■原子力推進機関から規制機関を分離させる野党提出の法案を捻り潰す | 原発事故は東電が招いた人災

■原子力推進機関から規制機関を分離させる野党提出の法案を捻り潰す

連日会見を行っていた保安院の西山審議官ですが、彼は原発推進機関である経済産業省から、その外局の機関の一つである本来、原発の安全を図る保安院に移っています。つまり推進機関から規制機関へと。端から見れば癒着が大いに心配される構造にメスを入れようとしたのですが、時の小泉政権はその法案を潰しましたとさ。ちなみに経済産業大臣は平沼赳夫です。

また保安院のトップの寺坂信昭院長も経産省の出身で、2005年の衆議院の委員会において自然災害時における原発事故発生の可能性を指摘され「実質的には起こり得ない」と答えています。ちなみに西山審議官は法科出身で寺坂院長は経済学部の出身です。


「原子力安全規制委員会設置法案」について

http://www.dpj.or.jp/news/?num=112672002/11/26
☆法案の概要

・公正取引委員会型の独立行政委員会として、「原子力安全規制委員会」を内閣府の下 に設置し、原子力推進機関と規制機関を完全に分離する。保安院や原子力安全委員会 は、その事務局下に吸収、シングル・チェック体制とする。

・新委員会は、委員長及び委員4人で構成し、常勤とする。国会の同意を得て首相が任命する。再任は妨げない。新委員会の議事は、過半数で決定する。

・新委員会は、原子力の研究、開発及び利用に関しその安全の確保を図ることを任務とする。その所掌事務は、
1.定期検査や主務大臣への申告制度など、炉規法や電気事業法等に含まれる原子力利用に関する安全確保のための規制政策全般、
2.核原料物資、核燃料物質及び原子炉の安全確保等、
3.原子力の製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄 事業および関連施設の安全確保規制等、
4.放射線による障害の防止等、5.放射能水準の把握のための監視、及び測定。

・新委員会は必要があるときは、関係行政機関に勧告や助言ができる。新委員会は立ち 入り調査権限を持ち、必要な措置をとることができる。

・新委員会は、国会に対して報告義務を負う。


☆主な関係法の改正等
1.国家行政組織法や原子力基本法の改正
2.原子炉等規制法(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律)の改正=原子力の安全規制面の権限を所管行政庁から新委員会の所管に変える。
 →原子力安全規制委員会設置法案
 →原子力安全規制委員会設置法案要綱