4月報告 “片隅”からの声 | 特定非営利活動法人移動支援Rera
Reraの毎日の送迎のべ人数は平均70~80人。多い日は100人を超える送迎を行っています。
朝、スタッフが持って出る「リスト」は、ぎっしり2枚に名前や行先が詰め込まれています。日々の送迎から戻ると、それぞれのスタッフがその日出会った出来事や留意事項を報告し、気になる情報を共有し、メモしていきます。

リストの隅に書き込まれた赤ペンのメモを読み返すと、送迎で関わった一人一人の楽しみや怒りや悲しみ、様々な事柄の小さな断片が積み重なっているのを感じます。

「歩き悪くなった。つらそう。『死にたい』と言っていた。」「亡くなったお子さんを思い出して泣いていた。」「仮設に頼れる人がいなくて、娘を女川から呼び出して怒られた。」「外国の船の座礁のニュースを見ていてフラッシュバック起こす。」

中には

「ずいぶん良くなった。車いす卒業?」「元気そう。今日も下ネタトーク。」「マヒ回復。初めて笑った。」

などの明るいニュースもあります。

みなさんは
「暗い話は聞きたくない。明るい話題が良い。」
と感じますか?

生きていくためにポジティブになることは大切です。
それは誰しも同じです。利用者さんの中には、つらい現実を受け入れようとする声もあります。

「抗がん治療。『病気のお陰で色々なことに感謝できる』と言っていた。」「自分に『頑張らないと』と言い聞かせている。」

けれども同時に、

「元気ない。ずっと無言。」「落ち込んでいる。」「調子悪い。メンタル下降。」

という報告もあります。
明るい話題を探して、このメモ書きから目を背けると、明るい気持ちになれるでしょうか。
少なくとも直接こういった方々と関わることになった私たちにとって、目を背けて送迎することはできません。
なるべく多くの方々にも、目を背けずにいてもらえたらと願います。

震災当初から様々な方を送迎してきました。途方に暮れている人、嘆き悲しむ人、バイタリティに溢れる人、ひたすら粛々と生きている人。
復興が進み何とか立ち直った人々も多い中で、私たちは気がつくとずっと同じような困難を抱えた人々との関わりが今でも続いています。
震災の影響も強く残りますが、一人一人の抱えるものは決して震災だけの特別な困難ではありません。それ故に、すぐに解決するというものばかりでもありません。

まだ石巻の復興公営住宅の完成率は1割にも満たないものですが、入居の抽選に幸運にも当たった利用者さん達もいらっしゃいます。
カビだらけで騒音だらけの狭い狭いプレハブ仮設住まいから脱出し、前途洋洋のはずの復興公営住宅ですが、どういう訳か今はそういう声があまり聞こえてきません。

「買い物するところがない。どこに行けば何があるかわからない。移動販売車が来るのだが、音を出して呼び込みできない決まりがあるらしく、来ても気がつかない。バスもわからない。」
「オートロックの開錠がわからず締め出された。」
「住宅によって質が大きく違い、ここは仮設と同じくらい壁が薄くて騒音がある。」
「誰とも話さなくなった。ご近所が気軽に来てくれていた仮設住宅に戻りたい。」


これから少しずつ慣れていくのか、
それとも、仮設と違い「個々の問題」と片付けられ、問題そのものが埋没していくのか。
注意が必要です。

さて。
4月初旬には、何かとお世話になっている東京江東南ライオンズクラブの有志の方々が、Reraのすべての車輌のためにドライブレコーダーを寄贈して下さいました!車音譜

週末を使い全車輌に設置して下さいました。
画像の質の良さには驚きです。
ドライブレコーダーは設置するだけで事故が減る(無意識に安全運転になる)のだそうです。事故に巻き込まれた際、あるいは目撃した際なども証拠として提示できます。

本当にありがとうございました。

石巻で配食サービスを開始した『愛さんさん宅食』さんが、Reraのスタッフにも試食を持ってきてくださいました。

「試食」というより、ほぼ全員、自分たちのダイエットや健康な食事が必要なReraスタッフ(笑)
お客さん候補として真剣に試食させていただきました。おいしいと好評でした。東北の人は濃い味付けを好みます。この嗜好と健康をいかに折り合いつけさせるか、という難関もありそうですね。
Reraの利用者さんの大多数は病気持ちです(何しろ送迎の9割が通院です)。
独居で食生活の乱れている方々も多くいます。食べ物で健康状態は大きく変わります。さんさん宅食さん、ぜひとも頑張って下さい。

『人間支援物資』ことお馴染みDPI日本会議の佐藤綾乃さんが4月にも来て下さいました~。
年度末を迎えての決算業務などなど、頭を抱える問題山積の4月。本当に助かります。いつもありがとうございます。

おかげで色々とややこしいNPO会計報告関係が完成しました。綾乃さん、スタッフの加藤さんと植野さん、ありがとうございました。

4月は阿部さんのお誕生日でしたクラッカー


地元のボランティア、遠藤君が活動に参加してくれています。
若干19歳!
再若年でも“アラフォー”だったレラに若い風が吹いています。

また、関西からしばらく振り2度目のボランティア、谷村さんがはるばる来て下さいました。

札幌協働福祉会より派遣され、昨年11月からお手伝いして下さっていた藤田さんが、札幌に異動となり帰って行きました。
働き者の藤田さん、お世話になりました。
横浜の井上さんもありがとうございます。

年度の切り替わりだった4月。
去年、一昨年、4月はいつも波乱の「年度越え」でした。資金的にもとても不安定で、精神的にも時間的にも、肉体的にも余裕がなく、ピリピリしたりギクシャクしたり。
今年の4月はこれまでになく、静かに当たり前のようにやって来ました。誰もが当たり前のように業務を続け、いつもの足取りで一緒にまたいだ年度の区切りは、逆に感慨深いものでした。

年度が切り替わり、助成金や補助金のほとんどが切れて、次の助成金や補助金は十分には決まらない、つらい「はざま」の4月は、“締め切り地獄”の月でもあります。
前年度分の助成金や補助金の報告や精算、そして新しい補助事業などへの応募申し込み締め切り。

徹夜作業が続く中、スタッフがお手伝いしてくれたり、毎日の送迎業務をしっかり守ってくれたりで、どうにか乗り切ることができました。

今年も日和山の桜が咲きました。

桜の花の下に見える景色は、今でも“荒野”になってしまったかつての南浜町。
来年は、そして5年後、10年後は、どのようになっているのでしょう。

ドキドキ4月のありがとうドキドキ
北海道 武本さま
埼玉県 野澤さま
山形県 遠藤さま
東京ウイルライオンズクラブさま
兵庫県 谷村さま
オーテックジャパンさま
福岡県 岸本さま
石巻市 阿部さま
北海道 丸山さま
石巻市 阿部さま
愛知県 嶌村さま 松林寺のみなさま
北海道 冨田さま チャリティー版画寄付
チャリティーTシャツをお買い上げのみなさま
大阪府 伊藤さま

チーズ4月のごちそうさまチーズ
京都府 河合さま お菓子
山形県 遠藤さま お米、お菓子

ご連絡が遅くなってしまい誠に申し訳ございませんでした。
東京より、東京ウイルライオンズクラブ様からご支援金をご送金いただきました。
北海道の版画家冨田さんのチャリティー版画売上金のご寄付をいただきました。

県外ボランティア仲間のみなさんからもご寄付をいただきました。
定期的にご寄付を送り続けて下さっているみなさま、何かのご縁でご寄付下さったみなさま、おいしいものを送ってくださるみなさま、ありがとうございます。
お預かりしましたご寄付は大切に管理し、責任をもって私達の移動支援活動に役立てさせていただきます。

グッド!移動支援Reraサポーター募集 グッド!
NEW寄付金クレジット決済ページも出来ました!!NEW

桜4月 活動実績桜
(依頼件数・走行回数・送迎人数・スタッフ数)
4/1(火) 34件 62回 75人 14人
4/2(水) 35件 64回 82人 11人
4/3(木) 33件 65回 82人 12人
4/4(金) 32件 58回 86人 10人
4/5(土) 22件 39回 47人 7人
4/7(月) 38件 66回 91人 14人
4/8(火) 33件 59回 80人 12人
4/9(水) 33件 58回 75人 13人
4/10(木) 32件 57回 76人 12人
4/11(金) 40件 76回 92人 13人
4/12(土) 23件 40回 47人 9人
4/14(月) 34件 60回 70人 12人
4/15(火) 44件 83回 101人 13人
4/16(水) 36件 64回 87人 11人
4/17(木) 39件 70回 90人 12人
4/18(金) 30件 59回 79人 11人
4/19(土) 23件 42回 46人 7人
4/21(月) 31件 58回 85人 11人
4/22(火) 43件 77回 93人 14人
4/23(水) 38件 75回 96人 12人
4/24(木) 34件 64回 83人 13人
4/25(金) 37件 71回 90人 12人
4/26(土) 20件 36回 40人 7人
4/28(月) 37件 67回 86人 12人
4/29(火・祝) 16件 27回 29人 9人
4/30(水) 38件 73回 94人 9人
合計  855件 1,570回 2,002人 292人

前月報告に引き続き、一ヶ月まとめての報告で申し訳ございません。

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