多源性心房頻拍 | 感慨深々

感慨深々

医学教育の現場から見た本音をROPPONGIから発信!
臨床教育で重要なものは技術か?
それともその技を使う心か?
は、過去の話題。
これからは日本の医療を外から眺めた場合の問題点とその解決を述べてみます。

多源性心房頻拍あまり聞き慣れない病名ですね。
英語ではMAT(Multifocal Atrial Tachycardia)となります。

簡単に説明すると自動性の信号が心房のさまざま場所から生じ、
不規則で早いHRになることです。
心拍数は130以上の事も多く、昨夜の患者さんは150以上でした。

心電図の特徴は
・不規則な波形をしましPR間隔は変動する。
・心房インパルスが多源性であるため、P波が上下し
 大きさのことなるP波が3つ以上認められること。
・QRSが狭く心室内伝導がない場合は0.01Sec以下

ROPPONGI事情

原因としてまず疑ってみる基礎疾患は
1.慢性の肺疾患が一番可能性が高く、疑ってみる価値あり
  特に肺高血圧により、右室と右房に負担にかかったCOPD(慢性閉塞肺疾患)がNo.1
  胸部X線写真で十分な場合も
2.時には肥大した心房が原因と時も(要心エコー)
3.あまりケース的には多くないがリュウマチ性の心疾患、急性冠症候群なども
4.ここで忘れて行けない事にジキタリス中毒があるよ。

 いまはジキタリスの処方が減っているので多くはないが
ジギタリスの作用機序には細胞内Ca濃度を高め、
心筋の収縮力を高める直接作用と、
治療範囲レベルでの濃度下の、
副交感神経興奮による徐拍、
房室伝導遅延などの間接作用に期待して
多く処方されていた時が。
ジキタリスと併用して利尿剤も処方される事が多くあり、
利尿剤はカリウムを減らしてしまう作用があり
カリウムが減るとジキタリス中毒が起こりやすくなってしまいます。(経験から)

1、2、3、と調べて・・・。
今回の症例では患者が高齢であり、
腎機能が低下していたためにジギタリスの排泄が円滑に行われず、
中毒が発生したと考えられる。

で診断終了。

さて治療だが
ジキタリス中毒の特効薬は?
下記の中から選んでみて?
1、ジゴキシン   
2、塩化カリウム   
3、硫酸プロタミン   
4、フロセミド

さお、どうかな?

答えはずっと下へスクロールして下さい。






中毒以外の一般的な救急での対応は
心拍数を制御するために
脱分極中に、低速チャネルと血管平滑筋と心筋の電圧を受けやすくする
目的からカルシウムイオンを抑制する。
ジルチアゼム10-20 mgのIVでボーラス投与、5-15 mgので/ hの持続注入を続けて、
120から360 mgのPOがtidと分割/ 4回経口投与または長時間作用型製剤におけるQD

正常洞調律を復元を目的に
Verapamil0.075から0.15/ 5~10分以上、0.005で//1時間の連続注入
かな?











答えは1
詳しくは
http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/000165.htm
で勉強して下さい。