が高いのは、
やっぱり「目」の部分だよ。
付けまつ毛かぁ。やっぱり、毛関係の偽装は問題が多いよな。
そうだよな。なつむぎ?
はいっ? なんでボクなの?
いや、ボクは付けまつ毛なんかしてないよ。
カツラにも興味ないし。
そうなの? って、あたりまえじゃん。 毛、あるし。
それにボクの目は、くどいくらいに、くっきり、はっきり二重でね。
まぁその分、眉毛が薄くてあっさりしているものだから、
バランスが取れてるってものだけど。
いや、薄いのは眉毛ですよ。ま・ゆ・げ。
もし、付けまつ毛なんてしたら、

こんな感じになるに違いない。
その上に、ボクには口ひげがあるからな。くどさ倍増だよ。
毛の多いところと、少ないところのバランスが悪いみたいな?
えっ? なに、今の発言。
だから、ボクは美容室で、いつも決まった美容師のお姉さんに、すいてもらってるんだってば。
*****
まぁ、酔っぱらいの議論なんて、こんなものです。
なにが結論だか、良く分からんでしょ?
問題なのは、どういうワケかボクにはハゲ疑惑が付いてまわっていて、
いくら説明してもこれを払拭することができないんだな。
控えめな性格が災いして、説得力に欠けるのだろうか。
昨夜、関西方面では、こんな願い事が書かれた短冊が、冷たい雨に打たれていたらしい。

星は願いを聞き届けてくれるのかな?
ボクも、ウスウスは感づいているんだけど、
あ、ウスウスって、髪の毛のことじゃないんだよ、
全く気付いてないワケじゃないってことなんだけど、
出会いがあれば、かならず別れがあるように、
いつの日か、ボクの担当美容師のIさんが、
ボクの髪の毛をすく必要が無くなっちゃう日が来るんだろうな。
そう思うと心が痛い。
だから、あえて言うけど、
お星さま。どうかヤギーの願いを叶えてやって下さい。

1996年発行の「NHK週間こどもニュース 小学生の大疑問100」によると、
ひたいの両側の角の生えぎわが、両側の耳の穴と頭のてっぺんを結ぶ線(頭頂線)に、
あと3センチまで迫ると「ハゲ」ということになるらしい。
学者によっては2センチだと主張する者もいるそうだが、
いっその事、頭頂線を越えること5センチで「ハゲ」だということにしたらどうだろう。