看護管理者らでつくる日本看護管理学会(鶴田惠子理事長)は3月28日、東京都内で緊急フォーラム「来たれ!看護管理者」を開いた。フォーラムには、全国各地から病院の看護部長や看護師長など約250人が出席。来年度の診療報酬改定と厚生労働省の看護関連検討会の進ちょく状況について、関係者が報告・説明した後、出席者との質疑応答を行った。

■13対1や15対1は急性期から外れる―日看協・斉藤氏

 フォーラムの前半は、「診療報酬改定を読み解く」をテーマに東京医療保健大医療保健学部看護学科長の坂本すが氏、日本看護協会(日看協)常任理事の斉藤訓子氏、慶大看護医療学部准教授の小池智子氏の3人がそれぞれ講演した。

 中央社会保険医療協議会(中医協)で専門委員を務める坂本氏は、昨年秋の政権交代に伴い、日本医師会の執行部が中医協委員から外れたことに関連して、「大変大きな節目を迎えた診療報酬改定だった」と、その意義を強調。また、「急性期看護補助体制加算」や「栄養サポートチーム(NST)加算」などが新設され、来年度改定で勤務医対策の点数が現行の3つから9つに拡大する点については、「チーム(医療)でやっていこうということが、今回の診療報酬改定で見えてきた」と述べた。
 日看協で診療報酬を担当する斉藤氏は、来年度改定のうち看護関連の項目を説明。注目すべき点として、一般病棟入院基本料における14日以内の早期退院への加算の引き上げと、10対1入院基本料に新設する「一般病棟看護必要度評価加算」を挙げ、「これからの急性期が機能分化していくことが読み取れる。13対1や15対1は恐らく急性期から外れてくると考えた方がよい」との認識を示した。

■戦略的な看護管理者が必要―慶大・小池氏

 一方、小池氏は「(診療報酬の)点数ができるのを待って行動する段階ではない。(点数として)必要であれば、診療報酬として評価されるための働き掛けを行うべきだ」と繰り返し主張。その上で、「今の実績はいつか診療報酬として反映、評価される可能性があると認識し、そのデータを看保連(看護系学会等社会保険連合)や最寄りの学会に伝える。戦略的に活動する看護管理者が求められていくと思う」と強調した。

■「急性期看護補助体制加算」新設の意味とは?

 出席者との質疑応答で坂本氏は、来年度改定で引き上げられる「がん診療連携拠点病院加算」の算定要件が「キャンサーボードには、看護師、薬剤師等の医療関係職種が参加していることが望ましい」としている点に触れ、「(キャンサーボードに)ぜひ入ってほしい」と要望。2年後の診療報酬改定に向けたデータ集積の意義を強調した。
 坂本氏はまた、急性期看護補助体制加算について、「『(点数が)付いた。よかった』ではなく、(この加算が)何を指し示しているのか」と問題提起した上で、管理者が看護師と看護補助者の業務をマネジメントする中で、「ある一定のリスクもあるかもしれないが、ものすごく進歩的な方向に進むことをこの加算で考えてほしい」と求めた。


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