日、月と一泊で穂高行きの予定でしたが天気がいまいちなので日帰り岩トレに変更です。
日曜日は午後から雨になりそうですが、まあ下りになるからいいかなあ~と。

先のブログで書いた通り、阿弥陀岳南稜~赤岳主稜~阿弥陀岳北稜~中央稜を歩いてきました。
前回赤岳主稜と阿弥陀岳北稜は登っていたのでタイムが想定できていたので、まあ余裕でした。実際8時間予定で、トラブルがなければそんな感じだったと思います。

基本岩トレなので、レポは簡略なものにします。
が、下山で広河原沢左俣に迷い込んでしまったので、その辺を少し紹介してみます。

まずは行程のGPSログです。

舟山十字路に車を置き、そこから広河原沢に沿って林道を歩いてから入山します。
ちょうど出発するとき、キノコ採りのおじさんと少し話をしました。ここは○茸で有名なところですよね。「登山道脇でも見つかることがあるよ」などと伺いました。まあ、私はキノコ類が最大の食の敵なのでまったく興味がございませんが・・・
といいながら帰ってから女房に話すと、「山行くんならそういうもの採ってくれば」と言ってました。
おじさんによると夜中にサーチライト手に入山して、明け方には帰ってくる人もいるとか。

南稜の核心部のP3付近で先行のグループ(二人)に追いつきます。ザイル背負ってましたので、「直登コースですか?」と。
「いや、巻き道で」でした。

ではお先にとガリーを登り、そのまま頂上に着いた時もまだP3の頭に姿が見えなかったので、しっかりロープで確保しながら登っていたのでしょうね。

青ナギからの阿弥陀岳。

南稜上部の様子。稜の途中に登山者が見えてます。

P3基部をトラバースする先行者。

P3ガリー登っていきます。出だしのトラバース気味に登る岩が少し難しくて(登れない人はワイヤーに頼る?)、その後は水流沿いに簡単な岩登りとなります。上部は階段状の草付きながら高度感があります。完全に直上するのでなく途中から左に抜けると良いと思います。

阿弥陀岳山頂直下です。

二人はまだ登ってきてません。

山頂の様子

阿弥陀岳からは中岳、文三郎道を経て赤岳主稜取付きのトラバース部まで行きます。

中岳と赤岳

こちらは阿弥陀岳

主稜に取りつきためのガレのトラバース

このトラバース、人によっては『無雪期の核心部』なんて表現もありますが、私にはきわめて容易です。この辺の感覚が人によってマチマチなんですよね。そこが他人のレポを判断する難しさだと思います。ですから山行記録っていうのは、いくら客観表現していてもその人の主観なのだということを頭に置かないとね。 
岩場グレードのⅢとかだって、垂直100mだったらロープ使ったって怖いですからね。まあ、やっぱり登ってみないと、ということでしょうか。

チムニーからの登りは前回書いてますので省略します。
今回はガスがなかったので、つまらないですが写真だけアップしておきます。

チムニー全体

CS部アップ。CSは手前にあり奥にもぐってから簡単に登れます。が、その上が少しいやらしい登りです。ガレているので足場がかなり悪いです。やっぱりここと上部岩稜が核心部というのは冬と同じです。

脆い岩のリッジを登っていきます。

中間岩稜は凹角から

文三郎道を眺めながら

その上は傾斜が落ちたリッジと草付き登りで上部岩稜基部へ

基部からは3mほどの壁を登って(Ⅲ)から写真のようなルートで上部のチムニー(Ⅲ)を抜け稜線に出ます。

主稜のフィナーレは左手のリッジかその右のルンゼ状の草付きを登ります。

岩場からは山頂に立つ登山者が見えます。

登りきったところは山頂直下の緩斜面です。縦走路を歩く登山者の姿が間近に見えます。

赤岳山頂到着

少しガスってきてましたので休みも取らずに阿弥陀岳へ

赤岳にもガスが・・・

阿弥陀岳と中岳のコルから一般登山道を下って北稜に取りつきます。まあ稜線が見えたら取付けばどこでもOKです。

取りついたところ。第一岩稜は灌木に覆われてます。上部草付きも階段状になっているので一般登山道同様の登りです。

ちなみに積雪期はすっきり爽やかな景色となります。

核心の第二岩稜。高度感はありますが快適な岩稜登りです。

そして積雪期にはナイフリッジになるところ通過して終了です。

その積雪期は写真で撮ると絵になります(^^ゞ

誰もいないガスガスの阿弥陀岳山頂。この日2回目となりました。

まず摩利支天まで行って一考

中央稜にしっかりと刻まれた道があるのを確認して下ることにしました。

と、ここまではほぼ完璧です。行程タイム6時間半でしたので、うまくすればほぼ予定通り8時間で行程を終えることができるかもしれない・・・と、そんな思惑でした。
実際、上部の森林限界の下りは快適でした。急な斜面をグングンと高度を下げます。

雲行きが怪しくなってきたのが樹林帯に入ってから。踏み跡が次第に不明瞭に・・・
所々にテープがあるので見落とさないように・・・

と思ってたら見落としてしまったようです。雨と霧で視界がきかなかったことも災いしました。
ついには前方に崖が・・・

たぶんその前段階でGPSを確認して回避することは可能だったと思うんです。
しかし面倒くさがりの性格が災いして、いいやいいやで下ってしまったわけです。
下のGPSログが実際に下ったルートです。

広河原沢左俣のそれもかなり上部に着地してしまったわけです。

『迷っても沢は下らない』という常識があるのですが、私はそこから沢下りを始めてしまいました。高巻いたり懸垂下降したり、ナメ滝は水流をジャブジャブ下ったり、この辺は沢登り感覚の下りバージョンです。
正直かなりの焦りはありました。先の見えない不安てやつです。
危険なトラバースもありましたが、回を重ねると感覚がマヒしてきて何でもありになってしまう・・・
長くて長くて、すーごく時間が経過している錯覚に陥ってました。

やがて傾斜が落ちて沢の悪場は終わったなあ~という感覚を持ちはじめたころ明瞭なクライマー道っていうのかな、が出てきました。不安が安堵に変わり、気が楽になった途端雨が激しく降っていたことに気づきました。ほとんど土砂降りです。

「もうどうでもいいや!」

と雨具も着ないでそのまま40分ほど下って車に戻りました。

時刻は14時5分でした。驚いたことに阿弥陀岳山頂から2時間半しか経ってなかったんですね。自分でも驚くほどの体力だったなあ~と。今回初めて試みたアミノバイタルの効果って、本当にあるのかしら( ;∀;)

そんな笑い話で終わりましたが、一つ間違えば命を落としかねないミスだったことを反省とします。
一体何のトレーニングだったのか・・・

おしまい

追加です。

今回累積標高が2000mもあったのでヒザ痛がでませんでした。
一応対策として、登りでもダブルストック使用(下りのトラブルで1本壊れた(>_<))
ビザのお皿の下を締め付けるサポータを使用してみた。
アミノバイタルプロ3600を2包飲んだ。
なるべく衝撃がないように下った。
保険でロキソニンも持参(痛くならなかったので使用せず)

どれの効果でそうなったのかは分かりません。偶然かもしれません。
次もこれでやってみます。