転塾は是か非か(①SAPIXを客観的に見て) | 入試で燃え尽きない 頭脳の育成。season2

入試で燃え尽きない 頭脳の育成。season2

小6双子息子の中学受験戦略記。2017終了組の娘(小3夏~SAPIX、小6春にWに転塾:season1)に引き続くseason2。

直前期のことを書く前に、結局転塾してよかったのかどうなのかの総括をしておきます。「転塾(特にSAPIXからの転塾)」を考える場面に出くわす受験生家庭は、これからも出てくることでしょう。少しでも参考になればと思います。


■SAPIXへの適性

まず最初に言います。SAPIXはいい塾です。ただ、「できる子」のために最適化されたシステムであり、「できない子」が「できる子」になるための塾では本質的にはありません。そこらへんのことは、過去のblogでさんざ書いているとおりです。

SAPIXでαを維持していれば「できる子」と推定でき、SAPIXへの適性はあると言えます。

別の見方をすれば、自立心や競争心があり自らの間違いに謙虚に向かいあうことができ、向上心があり負けず嫌いであれば、安心してSAPIXに通わせればいいでしょう。

まあそういう意識レベルの高い小学生を御三家レベルは欲しているわけで、そういうすでに「できる」子供を集めて芸術的な高みまで最適化した塾がSAPIXなわけです。


■SAPIXを離れるのは簡単だが

問題はわが子のように「(SAPIXで)できない子」ですが、  受験勉強をはじめた時期による不利を背負っているケースもあるでしょうが、総じて子供の要因と親の要因が半々だと思うのです。子供の性格、子供の精神的成長、家庭の雰囲気、親の背中、などなど。ただ、いずれにしても親が仕掛けないと子供は「できる子」に変わらない。できるようになるのは子供本人ですが、それを仕掛けるのは塾ではなくて、親しかいない。そう強く思います。

というのも、塾通いで成果がでないのは塾のせいではありません。同じ授業と同じ宿題が出ているのですから。違うのは塾を一歩でてからの時間のはずです。

塾の指示通りのこと、つまりSAPIXが求めている「できる子」になるための基本動作を毎日家でできているか。たとえば基礎トレを毎日やっているのか、翌週の授業内テストで9割取れるような追い込みかたの家庭学習をしているか。保護者会に出て家庭学習に求められているものを親が理解して子供に共有できているか。

SAPIXの中の立ち位置が芳しくないとき、塾の指示通りやっていないだけなのか、それともやっているのにどうしても「できる子」に成長しないのか。後者の場合にようやく選択肢として「転塾」の二文字が有効になるのだと思います。


■わが家の場合~道は一つではない

わが家では、私がSAPIXメソッドの良き理解者と伝道者となって娘の勉強を小3夏から見てきましたが、それでも良い習慣がまったく身に付かないのが悩みでした。

SAPIXの競争心を煽るシステム、上位クラスの厳しい雰囲気についていけず、問題を間違えても間違えることに鈍感になり、モチベーションがた落ち。

SAPIXシステムへの本人適性も良くない上に、どこかでショック療法を与えないと、ゆでがえるよろしくこのままズルズル沈んでいってしまいそうな予感がしたのです。

転塾先は、自宅からの距離、志望校への合格実績、そして先生との距離感を勘案してWになりました。

blogのどこかにも書きましたが、SAPIXがどんなに合格者数80~90%を占めても、残りの10~20%は非SAPIX生なんです。道は一つではないはずなのです。

(つづく)