徒然草 第20段 某(なにがし)とかやいひし世すて人の、「この世のほだし もたらぬ身に、たゞ空のなごりのみぞ惜しき。」と言ひしこそ、まことにさも覺えぬべけれ。 現代語訳 誰だったかある世捨て人が「わたしはもうこの世には何も思い残すことはないが、ただ、この空に別れを告げるのだけはさびしい」と言ったが、まったくわた しも同感である。