2015年2月16日赤岳登山レポ


日曜日に女房の顔色を伺いながら一日過ごしてしまい、少々ストレスを感じながら頭の中では翌日の山行を考えます。
月曜日はもちろん仕事。でも夜勤なので夕方まではとりあえずフリー。以前夜勤前に表妙義を縦走してその日の仕事が地獄だったことが記憶にあって、「こんなことをしてはいけない」という
ごく当たり前な考えはあったのですが、確実に晴れるのに行かない手はない、という山やとしての抑えきれない欲求に押されました。

どこに登る?
阿弥陀岳南稜に登りたいなあ~
前回P3のガリーを無防備で取り付いて命からがら側壁に逃げてしまっているので、もう一度ちゃんとした装備をしてピオレトラクションで余裕を持って登りたい、そんな思いがありました。
しかし、体力的にどうだろうか・・・
そんな気持ちが交錯しながら当日を迎えます。

午前2時に起きて、2時30分に家を出発します。
今回は八ヶ岳南部なので中央道経由で現地に向かいます。上信越でも時間的には大差ないのですが、白樺湖の凍結道で神経使うのもが嫌なのでお金で解決しました。(高速代高すぎるぞ!!)

諏訪南ICで下りてからもまだ迷ってました。南稜なら舟山十字路です。が、走りながら気持ちが萎えていき、「とりあえず美濃戸口に行こう!」となり、そう気持ちを切り替えたとたん気が楽になりました。

美濃戸口着は5時30分でした。
真っ暗ではありませんが、準備をするには暗すぎるのでヘッドランプを必要とします。
平日なので車はほとんどありません。まあ20台ほどでしょうか。
気温は-12~3℃。風がないのでそれほどの寒さは感じません。

5時50分出発します。まずは林道歩きのウォーミングアップからです。
「何でここを歩かなくちゃならないんだ~」
「四駆の車が欲しい!」
ここを歩く人は誰でもそう思うんでしょうね(^_^;)

まあ退屈な林道歩きをしながらも、次回車で走ることを想定しながら路面の確認をつつ50分ほどで赤岳山荘に着きます。人はおろか車一台も通りませんでした。人気のコースといえども平日はこんなもんなんですね。
で、さらに少し歩って美濃戸山荘へ。その先で北沢コースと分かれて南沢を行者小屋に向かいます。

あっ、どこに登るのかって?
そうなんです、この時点では阿弥陀岳北稜をターゲットにしてました(^_^;)
前回の登攀でソロでも登れるなあ~と感じていたので・・・

南沢はトレースはばっちりですが人気がないですね。前回は週末でしたが登山者はぽつらぽつら・・・。通年営業でしかもイベントに力を入れてる鉱泉に人は向かいますよね、やっぱり。
そんなわけで静かな雪道2時間ほどで行者小屋に着きました。
ん~・・・ひとりでも2時間かかってしまいますか。。。
体力ないなあ~


さあ、どうしよう・・・
北稜がオレを呼んでる!?
いや、やめとけ!って聞こえました(^_^;)

了解で~す(^-^)/
あっさり赤岳に変更です。
いざ、となるとヘタレなぬかぼしなのです(*^_^*)

となると、ガチャ類は何の役目も果たせずただの邪魔者と化してしまいましたが、それほど装備に力を入れてませんでしたので、いつもの「まあいいか!」で終わりです。


登るにつれ阿弥陀岳はより存在感を増してきます。
北稜に取り付いてる数人も見えます。

楽しそう!


ちなみに北稜のルートはこんな感じです。


赤岳に登ると決めたらあとは文三郎道をひたすら登るだけです。
年末年始にはまだ露出している階段も今は雪に埋もれています。難易度は確実にアップしている、というわけです。


実は赤岳に登ろうと思った目的もあったんです。3/8に予定している赤岳西壁北峰リッジ(赤岳主稜)の偵察もしたかったんですよね。阿弥陀岳南稜や北稜に登っただけだと赤岳主稜の取付きやらルートを把握できない・・・
負け惜しみになりますけど、文三郎道を登ったことで偵察の目的を果たすことはできました。


これが赤岳西壁です。
では主稜はどこになるのでしようか・・・


はい、こんな感じになります。
赤岳主稜についてはネットで下調べはしてましたので頭の中ではある程度のイメージはできてました。取付き部までのトラバース、そして取付き部のチムニー・・・

ん~・・・このトラバース、確かに微妙です。ロープ出すか出さないか・・・
直感的には何とかなりそう・・・でも雪の状態によっては・・・という感じでしょうか。
そんな斜面です。


このチムニーを抜けると傾斜はやや緩みそうです。
そう、ここからがお楽しみのコースとなるはずです。
(それは登る時のお楽しみです)


横岳西壁です。


阿弥陀岳に負けじと中岳もその存在感を主張している、という構図です。


でも、分岐まで登ってくると、その中岳は阿弥陀岳の前に埋もれてしまいましたねえ~(^_^;)


文三郎道を見下ろしてみます。


上は赤岳の岩稜が行く手を阻んでいるかのようです。


まあ多少の緊張感をもって登りきれば稜線に出ます。
権現岳や奥の南アルプスの高嶺も見えてます。


そうです、富士山を忘れてはいけませんねえ~


さあ、頂上が見えてきました。


着きました~
まあ、今回は一応の一区切りということで・・・
まだ主稜を登るという課題が残ってますのでこの程度でいいかと。


下りは地蔵尾根です。


まずは天望荘へ


地蔵尾根の最上部はなんちゃってナイフリッジになってました。


すれ違った登山者が「もう二度と登りたくない!」と言い、20分近くそのナイフリッジで手こずってた別の登山者の様子を見たり、なるほど厳冬期はそれなりに難易度が上がるんだなあ~と、別の顔を見せてくれた地蔵尾根に多少の緊張感を感じながらも楽しく下山することができました。


最後は、阿弥陀岳を眺めながらシリセード天国を少しだけ味わったりしてあっという間に行者小屋まで下ってしまいました。
時刻はまだ11時30分、休日ならばもうひと縦走できる感じです。
こんな日に赤岳主稜を登攀できたら最高の気分だったろうなあ~思いつつも、平日の八ヶ岳には似つかわしい閑散とした雰囲気に一抹の寂しさを感じながら行者小屋を後にしました。

おしまい