映画『チェンジリング』は、ロサンゼルスで実際に起きた衝撃的な事件が基になっているのだが、その信じられないようなエピソードのほとんどが、脚色ではなく事実だった。
先日見た映画(DVD)を紹介。
アンジェリーナ・ジョリー主演。
舞台は1928年L.A.。
以下、HPより抜粋。
ある日突然、9歳の少年が行方不明となり、
有力な情報を得られないまま過ぎた5か月後、
現代では到底あり得ない話だが1928年当時、
汚職にまみれていたロサンゼルス市警は、自分たちの無能さを隠すため、
息子を失った母親にまったく別人の少年を押し付けて解決しようとした。
普通、実話に基づいた映画というのは、ベースとなった話をフィクションでドラマチックに脚色していくものだが、
この映画の特筆するところは、映画に出てくるほとんどの信じられないようなエピソードが、脚色ではなく事実だということだ。
別人の少年を突きつけられた母親は、当然のごとく警察に出向いたが、
精神錯乱とでっち上げられ、精神病院に強制送還されてしまった。
映画の中でも印象的に描かれているこの出来事も、
実際に母親のクリスティン・コリンズに起こったことである。
一体どうしてこんな悲劇が起こったのか……。
それは、当時の腐敗し切ったロサンゼルス市警と、ロサンゼルス市民との不和にあったようだ。
汚職事件が連発し、町のギャングと蜜月の関係にあったロサンゼルス市警に、
市民の怒りは日を追うごとに増加していった。
コリンズ少年が行方不明になったのは、そんなときだったのである。
毎日、警察の無能ぶりを伝えるマスコミと、
約半年経っても少年を見つけることのできないロサンゼルス市警への反感……。
なかばプレッシャーに負ける形で、彼らは悲劇の発端となった“チェンジリング”(替え玉)作戦に乗り出す。
この悲劇について報じたロサンゼルス・タイムズの当時の記事は、本作のオフィシャルサイトに紹介されている。記事には劇中のアンジーと同じように、愛する子どもを失い、憔悴(しょうすい)し切った表情のクリスティン本人の写真も掲載され、最愛の息子の失踪(しっそう)前と、発見後の明らかな体の変化の謎も報じている。
出演のオファーがきた当初アンジーは、子どもを失うというストーリーに難色を示したという。
しかし彼女の心を動かしたのは、母親として、たった一人でロサンゼルス市警という巨大な組織に立ち向かい、
子どもへの愛を貫き通したクリスティンの強さだったのではないだろうか。
どんな強大な権力にも、子どものためならば立ち向かう。
最後まで、決して戦うことをやめなかった彼女の強さに、きっとあなたも共感を覚えるはずだ。
とにかく目の離せない映画だ。
そして胸くその悪くなる映画。
ぜひ観て下さい。