
意外と知っている人は少ないかもしれませんが、正常な「REV7」の液晶ディスプレイは、青白く光ります。
正直なところ、私も知りませんでした(^▽^;)
私の手元に届いた「REV7」をチェックしたところ、液晶ディスプレイのバックライトが点灯しておりませんでした。

現在、中古品として流通・出品されている「REV7」は、液晶ディスプレイのバックライトが消灯している状態の故障品が、ほとんどだと思います。
その為、80年代当時の「REV7」を知らない人が見ると、バックライトが点かない状態(バックライト無し)が正常だと誤解しまうほどです(笑)
まあ、30年以上前の機材ですので、バックライトが切れてしまうのは、仕方が無い事です。
バックライトが点かないと、周囲が明るくても視認性が落ちます。
やっぱり、バックライトは点灯させてあげたいものです。
そこでまず、実物の「REV7」の液晶ディスプレイ用バックライトを確認してみました。
「REV7」の液晶ディスプレイ用バックライトには、EL板が使用されております。

このEL板が点灯しない原因を調べたところ、EL板のところまで電圧が来ておりませんでした。
たぶん、EL板に電圧を送るインバーターの故障かと思われますが、これ以上原因の追究はせず、このまま放置します。
そして、故障しているEL板方式を止めて、LED(発光ダイオード)方式に変更する事にしました。
「REV7」の液晶ディスプレイは、16文字×2行タイプです。
実際に液晶ディスプレイのサイズを計ったところ、YAMAHA FMシンセサイザー「DX7」や「DX21」と同じサイズでした。
と言う事で、2014年10月08日の記事と、2014年12月14日の記事でも紹介しました、市販LCDモジュール「KD162-626LPSG-LG」を用意しました。

画像の左側が、純正の液晶ディスプレイで、右側が、LCDモジュール「KD162-626LPSG-LG」です。
基板のサイズ、穴の開き位置、ピン配列、ディスプレイの位置はピッタリですが、表示部の厚みが異なります。
これは、EL板方式ですと表示部が薄いのですが、LED方式ですと表示部が厚くなります。
しかし、「REV7」の前面パネル裏側のクリアランスが、元々確保されておりますので、ディスプレイ部の厚さが変わっても、そのまま取付け可能です。
では、私が行った作業内容を紹介しましょう。
まず始めに、古い液晶ディスプレイを取り外します。
前面パネルを外す為には、まず、本体ケースと底板を外します。


17本のネジを外しますが、どれも同じネジなので、本体ケースのネジと、底板のネジとで分けて置くと良いでしょう。
これで、前面パネルが外れる状態になります。
残っている11本のネジを取り外すと、金属フレームから前面パネルが取れます。
これでやっと、液晶ディスプレイが露出します。

液晶ディスプレイを外す前に、液晶ディスプレイと繋がっている制御基板のコネクタCN106(2芯)とCN107(14芯)を抜き取っておきます。

それから、液晶ディスプレイを固定しているネジ3本を外し、液晶ディスプレイを取り出します。


液晶ディスプレイに接続されている14芯ケーブルは、引き続き流用します。
液晶ディスプレイのEL板に半田付けされている2芯ケーブルは、今回で不用になります。
新しい液晶ディスプレイに、14芯ケーブルを接続します。
実は、液晶ディスプレイ基板からコネクタごと取り外したかったのですが、半田が頑固に付いておりまして、取り外す事が出来ませんでした。
そこで、コネクタの流用は諦めて、ケーブルを直接半田付けする事にしました。
赤いケーブルが1番ピンですので、配列順番を間違えないように、1本ずつ半田付けします。

次に、バックライトを点灯させる為の配線を追加します。
バックライト用の配線には、15番と16番ピンを使います。
15番がプラス(+)の極性で、16番がマイナス(-)の極性です。
2番ピンが、直流5V(ボルト)のプラス(+)極性になってますので、ここから電圧を引っ張ってきます。
ところが、バックライトの動作電圧が4.2Vなので、電圧を少し落としてあげなくてはなりません。
そこで、2番ピンと15番ピンを繋ぐ時に、10Ω~100Ωの抵抗器を間に入れます。
これは、数字が少ない10Ωほど、バックライトが明るくなり、数字が多い100Ωほど、バックライトが暗くなります。
以前「DX7」と「DX21」のLCDモジュールを交換した時に、30Ωの抵抗器を付けて使ってみたところ、丁度良さそうでしたので、今回も30Ωの抵抗器を選びまして、2番ピンと15番ピンをブリッジ接続しました。
残る16番ピンのマイナス(-)は、すぐ隣りの1番ピンと繋げばOKです。

これで、新しい液晶ディスプレイの準備が完了です。
14芯ケーブルの半田付けが完了したLCDモジュールを、本体の金属フレームに取付けます。
新しいLCDモジュールのネジ穴が少し小さいので、3mmのドリル刃で穴を大きくします。
そして、ネジで固定する時には、LCDモジュール基板と金属フレームの間に、絶縁処理として、3Mサイズのプラスチックワッシャーを挟みます。


LCDモジュールの固定が終わったら、14芯ケーブルコネクタをCN107に差し込みます。

CN106は、そのまま放置します。

ちなみに、CN106の左隣にあるR284とR285は、液晶ディスプレイの文字の濃さを調整している抵抗器です。
これで、新しい液晶ディスプレイの入れ替えが完了しました。
この状態で一度、電源を入れて、表示の具合を確認します。
まずは、バックライトが黄緑色に点灯する事を確認します。
次に、文字の濃さを確認します。
実はこの、文字の濃さに関しては、機器によって調整が必要な場合がありますが・・・

バッチリですね(^^)
無調整で行けそうです♪
後は、外した前面パネル、底板、本体ケースを、元に戻します。
そして、元に戻した状態の、新しい液晶ディスプレイが、こちらです。
じゃん♪

やっぱり、バックライトが点くと、とても見易いですね。
以前のEL板の青白い発光よりも、LED方式のほうが光量アップしますので、グレードアップしている様に思えます。
今回も使用したLCDモジュール「KD162-626LPSG-LG」は、YAMAHA FMシンセサイザー「DX7」と「DX21」、そしてこのYAMAHAエフェクター「REV7」にも対応する事が確認出来ました。
液晶ディスプレイのバックライトが点かないと諦めていた「REV7」を救う事が出来ます。

これでやっと、「YAMAHA X SYSTEM」が完成です♪
まだまだ現役!
YAMAHA REV7
PS:
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