灼熱!奥多摩トレラン/金比羅~馬頭刈尾根 | ダイアローグ・ドキュメント

灼熱!奥多摩トレラン/金比羅~馬頭刈尾根


7/17(日)、約1ヶ月半ぶりに奥多摩へ出動。


山へ動き出すまでには、葛藤があった。
こんなに暑くて(※奥多摩も暑い!)、ロードさえもまともに走れないのに、30kのトレランを走りきれるのか?
本当は前日の土曜日に行こうかと思ったが、暑すぎて決心しきれなかったのだった。

コースは毎度おなじみの、武蔵五日市スタート~日の出・御岳山~大岳山~馬頭刈尾根~瀬音の湯コース。


給水は、ハイドレーション1L+アクエリアス凍結パック(300ml)×2の最低限。補給食はほとんどなし。
とにかく暑いので、早く走りきる作戦。
したがって、いつも途中で寄る御岳山の蕎麦屋もなし。背水の陣だ。


8:00過ぎに武蔵五日市をスタート。
登り口にかかると、真っ青に晴れ上がった青空を背景にした金比羅山が、まるで煮立っているように見える。



ダイアローグ・ドキュメント

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最初はいつものように苦しいが、金比羅尾根に入ると日差しもさえぎられ、朝の気温はまだまだ低めなので、これはちょっと走れるかなという気分になってくる。



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それでも焦らず着々と歩を進める。

金比羅尾根ではほとんど人に会わず、一組のカップルを抜いただけ。
ただ、正面から来た2台の自転車とすれ違った。実はこれはありがたい。
夜のうちに張った蜘蛛の巣を自転車が払ってくれているからだ。
つまり、露払いのようなもの。

日の出山へは1:40で一応順調に到達。
だが、最後の山頂へのアプローチは、背後から猛烈な日差しにも照らされ、これまでで最高にきつかった。
今回は発汗も尋常でなく、あまり汗かきな方ではないのだが、この頃には、もうランパンがそのまま水に

入ったようにべとべとになっていた。走るたびに、後ろからぽたぽたと垂れてくるような状態。


御岳山へも15分程度で着き、ここまではほぼ順調。
蕎麦屋へ入らず御岳山参道を通過。
いつものように登山者がパラパラ歩く中を、一旦御岳山から下っていく。
そこにハセツネコース中ほぼ唯一の水場、綾広の滝がある。



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いつもながら水量豊富の冷たく美味しい水を、たっぷりを摂取する。
何度も顔、腕、首筋を洗って冷やす。
こういう天然の水を飲むとお腹の調子が気になるが、この水では一度もそういうトラブルはない。
経験上、品質保証済みなのだ。

今回は綾広の滝で、生後4ヶ月のかわいい赤ちゃんに出会った。
もちろん父母同伴。
お父さんに抱かれた写真を1枚撮らせてもらう。


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少なくとも、自分が奥多摩山系で目撃した中では、史上最年少。なにせまだ首が座ったばかりだ。
「大岳山にもいくんですか?」と聞くと、さすがにそこまではいかないらしい。
ともあれ、マイナスイオンたっぷりの空気と涼しさが気に入ったのか、終始ご機嫌の様子だった。


大岳山への登りにかかると、だんだんきつくなってくる。
前回の登りより、明らかに力が入らない。
山頂への最後の登りはかなりきつい。
気温上昇と共に水分の消耗が激しくなり、綾広で追加補給しておかなかったことを後悔する。

大岳山頂は、今回は暑さのためさすがに人は少なめだった。


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アクエリアス凍結パックの1個目を飲み干し、さらに2つ目も少し飲む。飲む前に額や頬を冷やす。これが凍結パックのありがたいところ。
2つのパックは、解凍に時間差を持たせるため、ハンディタオルでくるんだ後、ひとつは外部のポケットに、もう一個はバックパックの中に入れておく。
大岳山頂到達がちょうどスタート後3時間ほど。そのころ2個目が半分ほど解けていた。

一応カロリーメイトも持参していたのだが、水が減るのでこれは断念。


というわけで、山頂もそこそこに、今度は反対側へ下り。
馬頭刈尾根に入るとだんだんと暑さのダメージが増してくる。
さらに、給水の不安も増す。


いつものことだが、馬頭刈山へのアプローチの3kほどがものすごく長い。
いくら山道と言ったって、㌔10分も掛ければ行けるだろうと思うが、毎回そうはいかず、今回も40分かかった。

登山客も少ない。
途中1組の夫婦登山者を抜き、馬頭刈山手前の鶴○?山でアベックと遭遇したくらい。
ちょうど写真撮影中だったので、2人一緒に撮ってあげた。

そうこうするうちに、ハイドレーションはどんどん少なくなる、4時間以上もちびちび飲んでいるから減るのは当たり前だ。
ついに馬頭刈山の最後の登りでは、もうほとんど残っていない気配。
終わり近くになると、微妙に空気が混じるので分かるのだった。
しかも、この登りが苦しい。大岳山登りの数倍苦しい。
もうほとんどばててきているのだった。
それでも、休まず動く。止まったら進まないが、動いていれば少しでもゴールに近づく。


脱水すれすれ状態で馬頭刈山頂到達。
900M弱の山なのだが、手前で一度大きく下ったのを上りなおすのがきついのだ。
山頂を見上げると、アメリカ人2名がうろうろしているのが目に付く。
登ってみると日本人の女連れだった。
無視してアクエリアスの残りを飲み干していると、女の方からシャッターを押してくれと頼まれる。
まあ米軍でもなさそうだし、快く応じる。
すると、馬頭刈山頂のでかい看板が入るように撮ってくれとか、結構注文がうるさい。
それでもうまく撮ってやると、「きゃはは、看板だけじゃなくて、後ろの山もきれいに入っているウ」とかはしゃいでいる。(なら、俺に礼でも言えよな!)


というわけで、早々に馬頭刈山頂を後にし、最後の下り地獄(約3k)に入る。
3kの間に600Mを一気に下る。
疲労した足腰にびんびんと響く下りコース。
それでも、歩いたのでは何をしにきたか分からないので、できるだけ走る。
今回は筋肉的には問題なかったが、爪がまずく、またもや右足人指し指が死ぬことになってしまった。
レース用ではないサロモンのシューズは、最近ホールドが弱く、下りでもろにつま先が靴の前部に当たるのだった。終始つま先が痛く、人指し指に加え、もう少しで親指も危なかった。

下りに入ったところでハイドレーションを飲むと、一口で最後の残りがなくなってしまった。
3kの下り基調とは言っても30分以上はかかる。おまけに、地上に近づくにつれ、暑さも増してくる。
暑さ、疲労、渇きの三重苦の中のラストとなってしまった。
特に、残り1kほどは、地上の炎熱地獄の中で、もうものすごく苦しい。


結局、途中御岳山蕎麦屋に寄らなかったにもかかわらず、前回より到着は10分遅れとなる。
馬頭刈山手前からのペースが、かなりスローになってしまったと思う。



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こんな暑い日だから、温泉は少な目かと思いきや、さにあらず。
瀬音の湯駐車場は満車で、空き待ち行列ができていた。

倒れこむように建物の中に入ると、まずは何をおいても水、いやコーラ。
冷房の効いた室内に入った途端、全身から滝のように汗が噴き出してくる。
このままでは本当に脱水になってしまうと思い、自販機に千円札を押し込もうとするが入らない!
一応ビニールに包んではいたのだが、猛烈な発汗の湿気で、ちょっと湿っているのだった。
仕方なく、受付で両替してもらい、この間ロス数分。

もう炭酸の刺激で生命の実感を回復したい一心。
コーラの350ml缶を本当に一気に飲み干す。


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途中炭酸の刺激が強すぎて、息が止まりそうになる。
飢餓にあえぐ人が、出された食事を一気に食べると頓死が起きるというが、こんな感覚なのだろうかと思った。

温泉では、まずは冷たい水のシャワーを頭から思い切り浴びて、全身を冷やした。
何とかこれで生き返った気がした。


最後に今回の感想は……、とにかく生きていてよかったなということだ。
自殺から生還した人も、多分こんな心境なのではと、ちょっと想像できた気がする。
最後水がなくなってからは、本当に苦しかった。
皆さんも、トレランの時は、ぜひ給水は多めに!


ゴール到着後帰宅までの水分摂取約2L。
それでも、帰宅後体重計に乗ると、マイナス約2.5㌔。
トレランに優るダイエット法は、この世にはないと思う。



でも、つい先日尊敬するトレイルランナー・naoさんは 、同じコースをここからさらに高尾まで30k走ったというが、彼ってひょっとして超人?

多分今日もどこかで、信じられない距離を走破していることだろう。