■東電「想定した以上の津波が来る」と2006年に自ら発表していた | 原発事故は東電が招いた人災

■東電「想定した以上の津波が来る」と2006年に自ら発表していた

今までに津波の危険性を第三者等から指摘されていたと言うのは、何度も出ていましたが、自ら発表していたんですね。 勿論対策は?していません。

東電は「原発設計時に『想定』した以上の大津波がくる可能性が10%もあった」と、2006年に国際会議で自ら発表せいていたと。そしてその5年後の今年に来たと。発表から5年もあったのに「対策は今後の課題だったと」弁明したと。
なんですか、この無責任さというか、他人事の様な投げやりなさは。

これは単に、つぶれない事に胡座をかいた怠慢とか、会社の体質とか言う以前の問題でしょう。 経営者として100%ありえない態度です。仮にも経営者なら事故が起きたら今まで築いてきて全てがオジャンになる事があると理解してるはずでしょう。しかも普通の事業ではなく原子炉を扱っているのにも関わらず、これですか?

これは、今までも事故を起こしては隠蔽して来て、隠蔽が暴露された後でもペナルティを回避して来た事にもよるのでしょう。

07年3月、東京電力が福島第一の3号機で定期検査中に発生した臨界状態を隠蔽していたことが発覚。

同年5月の参議院行政監視委員会では近藤正道議員(社民党)が、「過去の原子炉規制法33条の処分例、つまり運転停止1年、この処分例を見ても、どうして今回のようなケースが停止にならないのか。設置許可の取り消しがあってもおかしくない」と質問。

これに対し、原子力安全・保安院の広瀬研吉院長(当時)は「隠蔽に対するペナルティーの法的な制度の強化は考えていない」と回答するにとどまっている。

今回の事故の責任が東電にあるのは明白ですが、事故の遠因が保安院、経産省、(政権問わず)政府等にもあるのも事実です、というよりも、東電と政官との癒着「巷で言う腐り切った原子力村ですね」が今回の事故を招いたと言うべきでしょう。

しかし今ここで事故の責任を政府に問うのは、レストランで大量食中毒が起きた責任を保健所に擦り付けるのと同様に矛先ずれています。というより事故を起こした東電の責任逃れに加担する事にしかなりません。 

事故は起きてしまった。過去は変えられません。 問題は何をするべきかと言う事で、東電と政官の癒着を断ち切るしかないでしょう。 さて癒着を断ち切ると言っても、どうすればいいのか? 天下りを禁止する? 献金、賄賂の抜け道を塞ぐ? それも手でしょうが、海千山千の吝嗇な策士には効果があるとも思えません。本来ならその癒着を糾弾すべき立場であるマスコミはもちろん司法関係者の中にも東電の太鼓持ちは大勢いるのですから。

やはり、ここは東電を徹底的に解体し癒着の温床を破壊するしかないでしょう。 放射能汚染の被害総額がどの位になるかは分かりませんが、実際に原子炉を管理、運営して事故を起こした東電に、全ての試算設備を売却してでも補償をさせるべきです。

勝俣会長は記者会見において「東電には払いきれない国に補償してもらうしかない」と言い放ってましが、国に東電の起こした人災の補償を肩代わりさせると言うなら、東電は国有化するべきです。 

事業設備も資産も全て国の管理下におき、送電設備はそのまま国道と同じ様に国が管理し、発電部門は、発電所ごとでも、地域ごとにでも分割し、民営化すれば良いでしょう。 そして消費者は、自由に好きな電力会社と契約出来る様にするべきです。 ただし自由競争下において安全より営利優先する私企業に原子炉の管理は不可能なので、原子炉の管理は国の下におき順次廃炉にするべきでしょう。

まあ、そうすれば怠慢と吝嗇と無能さで大惨事を引き起こした挙句「東電を批判するなら電気を使うな」「誰のおかげで、電気が使えると思ってるんだ」と暴言を吐く東電社員は淘汰されるでしょう。

想定外の大津波「50年以内に10%」 東電06年発表 2011年4月24日8時5分
http://www.asahi.com/national/update/0423/OSK201104230072.html

東京電力は、福島第一原発に、設計の想定を超える津波が来る確率を「50年以内に約10%」と予測し、2006年に国際会議で発表していた。東電は「試算の段階なので、対策にどうつなげるかは今後の課題だった」と説明している。

東電原子力・立地本部の安全担当らの研究チームは福島原発を襲う津波の高さを「確率論的リスク評価」という方法で調べ、06年7月、米国であった原子力工学の国際会議で報告した。

その報告書は「津波の影響を評価する時に、『想定外』の現象を予想することは重要である」と書き始められている。

報告書によると、東電は慶長三陸津波(1611年)や延宝房総津波(1677年)などの過去の大津波を調査。予想される最大の地震をマグニチュード8.5と見積もり、地震断層の位置や傾き、原発からの距離などを変えて計1075通りを計算。津波の高さがどうなるか調べた。

東電によると、福島第一原発は5.4~5.7メートルの津波を想定している。だが報告書によると、今後50年以内にこの想定を超える確率が約10%あり、10メートルを超える確率も約1%弱あった。

報告書は「想定を超える可能性が依然としてある」と指摘。「津波について知識が限られていることや、地震のような自然現象にはばらつきがある」ことを理由にあげている。

確率で原発の危険度を評価する方法は、地震の揺れが原因になるものは実用化されているが、津波についてはまだ基準が決まっていない。一方で、東電は、地震の規模を最大でも東日本大震災の約5分の1として予測しており、「10%」でも過小評価だった可能性がある。

報告書について東電は「津波の評価法を検討するための試算段階のもの。まだ広く認められた方法ではないので、公表は考えていない」と説明する。

また、設計の想定を最大5.7メートルと決めた根拠について、東電は「社内で経緯などを整理しているところ」として明らかにしていない。(木村俊介)