「アイドル八犬伝原画展」に出演♪ | NOZ's Stylish Sound♪

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1980年代の音楽に輝きを放っていたシンセサイザーYAMAHA「 DX7」

繊細で綺麗な音を放つスタイリッシュなシンセサウンド「FM音源」を使って曲作りをしております♪

2017年12月9日と10日の2日間に渡り、ゲームインパクト主催の「アイドル八犬伝原画展」にて、トークイベントのオープニングパフォーマンスを務めさせて頂きました。

オープニングパフォーマンスは、ファミコンソフト「アイドル八犬伝」のBGMをFM音源にアレンジしまして、実際に会場でFMシンセサイザーを使って演奏すると言った内容です。

 

 

実は私、「アイドル八犬伝」と言うゲームは、名前だけは知ってたのですが、ゲーム内容やBGMは全く知りませんでした。

 

ゲームインパクトさんからオファーがあったのが、前回の9月23日に開催された「ゲームインパクト大学レトロゲーム愛研究発表会」が終わってからの、10月初旬でした。

 

ファミコン音源のアイドル八犬伝のBGMを、FM音源にアレンジして、なおかつFMシンセサイザーで生演奏すると言った、おおまかな話から始まりました。

 

更に、9日と10日で演奏する曲を、一部別にして欲しいとの要望もありました。

 

そこでまず、アイドル八犬伝の曲をYouTube動画で探しまして、演奏する曲を選定する為に、毎日聴く事から始めました。

 

 

で、真っ先に決まったのが、アイドル八犬伝のテーマ曲でもある「きみはホエホエむすめ」です。

「きみはホエホエむすめ」は、もちろんテーマ曲なのもありますが、メロディーが口ずさみやすく、明るく楽しい曲です。

間奏部分のコード進行があらよあらよと移り変わっていく展開が、とても気に入りました。

 

次に決まったのが「ズゲッとはヒューヒューよ」です。

メロディーを聴いててクリスマスっぽい曲だと思い、時期的にピッタリだと思いました。

 

最後に決まったのが、3曲メドレー(おいらはイロモノ・へいへい、ザ・サイバー・ゴングショー、甘いココアでひと休み)です。

3曲はそれぞれ短い曲なんですけど、3曲とも何となく似ている感じだったので、これだったら繋げて1曲にしたら面白そうだなと思いました。

 

準備期間が1か月しかなかったので、耳コピしながらアレンジしていきました。

最初にベースとドラムを耳コピしながら、シーケンサーに入力します。

 

 

シーケンス演奏も出来るだけ生演奏っぽくしたかったので、弾けるところは鍵盤でリアルタイム入力して、弾けないところをステップ入力します。

 

 

この方法で何が得られるかと言いますと、手弾きによるバラつき感と、鍵盤を離すタイミング(ゲートタイム)が、そのまま記録されます。

鍵盤を押すタイミングや音の長さが揃い過ぎてると、機械っぽく聴こえてしまいますので、人間っぽい部分を残すようにしました。

 

但し、リズムの”かなめ”となるベースに関しては、クオンタイズ処理をして、発音タイミングを揃えておりますが、ゲートタイムは、音符やフレーズによって、ちょっと手を加えて、メリハリを付けております。

あと、打楽器に関しては、クオンタイズ処理でタイミングを揃えるパートは、リズムの土台となるバスドラムとハイハットです。

それ以外のスネアドラムやタム、シンバルなどはリアルタイム入力で、バスドラムの発音位置に被らないようにします。

 

ベースの音色は、最初から決めておりました。

やっぱりFM音源でしか鳴らせない独特なベースの音色を使いたいと思ってましたので、SEGAの「ファンタジーゾーン」や「カルテット」、「SDI」などで有名な「SYSTEM16ベース」の音色を使いました。

 

ドラムの音色は、当初はYAMAHAシーケンサー「QY700」内蔵XG音源のスタンダードKITで作ってからYAMAHAリズムマシン「RX21」に差し替える予定でしたが、「RX21」用に調整する時間が無くなってしまい、結局そのまま「QY700」のXG音源スタンダードKITで鳴らす事にしました。

 

ベースとドラムが完成したら、だいたいの演奏時間が把握出来ますので、ここからフレーズを足していきます。

ファミコン音源ですと、PSG音源3音+1ノイズ+PCM1音を鳴らす事が出来ます。

この音数ですと、メロディーと裏メロディー、ベースとドラムで終わってしまいます。

FM音源にアレンジする祭、意識したのが「音圧」です。

FM音源は単音だと音が細いので、メロディーは2音重ねて鳴らす事にしました。

また、メロディーとベースだけですと、FM音源のベースが引き立ってカッコいいのですけど、やっぱりちょっと寂しいので、私が新規にコードバッキングを追加する事にしました。

このコードバッキングを、SEGAの体感ゲーム「スペースハリアー」風にしようと思いまして、アーケード版スペースハリアーに使われている本物の音色と音階で、コードバッキングを加えてみました。

コードバッキングも、鍵盤でリアルタイム入力したそのままで、OKを出して行きました。

 

 

シーケンサーのリスト画面を見ると、数値がバラバラで「何じゃこりゃ?」と思われますけど、音符で表記出来ない程度のズレであれば、許容範囲内だと思ってます。

なので、私のシーケンスデータは、とても荒いです(笑)

 

そしたら、メロディーの音色もSEGA「スペースハリアー」風にしようと思いまして・・・

そこで考えたのが、アーケード版「スペースハリアー」のメインBGMで使われている本物のメロディーの音色と、私がYAMAHA FMシンセサイザー「DX7」で作った「スペースハリアー」のメインBGMで使われているメロディーの音色を、重ねて鳴らす事にしました。

 

実際には、YAMAHA FM音源モジュール「TX81Z」から1音と、YAMAHA FMシンセサイザー「DX7」とを同じMIDIチャンネルに設定して、「DX7」の鍵盤を押すと「DX7」と「TX81Z」が一緒になるようにしました。

 

 

 

これでFM音源でありながらも、「DX7」の後継機種「DX7II」のようなデュアルボイス感が実現出来ます。

 

こうして完成したFMシンセサイザーアレンジバージョンは、オリジナルのファミコンサウンドから、SEGAの80年代アーケードゲーム風にガラッと変わりました(笑)

FM音源になると、サウンドがシャープになります。

3曲共に、同じ音色を使ってますので、そのまま演奏が出来ます。

 

さて、曲が完成しても、弾けなければなりません。

「きみはホエホエむすめ」は11月25日に、「ズゲッとはヒューヒューよ」11月28日に完成したので、1週間ほど練習出来たのですが、3曲メドレー「おいらはイロモノ・へいへい~ザ・サイバー・ゴングショー~甘いココアでひと休み」は、本番4日前の12月5日に完成したので、あまり練習出来ませんでした。

 

演奏曲以外にも、もう1曲制作依頼を頂いておりました。

当日原画展でBGMとして流す「きみはホエホエむすめ」のオルゴールバージョンも、本番2日前の12月8日に、6時間程で制作しました。

こちらも、YAMAHAシーケンサー「QY700」に鍵盤でリアルタイム入力したシーケンスデータを、YAMAHA FMシンセサイザー「EOS B200」のプリセット音色49番「MUSIC BOX」を使って演奏させました。

 

 

その演奏をそのまま、KORGマルチトラックレコーダー「D3200」にレコーディングしました。

 

 

この展内BGMの制作は一番最後になってしまいましたけど、イメージは頭の中で出来上がってましたので、どこかで1日あれば完成させる事が出来ると思ってました。

 

何とか楽曲の準備も終わり、本番の前日は、演奏機材の搬入とセッティングです。

今回は、ゲームインパクトのスタッフの方々が、会場の準備が終わってから、レンタカーで私の家まで機材を取りに来てくれまして、とても助かりました。

機材を積み込み、私も同乗して会場に向かいました。

 

今回の大荷物は、PAスピーカーシステムと、YAMAHA FMシンセサイザー「DX7」です。

その他は、楽曲制作した時に使った機材を、そのまま持ってきました。

機材のセッティングは、深夜の2時半くらいまで掛かりました。

 

 

 

 

PAスピーカーが両サイドにあると、本格的な演奏システムになりますね!

中央に設置したYAMAHA FMシンセサイザー「DX7」のロゴはインパクトがあって、80年代を感じさせます。

気分はもうTOM☆CATです(笑)

こんなカッコいいセッティングで本番に挑めるなんて、滅多にない貴重な機会です。

ひとまず私は、睡眠を取りに自宅に戻って、昼過ぎに会場に入る事となりました。

 

さて、再び会場に入りました。

気になっていた、展内BGM用「きみはホエホエむすめ」オルゴールバージョンでしたが、心配をよそに、展内を柔らかく包み込むようなピッタリな感じになってて、ほっとしました。

やっぱり本物のFM音源は、歯切れ良いアタック感と、透明感のある繊細な音色を奏でますよね♪

 

トークイベントはPM3:00から始まりました。

同時にオープニングパフォーマンスもスタートです。

最初に「ズゲッとはヒューヒューよ」を演奏しました。

シーケンサーのスタートボタンを押して、演奏開始です。

 

ゲンゲン響くSEGAベース!

スイープ感あるコードバッキング!

そして「DX7」による、ぶ厚いシンセリード!

よし!良い感じだ!!

 

けど・・・

 

お客さんがすぐ目の前にいるので、視線を感じて観客席を見れない(^^;

あれ?観客の反応がない・・・(^^;

困った・・・(笑)

まるで、観客の視線で加熱される電子レンジの中にいる感じです(笑)

ん!?イケてるのか?イケてないのか?複雑な気持ちが交差する中、演奏が続きます。

 

私が本領を発揮するのは、実機のFMシンセサイザーで80年代アーケードゲームの音色を奏でるところにあります。

実際の演奏では、私が弾けるほどにフレーズをいじってます。

やっぱり、弾けると演奏は楽しいんですよ♪

なので、弾き終わった時の達成感が、たまりませんね。

 

こんな感じで、テーマ曲「きみはホエホエむすめ」を演奏して、FMシンセサイザーを使ったオープニングパフォーマンス1日目は終わりました。

 

その後は、参加者、出演者の方々とお話をしたりと、閉館まで、まったりと過ごしました。

物販コーナーでは、主催者様の配慮で、私のミニアルバムCD「NOZ's Works Memories」も陳列されておりました。

 

 

実際に私のCDを買って下さった方もいらっしゃいまして、とても嬉しく励みになります。

 

更に嬉しかった出来事が2つありました。

1つは、何と!?色紙にサインをさせて頂きました♪

マジか~!?と驚きつつも、シュウシュウ~サッサッテンテンと書き上げました(笑)

 

 

もう1つは、アイドル八犬伝の作曲者の見里さんが、私のCDを買ってくれた事です。

同じFM音源でも、FM音源チップのアルバム作品はそこそこありますけど、FMシンセサイザーのアルバム作品は今では珍しいと思います。

こちらも、開封して、ライナーノーツの空いているところに、サインをしました♪

 

お!?何だか聴いてみたいぞ!と思った、その時が吉日です!

ゲームインパクト公式ホームページで購入出来ます。

 

 

 

夜は場所を移して、「アイドル八犬伝懇親会」が行われました。

もうここでは、主演者・参加者、関係ありません(笑)

ここで私は、作曲者の見里さんと、背景デザイン担当の日高さんとで、音楽の話で盛り上がりました。

なぜ背景デザインの日高さんが楽器の話?かと思われますが、私がYAMAHAのFMシンセサイザーで、見里さんがRoland SYSTEM700で、日高さんが何と!まさかのKAWAIシンセサイザーでして(笑)

日高さんがおっしゃるには、見里さんとここまで楽器の話をした事が無かったと言うくらいに、私も見里さんや日高さんに混ざってFM音源を語れるなんて、もう夢のような時間でした。

 

さて、2日目です。

実は昨日とは違った緊張感が、私を襲っておりました。

その原因は、最初に演奏する3曲メドレーでした。

2日間しか練習してなかったので、オープニングパフォーマンスが始まるギリギリまで、ヘッドホン着けて運指の確認をしてました。

 

で、いざ始まりますと、目の前の観客席を見た途端、頭の中が真っ白になりました(^^;

テンポは120な曲なのですが、16分音符がチラホラあるので、私のとってはテクニカルな曲でした。

シーケンス演奏+マイナスワン演奏でなかったら、演奏が破綻していたことでしょう。

ミスタッチが多々ありながらも、シーケンス演奏に助けられながら、何とか乗り切った感じでした。

もう、しゃべる余裕がありませんでした。

そのまま無言で、「きみはホエホエむすめ」のシーケンスデータをスタートさせました。

昨日と違って、1曲目からのネガティブ感を引き摺りながら弾いてました。

しかし、観客からの手拍子に励まされ、何とか演奏を終える事が出来ました。

 

これで私の、2日間に渡った「アイドル八犬伝原画展」は終わりました。

アイドル八犬伝の制作者が7名も揃うと言う、こんな2度とない貴重なイベントに、私もFMシンセサイザーで参加出来て、本当に良かったです♪

 

限られた期間で準備して、お客様をおもてなす事の大変さを、思い知らされました。

どんなに大変でも、本番をサラッとこなして結果を出すのが、プロなんだと思いました。

私は、まだまだですね。

でも、これに懲りずに、機会があったら、どんどん表舞台に出て、FM音源をアピールして行こうと思ってます。

そして、イベント出演の経験を積みながら、鍵盤演奏も上達して行きたいです♪

 

あ、そうそう、会場で買うのを忘れておりました、アイドル八犬伝の新発売CDは、後日に、ゲームインパクト公式ホームページで購入しました。

 

 

このCDは、作曲者の見里さんが、Rolandシンセサイザーモジュール「SYSTEM700」と、YAMAHAリズムマシン「RX15」を使って制作された、ファミコン音源に修正される前の貴重なバージョンなんです。

私は、こう言った秘蔵の音源とか、試作バージョンとか、「本当はこうだった!」バージョンにも、魅力を感じます♪

ファミコンと「SYSTEM700」とを比較してはいけないんだけど、同じ矩形波、三角波でも、やっぱりアナログシンセは単音が太くて、重厚なサウンドですよね。

なので、オリジナルとは違ったバージョンとして、アイドル八犬伝ファンの方から、ゲームミュージックが好きな方・・・、そしてシンセサイザーファンにもお薦めしたい作品です♪

 

それから、アイドル八犬伝原画展の司会を務めましたファミコンキッドさんがMCをされているラジオ番組「ファミコン名人への道(笑)」でも、番組の中盤からアイドル八犬伝原画展の模様が紹介されております。

その中の「お便りコーナー」で、私のFM音源活動の事も紹介されております。

えっ!?NOZって何者なの?と気になった人は、番組を聴いてみて下さい。

https://ameblo.jp/famicom-meijin-road/entry-12336782934.html

 

 

朗報!!

何と!?2018年2月18日に東京荻窪で開催されるゲームインパクト主催「ゲームインパクト学園in東京」に出演する事が決定しました。

そこで、今回演奏したアイドル八犬伝のFMシンセサイザーバージョンは、前売り券プレミアムS席をご購入されたお客様に、「NOZ'Sアイドル八犬伝FMシンセサイザーアレンジミニCD」として、プレゼントさせて頂く事になりました。

また、当日のイベント内容も、随時更新されますので、チェックしてみると良いですよ♪

 

2018年も、FM音源関係で活動していきますので、よろしくお願いします。

 

 

 

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