こんにちは光本です
今日は面会交流支援についてです。
首都圏の団体の支援料金の相場は、付き添い1時間で10000円前後というところでしょうか?
しかしながら、それをそのまま時給計算のように捉えられてしまっては困ります。
面会交流支援で食べていけますか?と、新規に支援事業立ち上げをされようとしている方々にもよく聞かれますが、お金のためだけならやらないほうがいいです。
1時間の面会交流をするのに、どれだけの紆余曲折があるか。
子どもにとってのベストを模索しながら、継続して、安定して面会交流ができるにはどうすればいいかを考えると、メールの回数や連絡を取り合う時間に制限をつけられないこともあります。そういう料金もコミコミです。
遠方に住む親御さんとの面会交流なら、夜中や早朝に当日確認を取ったり、
葛藤の高いご両親なら、スタッフを複数名つけてフォローしたり、
スタッフとの信頼関係構築のためにお子さんとの面談の時間を設けたり。
スタッフ2人分の料金を貰えばいいじゃない、時間外対応料金を貰えばいいじゃない、というご意見もいただきますが、それにも問題点は多々あります。全てが全て、折半で支援料をお支払いいただいているわけではないですし、追加料金が発生することで更なる葛藤がうまれることもあります。それで面会交流が延び延びになっては本末転倒。子どもの成長はいつだって止まりません。
そうすると、支援の効率化を図るしかないですが、効率化を図る方法は、スタッフ間の情報共有方法や顧客管理などの事務的な対利用者でない部分で模索するしかありません。
面会交流をするのに、できる限りお金をかけてほしくないですし、だったら子どもの教育ややりたいことに使ってあげて、当事者同士で面会交流ができる環境が整うのが1番いい。と思います。
しかし、たとえ法律で子どもの利益のためにと言って調停が成立したとしても、離婚して、調停が申し立てられるまでの一連の彼是があったわけなので、「決まりましたのでハイどうぞ来月から」と言ってできるわけないんです。
両親の双方もしくは一方が不満を抱えて嫌々やる面会交流で、子どもが何を感じるでしょう?
子どもの利益、両親からの双方の愛情、なんてものは遠い綺麗事になってしまうことも実際にはしばしばです。
だからこそ、
同居親さんが子どもの前で不安な表情を見せないように面会交流に臨んでもらうにはどうするか?
別居親さんとの信頼関係を築き、調整の過程を信頼して任せてもらうにはどうするか?
子どもたちに、自分のことを真剣に考えてくれる大人だと思ってもらえる支援ができているか?
近い未来に、親子が、面会交流を日常の一部にしていけるか?
とりあう連絡の数々には、意外にも多くの時間をかけて思いを詰め込んでいます。それぞれの家族の形の中で、親子が幸せになれますように、と。
ひとり親家庭に育った私は、良い意味でも悪い意味でも関わりがあったからこそ親を知ることができて良かったと思っています。
同じくひとり親家庭に育ったボランティアスタッフは、「親がどんな人か知りたいけれど、2度と会いたくないという同居親を前に、言い出せなかった。子どもの頃に第三者機関を知っていたら、自分で親に頼んでいたのに。」と言っていました。
子どもの立場から、面会交流の意義と支援の必要性を強く感じるからこそ、できている活動です。
子どもの利益を追求しようとすればするほど、はっきり言って経済的にはマイナスです。良い支援ができているのかどうかは今はわかりませんし、それを判断するのは私たちではなく、数年後に大きくなった子どもたちでしょう。
面会交流支援は、仕事だからという気持ちだけでは絶対にできません。