SRエンジンが高回転に弱いと言われる理由は何か。
【追記】
思った以上の反響:アクセスがあり大変恐縮しております
加筆修正を加えた記事をあげましたので、コチラもよろしくお願いします
⇒http://minkara.carview.co.jp/userid/1422581/blog/28061390/
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「SRエンジンは高回転が弱い」というのは、もはや走り屋や走り屋予備軍には常識のはず。
でも、なんで弱いのか?駄目なのか?
機械構造という面で、ハッキリと理解できてる予備軍は多くないと思います
詳しく知らないのに、さも決め付けるように「SRは高回転はダメだ!」なんていっても、
それはただの知ったかに過ぎないですよね
そう思ったので、勉強しましたw
だって知らないの恥ずかしいし…?
というわけで、SRの弱点と知られるラッシュアジャスターとロッカーアームについて少し勉強してみました
そこでわかったのが、
SR20エンジンって、今ではもう廃盤とは言え今時では珍しい設計のエンジンだったということ。
カムの駆動は昔ながらのチェーンで、バルブはロッカーアームを介して開閉されてます
同じ日産車でも他のメーカーでも、スポーツカーに積むエンジンにこういった方式を採用している例は無いですよね。
もしあるとすらならホンダのVTECくらいですが、こちらはまた別に特殊なので除きます(笑)
バルブクリアランスの調整が不要になる油圧式ラッシュアジャスターを採用したのは良いとして、そこにロッカーアームを組合せてるのがいただけない。と、よく誌面でチューナーが言っていますね
普通の運転状況ではメリットになるものの、レブリミット付近まで回ることが予想されるスポーツ走行ではデメリットになってしまうのです
スポーツカーのエンジンなのに、これで良いんかいな(^_^;)
参考に、他のエンジンと仕組みを比べてみましょう
○RB26DETT/1JZーGTE/4AG○
カムが直接バルブを開閉するため、「直打式」または「直動式」と呼ばれるメカニズムで、高回転向きのエンジンに採用される方式です。
ラッシュアジャスター機構が無いので、一定のバルブクリアランスをシムで調整する手間がある代わり、ダイレクトなバルブ開閉動作が得られるので、カムの作用角やバルタイ(可変バルブタイミング)がギリギリまでシビアに煮詰められるという魅力があるのです
トヨタは流石ヤマハが設計に携わってるだけに、設計が一言にスパルタン
4AーGや3SーGTなど、スポーティーカーに搭載されるエンジンの殆どがラッシュアジャスターを持たない機構です
メンテナンスの手間は、気持ちのいい高回転サウンドの代償なのでしょうね(笑)
あまり知られていませんが、RB系エンジンでも、RB26だけはこの方式(=直動(直打)式)を採用しています
○RB25DET/RB20DET○
先の直動式に分類されますが、油圧ラッシュアジャスターがバルブの“上に”あります。
行程としては、[カム]→[ラッシュアジャスター]→[シム]→[バルブ]
○SR20DET○
行程は、[カム]→{[ロッカーアーム][ラッシュアジャスター]}→[シム]→[バルブ]
メリットとしては、
・バルブクリアランスをゼロに自動調整するため、シムの厚みが調整不要な点
・メカニカルノイズが低減
・ロッカーアームを介すことでバルブのリフト量を稼げる点
・バルブの挟み角が広げられ、エンジンの高さを低く抑えられる点
逆に、デメリットとは、
・ラッシュアジャスターは高回転での追従性が悪い点
・パーツ点数が増えることでトラブルの可能性や、エンジン総重量が増える点
こうして比較すると、いかにRB26や4AGが高回転向きのエンジンか、わかりますよね
RBエンジンは「レブらせながらつなげて…」なんて状態があるのに、SRエンジンは「レブらせたらアカン!」と言われる由縁が、ここにあるんだなぁ~
SRのデメリットの、最悪の状況とされるのが“ロッカーアーム飛び”です
なぜロッカーアームが飛ぶか?
高回転を多用したり、オイル管理が悪くカムとの接触面にひっかかりがあると、ロッカーアームが暴れて本来あるべき場所から脱落します。
結果その場所のバルブは動かなくなるので、一気筒死んだ状態になります。(ちまたの「一発死んだ」とはこの事)
ロッカーアームが暴れて、異常音(擦れるような金属音やガラガラ音)も出ます
ヘッドカバーを開けてロッカーアームを元の位置に戻せれば事なきですし、それで直ってしまうケースもありますが、大半は【飛ぶ=割れる】です
D1SLやドラッグでSRエンジン車に乗る選手の大半も、スペアのロッカーアームを持つほどですからね。確率はかなり高いでしょう
でも割れた場合、しっかりと割れた破片を拾ってから組み付けないと、カムやらロッカーアームやらスプリングに挟まって…ブロー直行!?になりかねません
カムチェーンの穴からオイルパンに落ちているケースもあるそうです
これら以上の対策として、以下があります。
・ロッカーアームストッパーの装着
ロッカーアームが飛ぶのをガードしてくれるパーツです
効果の割に、各社1万円を切るというコストパフォーマンスが魅力と言えますね
・強化ロッカーアームへの交換
勘違いされがちですが、強化といっても材質変更ではなく、接触面の改善です
特殊コーティングを施して油膜切れを防いでくれる効果を出し、カム接触面での“ひっかかり”を低減します
傷つき難く滑りやすくというわけですな(笑)
・ラッシュアジャスターの廃止
直動式に近い状態にすることで、高回転での追従性をアップさせます
バルブクリアランスは自動ではなくシム調整になるので、専用のシムとそれなりの調整技術が必要とされます
ラッシュアジャスター式より正確でスピーディなバルブ開閉が可能となるため、よりアグレッシブかつ突っ込んだプロフィールのカムが使えるようになるというのが、最大の魅力です
さて、
今回は“ラッシュアジャスター”と“ロッカーアーム”について注目しつつ、“高回転域”という弱点の追究しましたが…
まだまだSRには弱点がありますね(^_^;)
点火系のハーネスは有名ですが…
そもそもエンジンがアルミ製だから熱に弱い=高回転が辛いという、根底をも揺るがす弱点が((((゜д゜;))))
いや~怖い怖い
将来壊さないためにも、今から対策を練っていきたいですね
さて…次回、あるのかな?←
あったら、レブチューンに目を向けてみた記事を書きたいです
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「SRエンジンは高回転が弱い」というのは、もはや走り屋や走り屋予備軍には常識のはず。
でも、なんで弱いのか?駄目なのか?
機械構造という面で、ハッキリと理解できてる予備軍は多くないと思います
詳しく知らないのに、さも決め付けるように「SRは高回転はダメだ!」なんていっても、
それはただの知ったかに過ぎないですよね

そう思ったので、勉強しましたw
だって知らないの恥ずかしいし…?
というわけで、SRの弱点と知られるラッシュアジャスターとロッカーアームについて少し勉強してみました

そこでわかったのが、
SR20エンジンって、今ではもう廃盤とは言え今時では珍しい設計のエンジンだったということ。
カムの駆動は昔ながらのチェーンで、バルブはロッカーアームを介して開閉されてます
同じ日産車でも他のメーカーでも、スポーツカーに積むエンジンにこういった方式を採用している例は無いですよね。
もしあるとすらならホンダのVTECくらいですが、こちらはまた別に特殊なので除きます(笑)
バルブクリアランスの調整が不要になる油圧式ラッシュアジャスターを採用したのは良いとして、そこにロッカーアームを組合せてるのがいただけない。と、よく誌面でチューナーが言っていますね
普通の運転状況ではメリットになるものの、レブリミット付近まで回ることが予想されるスポーツ走行ではデメリットになってしまうのです
スポーツカーのエンジンなのに、これで良いんかいな(^_^;)
参考に、他のエンジンと仕組みを比べてみましょう
○RB26DETT/1JZーGTE/4AG○
カムが直接バルブを開閉するため、「直打式」または「直動式」と呼ばれるメカニズムで、高回転向きのエンジンに採用される方式です。
ラッシュアジャスター機構が無いので、一定のバルブクリアランスをシムで調整する手間がある代わり、ダイレクトなバルブ開閉動作が得られるので、カムの作用角やバルタイ(可変バルブタイミング)がギリギリまでシビアに煮詰められるという魅力があるのです

トヨタは流石ヤマハが設計に携わってるだけに、設計が一言にスパルタン
4AーGや3SーGTなど、スポーティーカーに搭載されるエンジンの殆どがラッシュアジャスターを持たない機構です
メンテナンスの手間は、気持ちのいい高回転サウンドの代償なのでしょうね(笑)
あまり知られていませんが、RB系エンジンでも、RB26だけはこの方式(=直動(直打)式)を採用しています
○RB25DET/RB20DET○
先の直動式に分類されますが、油圧ラッシュアジャスターがバルブの“上に”あります。
行程としては、[カム]→[ラッシュアジャスター]→[シム]→[バルブ]
○SR20DET○
行程は、[カム]→{[ロッカーアーム][ラッシュアジャスター]}→[シム]→[バルブ]
メリットとしては、
・バルブクリアランスをゼロに自動調整するため、シムの厚みが調整不要な点
・メカニカルノイズが低減
・ロッカーアームを介すことでバルブのリフト量を稼げる点
・バルブの挟み角が広げられ、エンジンの高さを低く抑えられる点
逆に、デメリットとは、
・ラッシュアジャスターは高回転での追従性が悪い点
・パーツ点数が増えることでトラブルの可能性や、エンジン総重量が増える点
こうして比較すると、いかにRB26や4AGが高回転向きのエンジンか、わかりますよね
RBエンジンは「レブらせながらつなげて…」なんて状態があるのに、SRエンジンは「レブらせたらアカン!」と言われる由縁が、ここにあるんだなぁ~
SRのデメリットの、最悪の状況とされるのが“ロッカーアーム飛び”です
なぜロッカーアームが飛ぶか?
高回転を多用したり、オイル管理が悪くカムとの接触面にひっかかりがあると、ロッカーアームが暴れて本来あるべき場所から脱落します。
結果その場所のバルブは動かなくなるので、一気筒死んだ状態になります。(ちまたの「一発死んだ」とはこの事)
ロッカーアームが暴れて、異常音(擦れるような金属音やガラガラ音)も出ます

ヘッドカバーを開けてロッカーアームを元の位置に戻せれば事なきですし、それで直ってしまうケースもありますが、大半は【飛ぶ=割れる】です

D1SLやドラッグでSRエンジン車に乗る選手の大半も、スペアのロッカーアームを持つほどですからね。確率はかなり高いでしょう

でも割れた場合、しっかりと割れた破片を拾ってから組み付けないと、カムやらロッカーアームやらスプリングに挟まって…ブロー直行!?になりかねません

カムチェーンの穴からオイルパンに落ちているケースもあるそうです

これら以上の対策として、以下があります。
・ロッカーアームストッパーの装着
ロッカーアームが飛ぶのをガードしてくれるパーツです

効果の割に、各社1万円を切るというコストパフォーマンスが魅力と言えますね

・強化ロッカーアームへの交換
勘違いされがちですが、強化といっても材質変更ではなく、接触面の改善です

特殊コーティングを施して油膜切れを防いでくれる効果を出し、カム接触面での“ひっかかり”を低減します
傷つき難く滑りやすくというわけですな(笑)
・ラッシュアジャスターの廃止
直動式に近い状態にすることで、高回転での追従性をアップさせます
バルブクリアランスは自動ではなくシム調整になるので、専用のシムとそれなりの調整技術が必要とされます

ラッシュアジャスター式より正確でスピーディなバルブ開閉が可能となるため、よりアグレッシブかつ突っ込んだプロフィールのカムが使えるようになるというのが、最大の魅力です

さて、
今回は“ラッシュアジャスター”と“ロッカーアーム”について注目しつつ、“高回転域”という弱点の追究しましたが…
まだまだSRには弱点がありますね(^_^;)
点火系のハーネスは有名ですが…
そもそもエンジンがアルミ製だから熱に弱い=高回転が辛いという、根底をも揺るがす弱点が((((゜д゜;))))
いや~怖い怖い

将来壊さないためにも、今から対策を練っていきたいですね

さて…次回、あるのかな?←
あったら、レブチューンに目を向けてみた記事を書きたいです

